悲しんでいる暇なんかねぇーー。 | クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

TYPE Rの称号を与えられなかったもう一つの悲運の車

 色々書いてみましたが、やはり「オヤジ」という呼び方は、もう僕の中で定着してしまったみたいなので、これからも僕では無くオヤジという呼び方を通していきます。(笑い♪)いゃーーー。ワガママなオヤジですみません。



  葬式も終え無事にかみさんを送ったオヤジであったが、翌日は真っ先に凍結されたかみさんの銀行の口座を引き継ぐ手配を行うこととした。

 かみさんの残された口座は、郵便局と銀行が1店ずつあった。

郵便局の通帳残高は777円。その為、後回しにして、まず最初に銀行の凍結された口座の処理に向かう。


 親権者はオヤジ一人なので、銀行の通帳と印鑑、オヤジの免許証さえあれば問題ないだろうと、この時点では思っていた。

 銀行に入りかみさんが亡くなった事と、残された口座のお金の引き継ぎの手配をする。という事を伝えたら、別な窓口を案内された。


待つこと数分。


 担当者は少し神経質そうな男の人であった。名刺を見ると支店長代理である。

 オヤジは再び担当者にその旨を話した。

「お子さんはいらっしゃいますか?」と尋ねられたので、「未成年が二人。」と、答えたところで、担当者は急に難しい顔をしだした。

 しかも、「うーーん。」とか、「困ったなぁーー。」としかさっきから言わない。

 

 なかなか本題に入らない担当者にオヤジはイライラ度がMAXに来て、

「さっきからはっきり話さないで、どういうことですか??素人にわかるように言ってください!!」と、つい語気を荒げてしまった。


 店内のお客が全員オヤジの方に振り向いた。


要するに簡単に話すとこういうことになるのだ。

まずはかみさんの銀行の通帳に残されたお金は、オヤジ・子供2人と3人が財産分与となるのだが、子供は未成年のため、オヤジが独り占めしないように、子供達にしかるべき後継人を立てなければいけないという事であった。

 

 そこで、オヤジは後継人をいつもお世話になっている、地元のS車輌の社長、もしくはかみさんのお兄さんを考えた。

 時間的には地元のS車輌の社長の方が都合がいいので、担当者に元のS車輌の社長でいいのか、またはかみさんのお兄さんのほうがいいのか訪ねたら、判らないということであった。


 なんだか煮え切らない答えに、さらにオヤジのイライラ度がMAX。


 さらに語気を荒げ、担当者に詰め寄ると、その後継人は裁判所で問題ないかどうか判断を行うそうである。


 さっぱりらちかあかないので、オヤジは直接裁判所に電話をかけたら、しかるべき書類を提出して、それから吟味。裁判官の判断は、早くて1週間から2週間。という事であった。


 さらに後継人は一人ではなく、子供一人に対して一人、つまり2人の後継人が必要ということであった。

 

 早速、書類を用意しょうとしたオヤジであったが、必要な書類が彼女の生まれてから結婚して、この住所に変わった戸籍謄本1通。この住所に変わってからの手書きの戸籍謄本1通。さらに機械化された時の戸籍謄本1通。合計3通が必要ということと、後継人のサイン。さらに後継人の戸籍謄本が各1通。が必要のことであった。

彼女の生まれは斜里方面である。

その為、その役場に問合せ、戸籍謄本を送ってもらうために約、1、000円ほどの手数料。後継人と残りの戸籍謄本の手数料で同じく1、000円弱もかかってしまうのだ。


 たった自分たちのお金を下ろすのにそれだけの時間と、労力がかかってしまうのだ。


 電話中、裁判所に聞くと、手数料が後継人1人に対して800円×2名で1、600円。+84円切手が14枚が必要ということであった。

  この段階でもう軽く5千円オーバー。


 思わず裁判所と銀行の担当者に、「自分たちのお金を下ろすだけなのに、随分、時間と手数料を取るんですね。」と毒づいたオヤジであった。



  もし、オヤジと同じような立場の人がいれば、これだけは言っておく。

たとえ鬼畜。と言われようとも、故人となる方の銀行の口座は、生前中になるべく早めに全て1、000円単位まで下ろすべきである。これだけの手間ひまをかけないと、自分の(かみさんの)お金を取り戻す事ができないのである。


 流石にオヤジは彼女が亡くなるまで、銀行の口座を手をつけることができなかった。

 また、亡くなった日が金曜日だったので、土曜日、日曜日が災いし、また1回の下ろせる金額も50万円までだったので、決して多くはないが、そこそこの金額が口座に残ってしまった。


 治療費も葬式代も、すべて貯金を崩して用意したが、このお金があればまた随分助かったに違いない。


 今の時代だから仕方が無い。と言えばそれまでだが、その対応に銀行、役場、郵便局を行ったり来たりの1日であった。

 その段階でもう完全に郵便局の777円のお金は諦めた。


全く悲しむ暇もなく、怒りまくっていた1日となった。


ただ、一つだけ助かった事があった。

それは遺族年金が出るということであった。


 オヤジは今まで遺族年金とは、父親が亡くなった母子家庭の方だけに出るものだと思っていたのだが、今年の4月から改正が行われ、父子家庭にも年金が出るということであった。

 もちろん、18歳までと、母子家庭よりももらえる金額ははるかに少ないのであるが、これは大きな嬉しい誤算であった。



  天国に行ったかーちゃん!!オヤジ達はしっかり仲良く、何とかやっているからな!!


 安心しなよ!!



 次回。診断書の手数料は何と5万円!!


 明日はいよいよかみさんの治療費を払いに病院に行くオヤジ!!

恐ろしいことに、保険会社に保険料に申し込みをするのに、5万円近くのお金を払って診断書を書いてもらうハメとなります。


  まだまだ、悲しんでいる暇なんかねぇーー。頑張れ!!とーちゃん!!





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