降りやまない雨は無い。 | クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

TYPE Rの称号を与えられなかったもう一つの悲運の車



 
本日は休日。


 オヤジの休みの日が雨続きの書き込みに、ブログでお世話になっている、主(あるじ)さんが「降りやまない雨は無い。」と書き込んでくれた。


 北海道の夏は異常に短い。お盆(8月中旬)がすぎれば、すぐに寒くなりライダー達は急にいなくなる。もう、実質バイクで走れる時期は賞味1ヶ月という感じとなってしまった。


「いやぁーーーっ。このまま、バイクに乗れないままシーズンを終えるのは、ネタ的には面白いかもしれないけど、洒落にならないなぁーー。」


 鈍い雲り空を仰ぎ見ながら、オヤジは一人つぶやいていた。


時折、小雨が降り始めていた。


「うわっ!!これは完全に呪われたライダー。決定だな。」





 これで今日の予定は完全にバイクという選択肢は無くなり、オヤジはこれからどうするか考えていた。


 とりあえず、午前中に用事を終わらせ、昼頃にオヤジはかみさんと連れ立って、蕎麦好きなかみさんのために、車で10数分の所にある、評判の蕎麦屋に行くこととした。

 ここはかなり有名な場所で、遠方からはるばるここのお蕎麦を食べにやってくる人もいるらしい。


 実はオヤジは蕎麦は苦手である。蕎麦とうどん。どちらを選べと言われたら、迷わずにうどんを選ぶ人間であるが、そんなオヤジを蕎麦好きにしてくれたのが、この蕎麦屋さんである。


前回の休みに言った時は・・・・・1時過ぎにも関わらず、



 残念ながら、まさかの蕎麦自体が切れた為に、臨時閉店となってしまったのであった。


今日はそのリベンジである。



 ちよっとわかりづらい看板を曲がり。




少しの間、山道を走ったら、






そこに目的地の蕎麦屋さんがあった。「温(オン)」という蕎麦屋さんである。


 


オヤジは辛味大根蕎麦。¥870-





かみさんは、とろろ蕎麦。¥870-



そして、エビの天プラ2匹入り ¥500円ーをひと皿頼んだ。(本当はカボチャの天ぷらのあったのですが、オヤジがさっさと先に食べてしまいました。

 

 流石は蕎麦嫌いのオヤジを唸らす蕎麦である。


また、ここの蕎麦湯の出し方が絶妙なタイミングで出されるのである。

そろそろ蕎麦湯が欲しいな。と思って、今度近くに店員さんが来た時に頼もう。と思っていたら、「蕎麦湯です。良かったらどうぞ。」と、出されるのである。


 もうこれは本当に、お客さんを見ながら対応をしているのであろう。

全く前、前回書いた、少しだけ残念だったこと、の店員さんに見習わしたい対応である。

 

 このあと、仲良く美味しい時間を過ごしました。


ここで残念な事が1件。


 オヤジの横の席に座っていたお客さんが、頼んだ蕎麦を一口しか口にしないで、しかも天ぷらが沢山のっている大皿は全然手にしないで帰ったのだ。

おそらく、蕎麦の雑誌に載せるのか、ブログに載せるために頼んだのであろう。


 全く料理人を冒涜する行為である。せっかく一生懸命に作ってくれた料理を残すという事は、いくらお金を払ったから良いだろう。では済まされない事である。

 かみさんと二人して、オヤジは憤慨して話していた。


 蕎麦を食した最後の精算時には、もちろんオヤジは「ごちそうさま。」と言いながらお金を支払いました。


そして、少しだけ贅沢な昼食を終わらしたオヤジが家に戻ってきてみると・・・・


 なんと天気はいつの間にか快晴に!!


 本来は一眠り、昼寝をしてから活動するのであるが、今回は寝る時間も惜しんでバイクの用意を行う。


 天気は快晴でも、気温は異常に低い。(夜の天気予報で、今日の最高気温は12°となっていました。どうりで寒いはずだ。)


 オヤジは久しぶりにバトルスーツを着込んだ。


 やはり、モンスター・エナジージャケットも良いが、ここ一番の走りには、このバトル・スーツが絶対の安心感を呼ぶ。

(頼む。かかってくれよ。)オャジは祈るように、レディのセルを押した。


キューーィン。


バ・バコッ!!バコッ!!



長い間乗らなかったので、セルは頼りないながらも、何とかかかってくれた。


バゴン!!バゴン!!


軽くアクセルを煽りながら、エンジンのアイドリング安定するのを待つオヤジ。


 本当に久しぶりの走りである。走りながらどこに行こうかと考えているうちに、生まれてからこのかた今まで1回しか行かなかった、T峠に行こうと決めた。

 このT峠はいつも行っているB峠を降りたらすぐに入口がある。

この峠の景色の美しさは地元組にはB峠以上とまで噂されている峠である。


 早速、逸る心を抑えながら、高速に乗りB峠に向かうオヤジである。


途中、大型ダンプがオヤジの後を追いかけてくる。

 しかし、B峠の麓には覆面やパトカーが待ち構えているので、あまり飛ばすことはできない。

いつもならガンガン引き離すオヤジだが、どうもこの快晴に嫌な予感がしまくるオヤジである。

 途中、横に避けてやると、その大型ダンプはオヤジを追い抜きざま、高速道路並みの巡航し始めたのだ。


 北海道では長距離大型ダンプやトレーラなどの車の前を走ってはいけない。彼らが現れたらすぐに横に避けて、先に行かせないと、いっまで経っても、一般道路を高速道路並みの速度で走らなければならなくなる。

 それほどまでに彼らは、長時間、高速走行に強いのだ。


 そして、B峠の麓に入っても、その大型ダンプの速度は落なかった。先行している乗用車、バスを抜かし、時速80km/hで急な登りさかを登っていった。

「すげーーなー。」オヤジはその大型ダンプの走りに興味が持ち、彼の後をズーーツっと追いかけていた。


 その時、その大型ダンプはバイクは登りさかは最強という事実を知っているのか、左ウインカーを付けて道を譲ってくれた。

もちろん、オヤジはアクセルひと捻りで軽くその大型ダンプを追い越していく。

 こんな時に、排気量1、000cc、トルク92Nm@5500rpm  の恩恵が現れる。

5速、シフトチェンジ無しで、簡単に戦闘領域に軽い車体をもっていくのだ。

もちろん、軽く左手でお礼のサインを忘れない。


 約、数分後にオヤジはいつものB峠頂上に到着。ここでトイレタイムを行う。


 


一休みのあと、引き続き、B峠を下って目的地のT峠に向かう。








この道を走れば、目的地につくのであるが、ここで残念な事を発見。

トリップメーターが160kmを差していたのだ。

近間しか乗らないつもりで、レディの燃料を入れるのを忘れていたのだ。




(B峠にて。)


 我が愛機、ビューエルXB9。見える燃料タンクはダミーで、実質の燃料タンクはぶっといフレームが燃料タンクを兼ねているのだ。

その為、燃料は10リッターしか入らないので、連続、巡航距離は200km弱。このまま走れば、ガソリンスタンドまでギリギリ燃料が持つかどうか??

しかも元に引き返しても、また一番近くのガソリンスタンドまでやはり40km弱。

 その為、オヤジは残念ながら今、来た道を引き返した。やはり燃料が乏しくなると、土地感のある町に戻るのが安心できる行為である。


 早速、B峠頂上を目指すオヤジ。久しぶりの運転のため、タイトなコーナーの入り組んだ峠の登り道をアクセルをワイドに開け始める。

やはりバイクは峠道が一番面白い。

すると前方からツーリングの自転車達がぞろぞろと降りてくる。


「!」


(自転車達が降りてきたとしたら・・・・・) オヤジは早めにレディをイン側に寄せ始めた。


 案の定、自転車を抜かそうとする車がセンターをはみ出して来たのである。


 公道はレース上のように、アウト・イン・アウトのような決った走行ラインは存在しない。

ブラインド・コーナーの先に事故車がいる場合だって考えられる。

 常に自分の安全マージン内のスピードで、そして視界が開けたら、アクセルはオープンに。


 いつもは5速のまま、オクセル・オンで走り抜けるオヤジであるが、今日は何だか気分が高揚していた。


3速アクセルはワイド・オープン!!


途端にレディの爆音が変わった。


 そう、レディは本来のハーレーダビッドソンのVツインエンジンを独自にチューンアップして、コンパクトな車体に搭載したスポーツバイクの正体を表し始めたのだ。


 タコ・メーターが五千回転を超えた途端に、オヤジの目に前の景色が流れ始めた。振動がひどくてヘルメットが激しくシェイクし始めた。


 急な登りさかにも関わらず、必死にハンドルにしがみつくオヤジ。


 不思議なことに、今まで振動がひどくて使いもにならなかったバックミラーが、はっきり見える。

(そうか、オヤジは今までビューエルの片鱗を見ていなかったんだ。)

その間、ほんの数十秒。オヤジは終着点の頂上にたどり着いた。


(また一つ、お前の新しい顔が見れたな。ありがとうよレディ。)


 頂上で一休みをしたオヤジは、レディのタンクを軽く叩きながらそう呟いた。




カワサキ・バルカン(?)のサイドカーかな??これなら長距離はらくだろうなぁーー。




 だけど、今のオヤジには峠に特化したこのレディが一番お気に入りである。




最近のココのお気に入りの場所。なんとオヤジのイスの上である。

みんなが寝静まった頃に、ココは一人ここで静かに眠るのである。





そして・・・・・飽きたら、イスの天井でガリガリと爪を研ぐのである。

おかげで、柱は傷をつけないでくれるから、助かっています。




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