キリンに憧れて!! 想いを乗せて。 | クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

TYPE Rの称号を与えられなかったもう一つの悲運の車




 今年、一人の漢(おとこ)がこの世界から去ろうとしている。
理由は至極簡単。経済的理由という事である。

 コミック・キリンの世界ではバイクから降りることを軽蔑する傾向にある。
特に経済的理由でバイクを降りることは一番の恥とされている。
だが、オヤジはそうは思わない。

 彼はオヤジのバイク小説、「それでも走り続けるⅡ。」の主人公。桐生 仁のモデルとなった方である。
  弱視。左手首にバイク乗りとしては致命的なケガを負いながらも、それでもバイクが好きで好きで止められなかった方であった。
 オヤジなんかよりもはるかにキリンであった人だ。

そんな彼がバイクを降りるという。彼が経済的理由でバイクを降りることは、自分の娘の将来のことを考えての事である。
 最高にカッコ良い行為ではないか。

 人は誰しも自分に夢を持っている。そんな大切な夢を、彼は自分の子供の為にあっさりと捨てられる。
 親だから当然の事。と誰しも、そういう事であろう。
だけど、その覚悟を一体何人もの人ができるだろう。

 数年前にオヤジはバイクコミック「キリン」の世界に憧れて、こちら側の世界に戻ってきた。
そして今、オヤジの中ではキリンはコミックの世界では無く、バイク乗りの世界という意味合いが強くなってきていると思う。

 オヤジは今でもキリンに憧れている。それは、多くのライダー達と出会い、別れ一人前のキリンになりたいと思っている。

  オヤジもいつかはこちら側の世界から別れをつげなければいけない。
それは体力的理由か。それとも経済的理由かもしれない。


それでもその時までは、多分、自分にとってバイクに乗り続ける。という事は、自分の関わって別れたライダー達の想いも一緒に乗せて走るという事であろう。



2015年4月21日

キリン!始動!!



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