そして、今日、ようやく何とか体調が70%程戻どった感じである。
(えっ?オヤジの体の調子がこの話と、一体何か関係あるのって?まあまあ、この話はブログの伏線なんですよね。)
さて、話は数日前に戻り。
友人IのGTR編に遡ること数時間。
「そうか、それなら昼から迎えに行くよ。」
友人Iとの連絡を終えたオヤジは、静かにレディを発進させた。
天気は快晴。しかし、外気温はかなり低い。
今回のレディとのデートは小1時間ばかしだろうか??
オヤジは目的地を網走近辺のさんご草で有名な卯原内と決めて、ハンドルを向けた。
走り出すとさすがに寒い。分厚い革のプロテクターで覆われたバトル・スーツでさえ、寒さが身にしみる。
普段は高速道路並みの巡航であるが、今日は60km/hの安全運転に徹する。
北海道の一般道は、概して皆飛ばす。
商用車のバンでさえ、80km/hから100km/hは当たり前の速度で巡航する。
オヤジの後に走っているハイ・エースは、60km/hで走るレディとオヤジを邪魔な存在と認識して、後ろから煽り始める。
「まったくもう!ハイハイ!!速く走ればいいんでしょう!!」
オヤジは無造作に右手のアクセルを絞った。
ドゴーーーン!!
その途端、レディはいつもと同じように、いつもの加速をし始めた。
すぐに点となるハイエース。
ハイエースのドライバーは、慌ててオヤジを追いかけるようにスピードを上げてくるが、加速中のレディには敵はいない。
あっというまに見えなくなってしまう。
そんなこんなで、30分ばかしで目的地の日本最大のサンゴ草が生えている、卯原内に到着。




ここは昨年、かなり枯れ果てて絶滅の危機にさらされていたのだが、今年はだいぶ元に戻ったそうである。
一応、日本一の看板がかかっているので、何とかその綺麗な景色を保ってもらいたいものである。
その後、充分にさんご草の景色を堪能したオヤジは、馴染みのガソリンスタンドに寄り、いつものようにガソリンを補給して無事に帰宅をし昼からに備えた。

昼からはチューンド・33Rで書いたとおりである。
そして、今日6日の休日は残り少ないレディとのデートを楽しみにしていたのだが、あいにくの風邪の悪化で、ようやく体力が少し戻った。という事だろうか??
次の休みは10日。オヤジはその日をレディとのラスト・デートと決めて、保険の休止を行いに馴染みのS車輌の元に向かった。
「10月9日ですね。」
残念ながら、保険の最終日は10月9日であった。
S車輌の奥さんはそう、残念そうにオヤジに言った。
「そうですか。残念ですが、仕方がないですね。」
残念ながらオヤジとレディの物語はこれでおしまい。
今年はもう2度と乗ることはできなくなってしまったのだ。
今日の午後からは、一抹の寂しさを覚えながらも、オヤジは彼女が眠る場所を作ることとした。
まず、ガレージにレディを入れる足場を作る。

体重170kg弱の小柄なレディを一気に押して入れる。
失敗!!
レディの低いマフラーが途中に底付きを起こして、前輪が上がったまま止まってしまった。
オヤジは焦りだした。
春先はこの状態で身動きがとれず、かみさんを呼んで動かしたのだが、今回は一人のままであった。
グラグラしているプラスチックの足場にケリを入れて、レディの足元から外して、一気にバックさせた。
ドスン!!と軽い音をたてて、レディは無事に路面に降りた。
「やはり長いスロープが必要だなぁーー。」
と、3年前に14Rを入れるときに用意した足場を出してきた。

「いち!!にぃ!!さん!!」
掛け声と同時に力を込めてレディを押し出す。

無事にガレージに納車。
毎回、この時はいつも寂しさと共に、今年も無事に過ごせたな。という想いが去来する。
もちろん、車の運転でも事故を起こすときは起こすが、バイクはやはり事故を起こすと、無事にはすまないイメージがつきまとう。
そして、お約束のバッテリー端子を外す。


3年間、オヤジの身を無事に守ってくれたバトル・スーツもしまう。



時間が余ったので、オヤジはガレージの快適化計画のために、


作業机にDVD用のモニターを取り付ける。
実はこのモニターを取り付けている金具。病院でよく使われている、金属のアームであるが、モニターが自由に動くので、邪魔なら机からどけることも出来る。
今度の休みはDVDプレーヤーとスピーカーを取り付けて、ガレージの中で至福のひとときでも過ごしましょうか??




今年も色々な思い出をありがとう。レディ!!
今は静かに眠ってくれ!!
コーーーーーン!!
オヤジはそっと静かに目を閉じると、遥か彼方からレディの甲高い排気音が聞こえ、まるで生きているかのようにしなやかに加速し、走り去っていくレディの後ろ姿を見たような気がした。
2014.10.6
最高の思い出と共に。
ビーューエル XB9S
ー かって、漆黒の悪魔:レディ・ナインと呼ばれた我マシン。ー
