チューンド33R!!発進!! | クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

TYPE Rの称号を与えられなかったもう一つの悲運の車

 
 ワハハハハ!!今回は豪華なバイク編とGTR編の2本立てだぜ!!



 昨日の休日。オヤジの住んでいる北海道は久しぶりの晴天となった。
しかし、秋晴れの天気に騙されてはいけない。快晴だろうが気温は12度ぐらいとなるのだ。

 早速、オヤジは朝一番にバトルスーツを用意する。
「こんなに寒いのに、また彼女とデート?」かみさんは、オヤジの姿に呆れてものを言う。
「ああっ。もう残り少ない時間だから。」そう言いながら、オヤジはかみさんに片手を上げて合図をして玄関から出て行く。

キュ・キュルキュルキュル。

 気温が低いために、バッテリーが一旦、死んだようになり、エンジンが掛かり始める。

ドリュッ!!ドリュッ!!ドリュツ!!

 長いあいだ眠っていたレディは機嫌が悪そうに起き始める。

 充分な暖気をしている間、オヤジはバトルスーツの上着に袖を通す。と、そのとき、一件の電話がかかってきた。
レディのアイドリングの音がうるさく、電話が聞き取れないので、オヤジはすぐにエンジンを切った。

「オヤジ!!元気だったか??」
電話の主は数ヶ月前にチューンドGTRの33Rを手に入れた友人のIからだった。

「おおっ。Iか?一体どうした?」

「オヤジの次回の休みはいつだ??」
「次の休みは●日と、●日だけど。」
「そうか。残念だな。休みが合わないな。」
Iが残念そうに答えた。

「おい。I、もしかして今日は休みか??」
「ああっ。休みだけど。」
「そうか、実は俺も今日は休みだ。これからバイクでひとっ走りしようと思っていたんだ。」
「これからって・・・・晴れているけど、かなり寒いだろう。」

「ああっ。だけど、もう乗る時間はないからな。」

「おい。Iもしかして、今日、暇なら33Rのお披露目会か?」
「ああ。だけど、オヤジが用事があるなら、残念だけど仕方がない。」

「いや。バイクには乗るけど、この寒さだ。1時間も乗れば充分だ。だから昼からなら時間は空いているぞ。」
「そうか、それなら昼から迎えに行くよ。」


という事で、午後からは友人IのGTR33Rのお披露目会となった。

バイク編は次回のブログにて。
(だって、先にバイク編を書くと、絶対にGTR編の方が人気が出てしまうからネ!!)

 ゴロゴロゴロ!!



 昼12時時過ぎに遠雷が鳴り始めた。あれっ?晴れているのに変だな??と思っていたら、ドァーフォンが鳴った。

 モニターを見ると友人Iの姿がそこにあった。

「おっ。すまん。少し待っててくれっ!!」
と、言いながらオヤジはかねてから用意していたGOPROとデジカメを手にとった。

 玄関を開けるとそこには綺麗なチューンド・GTRがあった。
「オヤジ。久し振り!!」
「おおっ。こいつが噂にチューンド33Rか。」

 そいつは速く走るために究極にチューニングされた独特の雰囲気を醸し出していた。
「早速、ドライブにいこうぜ!!」

 助手席のドァーを開けると、低いバケットシートの横に貼りついた、ぶっとい鋼鉄のロールゲージが目に付いた。
 メタボの体を低くかがめようやくナビシートに乗り込んだオヤジであった。

33Rの室内を見渡すと、室内全体に手のひらで握っても収まりきれないような太い鋼鉄のロール・ゲージが覆われていた。
 やはり、超弩級のスピードで走った時に何かあったときは、命だけは守れるようにするためなのだろう。
 運転席を見ると320kmのメモリを刻んだニスモのホワイト・メーター(スピード・メーター)が奢られていた。
(うわっ!!320kmだと。300kmのメーターを見るのはZX-14R以来だ。)
 その途端、コイツがただものでない化物のように思えてきた。

「あっ。エンスト起こすかもしれないけど笑うなよ。」友人Iがオヤジに恥ずかしげに言った。
「エンストって、お前、俺よりも運転上手いだろ。」
「こいつには、トリプル・プレート(強化クラッチ)が入っているから、まだ慣れていなんだ。」

  実際、オヤジを乗せた33Rはすぐにエンストを起こして止まってしまった。

 トリブル・プレート(強化クラッチ)と聞いて、オヤジは昔、会社に持ち込まれた強化クラッチ付きの競業用のラリー車を思い出した。
 オヤジが20代の頃、1台のラリー車が会社に持ち込まれたのであるが、数十メートル移動させて欲しいというので、オヤジが運転したのだが、普通に運転したらすぐにエンストを起こしてしまい全然、動かすことが出来なかった。
 結局、先輩に頼んだら、その先輩もガンガン・カラ吹かしをして、車が動いたらすぐにクラッチを切り、またカラ吹かしをしては車を動かす。という事を行っていた。

 要するに、こいつは普通のクラッチミートでは運転できない代物なのだ。
聞けばIは、こいつの前にオーナーからこいつを持ってくるときに、途中、何度も、何度もエンストを起こしては発進してもってきたそうである。
(うーーん。やはりチューンド!!一筋縄ではいかないな。)
オヤジは妙なところに感心した。

 ということをやりながら場所はいつものドライブコース・B峠にやって来る。
あっ!!そろそろ、画像、欲しいでしょ!!



ジャーーン!!

 コイツが自慢のチューンド・33RのGTR!!











(おいおい。オヤジ!!別にお前の車でないだろう!!人の車の自慢をするなよ。)








この峠でコーヒータイム。















 駐車場を見ればイギリスの車や86もいた。何だか旧車の集まりみたいである。普段ならここから帰ったあと、オヤジの庭で2時間ほどダベリングなのであるが、今日はIも気分が良いのであろう。

「よし!!これから屈斜路湖を一周してから帰ろうぜ!!」と、言うや否や33Rのハンドルを弟子屈に向けた。

 チューンドの33Rは静かに走り始めた。
「やはり、新しい車は静かだなぁーー。」オヤジはしみじみと呟いた。

 前に乗った、フェアレディZは走っていてもうるさく、丁度、泥の道路を走った後に、舗装に出て車の底に泥がぶつかるような音が常時Zの底から響いていた。

 今回の33Rは本当に普通の車と変わらなかった。途中、砂湯を抜けて短いストレートに来た途端、Iはいきなりアクセルを吹かした。

 その途端、強烈なGがオヤジを襲った。
「ギャヒッ!!」オヤジは無様な悲鳴を上げて、バケット・シートに叩きつけられた。

 全く異質なスピードの領域である。周りの景色が溶け始め、ただ前方の一点のみが目に映る。
 
 スピード・メーターを見ると160km/hを超え始めている。

みるみるうちに、コーナーが迫ってくる。
Iは顔色一つ変えずに、スピードを落としてコーナーをクリァしていく。

「やはりアティサー4躯(滑った時に4WDになる機能。)だから、コーナリングも安心だなぁーー。」
涼しい顔でIはオヤジにこう言った。

(おいおい。I。いくら4WDだからって言って、オイラのスピード領域とは全然違うぞ!!)そして、川湯から東藻琴に抜ける藻琴山に向かう。

 再び、短いストレートでアクセルを踏むI。

「ギャヒーッ!!」オヤジはまた、声にならない悲鳴を上げた。

 藻琴山の登り坂。グイグイと加速する33R。

「速い!!もしかして、オヤジのレディと同じ加速か?いや、それ以上かも。」

急な登り坂。200キロを切る車重と1000ccクラスのエンジンを持つレディ。

オヤジは登り坂に関しては、このレディが今の今まで公道では無敗だと思っていた。

 しかし、それ以上の化物が存在していたのだ。
しかもこの化物はアティサー機能で武装した4躯なのだ。
コーナーリングはバイク以上のハイ・スピードでクリァしていく。

 まるで、それはジェット・コースターに乗っているような、決められたレールを走るマシンであった。

藻琴山のハイランド小清水725で一服。












 そこの売店にアイスクリームが売っていた。

友人Iは一見硬派だ。

 S30ZやGTRを乗り回す姿は、まるで湾岸ミッドナイトに出てくる主人公のアキオそのものである。

「おい。I。コーヒおごってやるぞ。」と言っても、何だか嬉しくなさそうだ。
冗談に、「じゃーーっ。アイスはどうだ?」と言うや否や。
「おおっ!!頼む!!」と、ニカッ!!と笑顔を見せた。





 という事で、いい年をこいたおっさん二人が仲良くアイスクリームを注文。

売店のオネーサンがオヤジを見てクスリと笑っていた。

眼下には綺麗な風景の屈斜路湖が広がっていた。




小清水方面。

















後書き。

 ネットで、GTRは32、34Rは評価が高く、33Rはクソミソに言われています。
が、それは実際、手にして乗ったことのない人の評価が多いのではないででしょうか?

 我、クラブ・ミッドナイトのファースト・ナンバーSさんも33Rのチューンドに乗り、首都高で35Rを煽っていると聞きます。
 そして、このチューンド・33R。
本当に速くて良い車です。

 オヤジは実際に乗りもしないで、いかにも知ったかぶったような言い方で、33Rを批判する奴らを軽蔑します。

昔読んだ本で、急な登り坂でバイクを追い回すZが存在したといいます。
その時は何、寝ぼけていることを書いてあるんだ。とバカにしていましたが、この33Rの横に乗って、バイクよりも速い車が存在すると、しみじみ思います。


 オヤジと友人Iは1年に数回、このように車で3時間ほどドライブをして別れる付き合いです。が、オヤジはIが絶対無二と呼べる親友だと思っています。

 本物の竜を手に入れたIは、これからもオヤジの憧れと共に、スピードに愛された男として、どんどん加速していくのでしょう。

後書き2

結局、GOPROでの動画はUP出来ませんでした。

 だって、あなた載せれば一発免停どころか、即、逮捕のスピード領域ですよ。

 この動画はオヤジとIだけの二人だけの秘密。

ちなみに、K察関係者の方々へ。
この話はあくまでもオヤジの妄想が生んだ小説です。鵜呑みにしないでね。


人気ブログランキング