世の中のどれほどの男達。いやオヤジ達が自分専用の工具を持っているのであろうか??
通常の家庭で置いてある工具はせいぜい100円SHOPから買って来たプラスとマイナスドライバーが1本ずつが普通でないであろうか??
オヤジの父親は電気店の自営業であったので、必然的に商品の修理を行うために工具を持っていた。
昔、母親から聞いたのであるが、父親が自分で店を持っにあたって、工具も一切何もない状態から始めたという事であった。
その時に母親からミシンの調整用のドライバーを貰らって、非常に大切に使っていたと聞く。
そんな父親の姿を見て育ったオヤジは、一般的な工具は自分で持っものだと思いながら育っていった。
そのおかげで、ある建築会社の友人から言わせれば、オヤジは下手な業者よりも工具の数は持っているらしいが・・・・・
今では12万円もしたらしいSNAP-ONの工具セットを隠し持っていたりするのだが・・・・・
工具にはそれぞれの役割があるのを知っているであろうか?
例えばプラスドライバー。
このドライバーは一般的に3種類ぐらいの大きさがあり、それぞれがネジのヤマとピッタリ一致するのだ。
本当に精度の良いドライバーなら、磁石をつけなくても(よく、100円SHOPで売られていて、これをドライバーに付ければ、ネジが付きます。と書かれているやつである。)、ネジがドライバーの先に付くのだ。
またドライバーに力を入れる割合は押しが6で、回しが4ということを知っている人は何人いることであろう??
だから、未だにオヤジは普通に締まっているネジをナメルという事が信じられない。(あっ、レストァするバイクで古くさびたネジは別ですよ。あればかりはどんなことをしても、ナメるときはナメますから・・・・)
急に会社の用事でお客さんのところに行き、ドライバーがないときに、お客さんからドライバーを借りることがあるが、やはり出てくるのは100円SHOPで購入した、「これ1本で全部のネジが使えます。」という、何本もあるドライバー。決まってそれは先がいたんでたりする。
日曜大工マスター。と、自他共に認める(オイオイ、自分で言うなよな。)オヤジは、実は学生の頃は工作なるものは苦手で、中学、高校の技術は5段階評価で2というひどさであった。
本棚を作れば木はまっすぐに切れないし、チリトリを作ろうと板金を行えば、ぐにゃぐにになるひどさであった。
多分、今でもプラモデルを作れば、子供よりも下手であろう。
そんなオヤジが、一応,人前に見せても恥ずかしくないものを作れるようになったのは、ある2つのきっかけがあったからだ。
一つ目は20代の頃、自分の乗っていた400FXのタンクとテールの色を当時流行していた、「湾岸ミッドナイト」の悪魔のZと同じ、ミッドナイト・ブルーに自分で塗装した時であった。
当時はネットなんてないから、当然、バイクのタンクを自分で塗ってみよう。という本を片っ端から読んで、塗装のノウハウを覚えていった。
まず、塗装というのはそのまま塗ってもいけないので、必ずヤスリがけから始まり、パテで細かいキズを無くして、最後に塗装の下地材のプライマリーを塗る。という事を覚えていった。
結果、多少の失敗はあったものの、初めての塗装としては自分的には満足できる結果となった。
この頃から、車やバイクの凹みは自分で直す。という意識が働いていった。
当時、240万円もした、ハイラックス・サーフのドァーの凹みも無謀にも自分で塗装して直したものであった。
そして2つ目は、娘1号の1歳の誕生日に実家の家の庭に1畳半ぐらいの、ウッド・デッキを作った時であった。
ウッドデッキは見た目は派手であるが、作るのはそんなに難しくない。
その時に始めて2×4なる木の規格を知り、始めて丸ノコを使うようになった。
丸ノコは素人には危険な道具である。その時に、手袋はしない。使い終わったら、必ずコンセントからコードを抜いておく。という事を、以来、17年間守り通している。
このウッド・デッキも素人ながら、自分では満足出来る作品となった。
自分の中でこの二つの成功した事例ができるようになって、自分に自信が付き、DIYを好きになっていったと思う。
そして、この二つには大切なある事が隠されていた。
それは、工具をいろいろ持っていた事である。そのとき、そのときに応じて、必要な工具を一つずつ購入していったのだ。
普通の人は工具が無いために、例えばネジを回そうとしてドライバーが1本しかないために、ネジ山が合わないドライバーを無理やり使い、ネジをナメてしまい、結果的に、ネジを回せなくなり、結果的にDIYは嫌だ!!という事になってしまう。
今、日曜大工では木工作品はクギを使わないという事を知っているであろうか??
オヤジは今でも多分、クギを打ったなら必ず曲がってしまうだろう。
今はクギの代わりにドリル・ドライバーで木ネジを打ち込む事で代用が出来る。
失敗したらもちろん、逆回転で簡単にネジを外すことが出来る。
オヤジには沢山の工具があるので、この工具がダメなら、あの工具。と次から次に考えつき、結果、工具を持たない人ができないことでもできてしまう。
一般家庭でDIYが当たり前のアメリカでは、実に様々な工具が売られている。
日本人がまさかこんなものはいらないであろう。というものさえ売られていると聞く。
実際、のこぎりで真っ直ぐに木を切る治具でさえ当たり前のように売られていたりする。
(普通は何回か練習すれば、ノコギリで木は真っ直ぐに切ることができます。)
これは、やはり素人だからこそ、低い技術力を工具で補う。ということだと思う。
オヤジは工具は大切なものだと考えている。
昔、後輩が工具に目覚めた時に、「そういえばオヤジさん。工具、たくさん持っていましたよね。余っているやつがあれば何本か下さい。」と平然とオヤジに尋ねた事があった。
そのとき、オヤジは真赤になって「ドライバー1本でも数千円するのもあるんだぞ!!工具は自分で集めてこそ、大切にするし、価値があるんだ。」と答えた。
そのときに「1本ぐらいいいじやないですか、ケチ臭い!!」と、言われた記憶がある。
多分、その子には本当の意味での工具の大切さ、価値はわからないであろう。
オヤジのように下手な業者並みに工具を持つ必要はないが、
最低限の家の中の修理ができるぐらいの工具は、世の中のオヤジ族は持とうよ!!と、オヤジは力を込めて言いたい。
