シンデレラ・ツーリング2   ー友人Iの優雅な生活ー | クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

TYPE Rの称号を与えられなかったもう一つの悲運の車

 古い読者はご存知、オヤジの友人I。


彼はオヤジのブログ。「スピードに愛された男」で一躍有名になり、このブログの人気を一気にさらった憎き男である。(いゃーー。冗談。冗談。)
 
 彼の家とは、車で10分ぐらいしか離れていない距離なのだが、何故だか交流は1年に1度か2度会うだけではあるが、オヤジの数少ない貴重な友人である。

 いゃーー。今の若い方はラインやフェイスブックで、友達が100人いるというのと、全く大違いである。が、オヤジはそれでも、たった一人だけでも心許せる友人がいるだけで充分なのである。

 彼は自宅にS30Z(フェアレディZ)、Gノーズ付きのフェアレディZ.、スカイライン32GTRを隠し持ち、普段の足は軽トラという変わった趣味を持っている男なのだが、今日はオヤジの家から300キロ程離れた岩見沢に、クラッシックカー・フェステバルに日帰りで見に行こうと、彼と同行することとなったのだ。



道中の車中にて。

「おい。I。そういえば、お前、さっき俺の家の最近舗装にした庭を随分興味深くみていたな。」
「もしかして、おまえの家の周りを舗装にしようと思っているのか?」


「いや、新しく建てるガレージの地面に、いいかなと思って見ていたんだ。」


「新しく建てるガレージって、もしかして32GTRのガレージか?」


 彼の家はクルマ好きなら羨ましくなるほどの家で、基礎にクルマを2台置ける車庫があり、その中にフェアレディZが2台。更に車庫の前に32GTRと普段の足用の軽トラを置いているのだ。










「いや。
33GTR用。」
「おいI。33
GTRって、もしかしてZか32GTRを売って33GTRを買うのか?」
「33GTR。を新しく買い足しするんだ。それを置くための車庫。」


 よく聞けば、いままで乗っていたGノーズ付きのエンジ色のZが今年車検が切れて、新たに32GTRを全塗装+車検を取るつもりだったのが、エンジンをチューンドされ後部座席にロールゲージを巻いた33GTRがあるつてで、手に入ったそうなのだ。

 まあ、この手の車は中古屋も改造車という事で、売りたがらないし、買い手もいないという事で、個人売買でしかやりとりがないみたいである。

「そこでだ。実はオヤジに頼みがあるんだ。」
「頼み?」

「ああ。33GTRの車検が取れたら、取りに行きたいんだが、その33GTRの置いてある場所は60kmほど離れている場所なんだが、一緒行ってくれないか?」
「おうよ!!」
オヤジは二つ返事で答えた。

(シメシメ!!いいネタ!ゲット!!)


「だんだん32GTRが邪魔になってきたんだよな。」と、ため息を付いた友人Iの言葉に、オヤジは思わず、
「お・・・俺の庭に置いていいよ。」と言いそうになった。


危ない。危ない。黙って動かない車を置いたら、かみさんのローリングサンダー・スーパー・スペシャル・パンチ。3段攻撃を喰らう事となるだろう。



こうして、一路オヤジと友人Iを乗せたミライースは、オヤジの運転で軽快に岩見沢に向かっていった。






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