キリンに憧れて。 | クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

TYPE Rの称号を与えられなかったもう一つの悲運の車


 キリンに憧れて。

 このタイトルはオヤジが始めて大型バイクの免許を取ったときに、これから始まるバイク・ライフへの憧れと期待を込めたタイトルであった。
 この時の「キリン」の意味はもちろん、バイク好きの皆さんが知っているあの本。

 カタナとポルシェのバトルの話のキリンの意味であった。

 
 それから免許取得から時日は流れ、バイクで多くの挫折と経験を積み、オヤジの中でのキリンはバイク乗りという、意味合いが深くなっていった。

 そして、盆栽ライダーと化した今、本当の意味で、まさにキリン(バイク乗り)に憧れるオヤジとなった。

 今日はまたまた休み。(うわっ。休みが無い主(あるじ)さんには全く申し訳ないことであるが・・・・・)

 天気は快晴!!しかも朝から予定が全くないオヤジ!!




 盆栽ライダーの正道を進むオヤジは朝から、レディの洗車を行うのであった。





・・・・・・・ちがうっーーーの。

今年のオヤジは違うのだよ!!正しく生まれ変わったのだよ。

 この画像はあまりにもホコリをかぶって汚かったから、乗る前に洗車したのだよ。

軽くレディの汚れを落とし、オヤジは儀式のようにバトル・スーツを着込む。

 今までお約束だった、アーム・プロテクターやレッグ・プロテクターを今日は外す。

 3年もバトル・スーツと付き合うようになって、自分の中で本当に必要な物を選ぶようになったと思う。

 形から入ったアルパインスターのブーツは、シフト・チェンジが出来なくて、一度も履かなかったし、このアーム・プロテクターやレッグ・プロテクターも自分の走りの中では無用の長物と考えるようになってきた。

 シンプソンのバンティツト、イエローコーンのグローブ、バトルスーツのプロテクター無し、普通のライダーブーツ。
 これが今のオヤジのバイクに乗る、本当のバトル・スタイルとなっていった。


4日前もレディには乗っている。今日もいつもと変わらずに静かに発進する。

 途中、胸辺りに軽い衝撃がオヤジを襲う。虫の直撃である。前回の半袖Tシャツで乗ったときとは打って変わっての衝撃度である。
(やはりバトル・スーツは偉大だなぁーー。)どんなに、外が暑くてもオヤジはこのスーツを手放せない。
 それほどまでに、このスーツは絶対的な安心感をオヤジに与えてくれるのであった。

 今日の目的地は無し。ただ走れればどこでも良かった。また、用事もないので、帰宅する時間の特別気にする事も無かった。
 まずは、主(あるじ)さんと一緒に走った斜里方向へ向かうとするか。

天気は快晴であるが、風がかなり強い。

 裏街道から湾岸線に出て、直線が8kmも続く浜小清水に向う。

 途中、2車線。邪魔な大型トレーラーを抜かすために、追い越し車線から加速するオヤジ。
 特別にシフトダウンをしないで、5速トップからアクセルをフル。


ドゴーーーン!!

 HD譲りのエンジンは本来の性能を発揮すべく、図太い排気音に変わり最大トルクは9.4kg-mの恩恵を預かることとなる。

 レディは軽々と加速して大型トレーラーを追い抜こうとする。

 その時、浜風特有の強風がオヤジを襲った。

リッターバイクとしては175kgという異例な軽さを持つレディの唯一の泣き所が出てくる場面だ。

 横殴りの強風はオヤジとレディを大型トレーラーに巻き込もうとする。
瞬間的に30cmほど、大型トレーラーの方にはじかれるオヤジ。
 大型トレーラーに近づけば近づくほど、更に巻き込み感が強くなっていった。


 オヤジは小さなメーターバイザーに向かって身をかがめ小さくなりレディと一体化となった。

加速しろ!!レディ!!

気がつくと大型トレーラーは遥か後方へと移動していた。

8kmもある直線道路では必ずパトカーがいるので、ゆっくりゆっくりと走る。

そうしてたどり着いたところは浜小清水の道の駅。









遠くにはピラミット型の展望台が見える。
ここで、少し休憩をとり、今度はどこへ向かうか考える。

このまま、主(あるじ)さんと走った斜里まで向かうのも良し。引き返して湾岸線を走るのもよし。

先ほどに大型トレーラーの追い抜きがオヤジを高揚させたのだろうか??無性に湾岸線を走りたくなった。

よし、湾岸線をアタックだ!!


オヤジは元きた道を引き返し、網走の海岸線である湾岸ロードへと向かった。


 湾岸線に近づくと徐々に空気が冷たくなっていった。こんな時にもバトル・スーツの恩恵に充分あたった。

 回りの車が一気に加速する。いよいよ湾岸線に突入した証拠だ。

 目の前の急カーブの看板が目に映る。コーナーリングの姿勢を決めたオヤジは徐々にアクセルを開け始める。
次第に速さで目がついていかなくなる。

 コーナーを抜けるごとに、アクセル・オフ。またコーナーに入るとアクセル・オン。一般的なセオリー(常識)からしたら真逆な事であるが、このレディとの走りはそんな常識さえぶち壊す楽しさをオヤジに与えてくれる。

 最後はスピードを落として、レディと自分のクールダウンを徐々に行う。反対側にはネズミ取りがやっていた。


湾岸線の最終目的地。網走の道の駅に着く。









 ここで初めて測のバイクと出会うが、残念ながらこのオーナーは食事中だったのか、道の駅にはいなかった。






 鈴菌派の皆様。このバイクはなんていうのでしょうか??


 レディのガソリンが気になってきたので、オヤジは馴染みのガソリンスタンドに行き、ガソリンを補給して、次の走りのステージを決める事とする。

網走からの途中の4車線。
トラックと乗用車が遥か前を走っていた。

いつもの橋を軽くダイブさせ、オヤジは前走車を追っていった。

 5速。アクセルをワイド・オープン!!
60km/hからレディは瞬間的に追撃モードと化する。

 瞬間的にメーターを見ると100km/hを超え出してきた。その途端、激しい振動がオヤジを襲った。
徐々に前走車に近づくオヤジとレディ。
 メーターが120km/hに達した時には、シンプソンのバイザーが激しくシェイクされ前が完全に見えなった。

(こいつで200km/hなんてまるで死ぬようなもんだね。)


慌てて、スピードを落とすオヤジ。

あまりの激しい加速のバイクのせいか、前を走っていた乗用車はオヤジに道を譲った。

視界オールクリァー!!一気に加速し、トラックと乗用車を抜き去るレディ。


 気分がまだ高揚してるまま、オヤジは馴染みのガソリンスタンドへ向かった。

右端に馴染みのガソリンスタンドが見える。対向車が近づいてくる。

 普段、車に乗っている時のオヤジはそこでいったん待って、対向車をやり過ごすのだが、バイクに乗っていると停止を行うのが面倒である。
 信号待ちの時でさえ、一本橋の要領でなるべく足をつかないようにして走っている。
原付き並の足付き性の良いレディでさえこうなのだから、他の大型バイクに乗られている人はどうなのであろうか??


 オヤジは先に行けると確信し、ブレーキを入れながら軽くアクセルを煽りシフト・ダウンを開始した。

キーーーツ!!

 瞬間、ブレーキ音があたりに鳴り響いた。軽く後ろが流れる。構わずに右折し、ガソリンスタンドに入るオヤジ。

「こんにちは。オヤジさん。今日はバイクなんですね。」
「はい。今日は風が強いけど、気持ちいいですよ。」

ガソリンを入れていると、馴染みの所長がオヤジに話しかけできた。

「ブレーキは強くかけすぎたら危ないですよ。唯でさえ軽いバイクなんですから。」
所長もさっきのブレーキ音をしっかりと聞いていたらしい。
「アハハハ。気をつけます。」と言いつつ、オヤジは自分のライテクがだんだん荒くなってきているのを感じていた。
「これからどこかにいくのですか?」と、所長は聞いてきた。

「いや、今日はもうこれでおしまい。家に帰ります。」

と、言いながら自分の運転が荒くなってきたので、たとえまだバイクの乗れる気力があっても今日はもう辞めようとオヤジは決めた。

「さあ。帰ろうレディ。」

オヤジはレディのタンクを軽く叩き、自分の家に引き返して行った。

ただいま♪






オヤジがレディに乗るのに決めている事がある。

バイクの運転はシビアである。年をとると若い方のように体が充分に動かないこともある。

まだ充分に運転できると思っていても、運転が荒くなってきているということは、体が充分に動かなくなっている証拠である。

 その時はきっぱりと運転を諦めて止める事にしている。

それが、絶対に事故を起こさない一つの決まりことだからだ。










 夕方、オヤジはレディに洗車を行った。















 普段、あまりかけないワックスもかけた。











 また今度の休みに一緒に走ろうな。レディ♪





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