
さて、前々回のこの画像。オヤジ家のタント・カスタムに変わって突然現れた謎の黒い車編のお話です。

千歳までの2日間、距離にして約900kmもの長旅を終えたタント・カスタム。
オヤジはこれから暖かくなる季節と、長旅を終えたタントカスタムの労をねぎらうために、早速、次の日の休みの15日に、いつもお世話になっているS車輌にオイル交換を出すことにした。
ガラガラガラ!!ビョェーーン!!ビョェーーン!!
気のせいか、タントのエンジン音が不機嫌そうに聞こえていた。
「オヤジさん。こいつ、エンジンから異音が出ています。」
タントの主治医のY従業員が早速、タントのエンジン音を聞き、不具合を発見した。ついでに足下のドライブ・シャフトからオイルが漏れ始めている。ということであった。
ということで、かみさんの愛機のタントカスタムは、即入院となってしまった。入院先はS車輌経由でB町のTディラー店である。
で、代わりの代車となったのが、この黒い車。
HONDAのライフである。
「オヤジもまだまだ、ダメだなぁーー。タント君の悲鳴に気づくことが出来なかった。_| ̄|○ ガックシ!!」と、肩を落とすオヤジである。
さて、代車のこのHONDAライフ。



一見内装は豪華で高そうに見える車である。


メーターの切り替えによって、燃料計からタコメーターに切り替わるほどの、ハイテクマシーンである。
しかし、オヤジはたった20kmほど乗っただけで、飽きてかみさんに引き渡したのである。
※HONDAライフのファンの方へ。
これはオヤジの独断と偏見に満ちた感想なので、別にライフをくさすつもりはないので、気になさらないでください。
まずは、このライフ。燃費はリッター13km/l。普段、オヤジが足にしているイースはカッ飛び走行でも、リッター20km/lは切らない。そして、走りの鈍重さ。軽特有のゆっくり感があった。
更にとどめは室内の狭さ。下手するとイースよりも狭い室内である。
それに対して、ミライースは小型スポーツカーと間違うほどの小気味より走りが出来る。
ミライースの最大の武器は軽さである。
軽自動車の中で車重の軽さがトップクラスに近いこのミライースは、この軽さを武器にして、小気味より走りを行う事が出来る。と、ある有名な自動車批評家の書いているぐらいである。
かみさんもかみさんで、ライフに乗るなりやはりタントの室内の広さを気に入り、「早くタント。直ってこないかなぁーー。」とぼやいていた。
それほどまでにこのライフは室内は狭い。燃費は悪い。(軽なら普通クラスなのだが・・・・)と、オヤジ家の暮らしでは合わない車であった。
皮肉な事にこのHONDAのライフがオヤジ家に代車としてきて、オヤジ家では、改めて家族で乗るならタント・カスタム。オヤジの走りならミラ・イース。ということを認識させてくれた車であった。
そうこうしているうちに、ようやくS車両からタント・カスタムが直った。と連絡が入った。
その間、10日間あまり。あまりにも連絡が入らなくて、もしかしてエンジンがお釈迦になったかと心配していた矢先であった。
異音の原因はタイナモ(バッテリーに電気を送る発電機)のベァリングがイカれたことによる異音であった。
リビルド(中古を整備した商品)のタイナモと、ドライブ・シヤフトのシール交換、オイル交換。という事で、修理代は約53、000円かかってしまったが、これも中古車の為、しようがないことであろう。
で、本日の休みは午前中にS車両に修理代を払いに行った時に、タントについてとんでもない話を聞くことになった。
あっ。K察の方々。何度でも言いますが、これはオヤジの妄想小説ですので、話を鵜呑みにしないでください。あくまでも妄想小説ですーー。汗っ!!
S車輌の社長は半端ない飛ばし屋で、若い頃はパトカーの追跡を振り切り見事逃げ切り、後日、警察が自宅に文句を言いにこられた。という伝説を持っていたり、自分の息子が車を選ぶときにソアラなどの高級車があるなか、シビックを選んだ時に社長は息子に
「この車の片鱗を見せてやる。」と言ってすぐ近くの公道で180km/hを出しながらコーナーに突っ込む。という荒業をやってしまう、スーパーオヤジなのであるが、実は奥さんもかなりの飛ばし派である。
先日、札幌からの帰りの高速での話である。
奥さんの乗るサイとスイフト、ベンツ、BMW,、レクサスが五つ共えとなって、時速140km/hで抜きつ抜かれつのバトルを繰り広げている中、なんと1台のタントがその5台のバトルに加わって来た。ということであった。
流石のハイスピードでのバトルに、奥さんの乗るサイとスイフトが戦線離脱を行う中、タントが最後までベンツ、BMW,レクサスの3台について行った。という話であった。
軽自動車でのハイスピード走行。聞くだけで、((((;゚Д゚)))))))ガクブルとなるが、社長の奥さんはオヤジよりもはるかに年上。
年齢は失礼であるが60歳を超えている。その方が140km/hでハンドルがふらつく。という話を聞くと、完全に
((((;゚Д゚)))))))ガクブルとなってしまうオヤジであった。
しかし、タントごときが高級車について行けるのかと、不思議に思っていたら、S車輌の社長はニャリと笑い。
「RSなら最高速は160km/hだから、140km/hなら充分についていけるぞ!!」と言った。
さて、前置きは長くなったが、ここからが本番である。
今日はかみさんの用事で昼頃に北見に着いたオヤジである。
2時30分頃にはかみさんの用事も終わり、朝方雨だった天気は回復し、暑いぐらいとなり、うまくいけば晩頃までに帰れるので、少しはレディに乗れると期待していたオヤジである。
「さて、昼飯でも食べてさっさと帰ろう。」とかみさんを乗せて、帰路に着く途中の事であった。
メーター周りを見れば、サイドブレーキ警告灯、エァーバック警告灯、更にエンジン警告灯がつきっぱなしになったのだ。
「いかんいかん。これはいかん。」気がつけば交差点で異常にハンドルが切れなくなり、思わず曲がりきれない思いをした。
どこかに停めて、もう一回エンジンをかけ直したら、この警告灯が消えるのではないか??
とっさにそう思ったオヤジは車を路肩に停めて、再度エンジンをかけ直した。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ん???」
もう一度、キーをひねる。
「ん????」
残念ながらタントはそれっきり息を吹き返すことはなかった。


慌ててハザードを付けるオヤジ。すぐにS車輌の社長に電話を入れる。
「あっ。S社長ですか。オヤジです。タントが北見の街のど真ん中で急に動かなくなりました。」
「何?動かなくなった??わかった。すぐにB町のTディラーに連絡を入れる。」
「すみません。ローダーはB町からでしょうか??ここ、かなり車の流通が激しいから、B町からなら時間がかかるから、交通の邪魔になるし、危険だと思うのですが。」
「大丈夫だ。B町のディラーから北見のディラーにすぐに連絡して。そこから来てもらう事にする。」
「よろしくお願い致します。」
その後、B町のディラーからオヤジに電話が入り、とりあえずどんな具合か北見のディラーからそちらに向う。という連絡がきたので、エンジンがかかるどころか、まったくウンともスンとも言わないから、ローダーしないといけない事を伝えた。
待つこと約1時間。ようやくローダー車がやってきた。





悲しいことにゆっくりゆっくりとローダーされ、再び入院するタント君。
これはいいネタになる!!と喜んだオヤジがデジカメでパチパチ、ロ^ーダーされているタントを撮していると、「恥ずかしいからやめなさい。」と横でかみさんがオヤジに文句を言う。
「ブツブツブツ・・」と頬をふくらませかみさんを見ると、かみさんはかみさんで携帯でローダーされていくタントを撮っていた。
「んーーん。全くもう!!似たもの夫婦なんだからーーーー。」
北見のディラーでは代車が無いため、B町から代車を持ってきてもらう。

4時30分。昼にしてはかなり遅い食事を終えて帰宅を始めるオヤジ。
その時、1本の電話が入った。
「すみません。北見のTディラーですが、お預かりした車が直りました。」
「えっ??もう直ったの???」
「これからそちらにお届けしましょうか??」
「いや、まだ北見にいますので、これからそちらに伺います。」
という事で北見のTディラーに向うオヤジ。
修理の担当者に聞くと、交換したダイナモのプラスの配線がされていなくて、それでバッテリーが充電されてなくて、バッテリー切れとなり、動かなくなった。ということであった。
更にもうバッテリーは寿命で、1万5千円ぐらいで交換が出来る。ということであった。
その話し方に、オヤジはプツンとなった。
「おい、待てよ。バッテリーが寿命って言ったな。つい先日、こいつで千歳まで行ったから、充電不足とは言わないだろうが。」
「うーーん。素人さんに判りづらいとは思いますが、バッテリーはフル充電しないと残った充電分が使えない状態となります。それが何回か繰り返すとバッテリーは充電されなくなるんです。」と、メカには音痴なオヤジだと思いながら、その整備員は半分軽蔑気味に説明してくれた。
「こいつを中古で買ったのは1年前だが、S社長はそんな売り方はしない人だ。その時、バツテリーが寿命なら、交換を勧めて売る人だから、バッテリーの寿命はありえない。」
売り言葉に買い言葉。オヤジも客商売の為、こんな言い方をされたら、意地の悪いお客に変身ができるのだ。
「まあ、今はエンジンがかかっているので絶対に途中でエンジンを切らないでください。S車輌まで行って、エンジンを切ってもらったら判ります。」
「ああ。わかった。北見からS車輌までは約1時間だ。それぐらい走れは、少しは充電出来る。本当にバッテリーが使えないかどうか聞いてみる。」
それから帰路についたオヤジの走りは鬼人のようであった。
朝聞いたベンツ、BMW,レクサスとの高速でのバトルのタントのイメージがオヤジの頭をよぎった。
約40分後、S車両に到着したタント。
「カクカク。ジカジカ。」とオヤジはS車輌の社長に整備員との事の顛末を話し、
「絶対、バッテリーの寿命ではないと思いますので、悪いのですが、フル充電をお願いしたいのですが。」
「そうか。判った。まずはエンジンを切ってみよう。そしてまたかけてみょう。」
すると、タントのエンジンは簡単にかかった。
おもむろに整備を行ったディラーに電話をかけるS社長。
「さっき、修理してもらったタントだが、修理の担当者の対応がかなり悪かったとお客さんが怒っているぞ!!」
事の成り行きをディラーの社長から聞き、バッテッリーはS社長からも問題ない。とお墨付きを頂いたオヤジであった。
「すいません。今回は本当にお世話になりました。」
「いや。こちらこそ、ご迷惑をおかけいたしまして、すみませんでした。」
そう言って、オヤジとS社長は別れた。
商売は正直が一番大切である。
オヤジはS車輌の社長という大切な方がいて、幸いにも楽しいカーライフをおくれている。
もし、あの時整備士が、「今、エンジンがかかっていますが、バッテリーの充電がない状態です。このまま自宅まで帰られて、エンジンがかかれば問題ないのですが、エンジンを切って再度かからなければ、バッテリーの寿命が考えられます。その時は1万5千円ほどかかりますのでそれを承知してください。」と、言ったなら、オヤジも判りました。で済まされた話である。
それを、素人にはわかるまい。という感じで、「バッテリーは寿命です。」と言われたなら、何も知らない人なら簡単にバッテリー交換をするところである。
現にかみさんはバッテリー交換をしようよ。と家に帰るまで言っていたぐらいである。
ただ、後で騙されたと知ったお客は二度とそのお店には行かないであろう。また、そのお客の知り合い全員にも、「あのお店でひどい目にあった。」と、言いふらし、結果的にはお店の信用を失ってしまう。
そのことを知っているからこそ、あえて、S社長はこんなチッポケなクレームをもディラーの社長に伝えたのであろう。

こうして、我が家のタント・カスタム、白日の下に死す!!事件は静かに幕を閉じたのであった。
