ー水曜日のシンデレラー | クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

TYPE Rの称号を与えられなかったもう一つの悲運の車





 今日の休みも外は冷たい雨が降っています。残念ながらバイクには乗れません。

_| ̄|○ ガックシ!!

と、昨年までは書いたのだが、

オヤジとは違うのだよ、オヤジとは!
(意味不明)
あっ。ガンダムファンの方、ごめんなさい。


 と、今年のオヤジは、昨年までの盆栽ライダーの名を返上すべく立ち上がった!!

 
 さて、今回のタイトル ー水曜日のシンデレラー は、オヤジがバイブルとする、湾岸ミッドナイトや、C1ランナーで有名な、楠みちはる先生が描いたバイクマンガ「あいつとララバイ」で出てくるお話である。

 簡単に話せば箱根の峠、一週間に一度だけ来る白いポルシェに乗ったシンデレラと呼ばれる女の子がいた。
 そのポルシェはバイクショップ、ボンバーの息子がチューン・アップした後、自らテスト・ランに出かけ箱根の峠で事故死したいわくつきのポルシェであった。
 そして、彼が事故死したのが水曜日。以来、ポルシェの持ち主であるシンデレラは彼の想いを求め、バイクとバトルしていたのであった。
 主人公、菱木研二は愛機ZⅡを駆り、シンデレラの過去の想いを断ち切るために、彼女とのバトルを開始するのであった。

 という、内容であるが、水曜日は平日、車の交通量が一番少ない日であり、過去から現在にかけて本物の走り屋が一番バトルしやすい日であるのだ。
 湾岸でもバトルの日は水曜日の朝方って決まっていたなぁーー。

 そして今日の水曜日。オヤジは朝4時に起き、ここら辺では一番のバトルのステージの網走の湾岸に向かい、バトルを行う事とした。(うーーん。湾岸とはいい響きだ。普通なら網走の海岸線。というべきなんだろうなぁーー。)

 昨日寝たのは12時すぎ。睡眠時間4時間。まあ、悪くない状態だ。
家族を起こさないように、そっと起き、静かに愛機、レディを車道に出す。

外は薄ら明るいが寒さは厳しく、おまけに霧も発生していた。

早速、用意したバトルスーツを着込む。

 こいつとの出会いはこれで3年目になる。初めて着た時は、あまりの重さに疲労困憊になり、バイクを降りたときはソファーで倒れていた。
 そして3年目の今日、年とともに自分体の一部となり、分厚く重たい革のプロテクターで全身を守られたこのスーツは、絶対の安心感をバイクに乗るときにオヤジに与えてくれる。

 AM:4:30 レディのエンジンをかけると近所迷惑になるので、しばらく人家の少ない場所までレディを押して歩く。

 我、愛機、ビューエル XB9S 通称レディ9。

 乾燥重量:175kg ハーレーダビットソン譲りの984ccのエンジンから引き出すパワーは92馬力を発し、最大トルク92をたたき出す。

 ストリート・ファイターのはしりとなったこいつが一度公道に出れば、正しく湾岸ファイターと化し別名、SSイーター(スーパー・スポーツ喰い。)と呼ばれる。


 (アハハハ。SSイーターはオヤジが勝手にそう呼んでいるだけですが。)

 ドリュ!!ドリュッ!!ドリュツ!!

しばらくエンジンをかけていないので、不機嫌そうにレディは眠りから覚める。

オヤジはソーツとアクセルを吹かさず、静かに発進させた。

あたりの寒気が急速にオヤジを襲う。

 シンプソンのヘルメットのシールドを降ろすと、たちまち寒さで曇り前が見えない。
慌ててシールドを開けると、今度は寒さで涙がにじみ目がかすむ。

 早朝の走行。実は事故を起こすと、被害が大きくなる時間帯である。

 夜中ならライトで相手の確認ができるが、朝方走るドライバーは、まさか朝には人はいないであろう。車は走っていないであろう。という「だろう運転」を行い、気がついたら人がいた。という事で大事故になる可能性が高い。

 しばらく早朝は走ったことがなかったので、オヤジは慎重に周りに気をつけながら走り続ける。

 途中、路肩で休息していた大型トレーラを追い越すと、慌ててそのトレーラーは発進して、オヤジを追いかけてきた。

 ここは北海道。車では普段は高速道路並みの速度で巡航できるが、生身の体で走るバイクでは60km/h走行が精一杯である。
 バイクの教習過程に50km/hからの急制動がある。教習中はそんな簡単な事なんか朝飯前だ。と笑っていたが、実際公道にでれば、何かあった時に確実に止まれるスピードが50km/hだということを、身をもって体験する。

 2車線で追いついたトラックの邪魔にならないように、オヤジは左車線に避けたが、トラックはオヤジとしばらく併走したままであった。
「???」と思いながら走っていると、トラックはやがて後方に下がっていった。
朝早くにバイクで走るのがそんなに珍しいのかな??
(もしかして、オヤジのチンドン屋的格好が珍しかったのでしょうか??_| ̄|○  ガックシ!!)

 目的地の湾岸線のスタートとされる網走の道の駅。距離的には30キロあるかないかのここには、約30分ほどで着いた。







駐車場には車中泊の車が多い。

そして、オヤジは今日のバトル相手を探す。








一休みするオヤジは網走の有名な帽子岩を、ボーッと見ていた。



 ここはかって戦時中、トーチカが置いてあり、網走に来る敵船から網走を守るために作られた場所だと聞いている。
 今は立ち入り禁止になったが、オヤジが35年前の学生の時は、歩いて行きトーチカの中に入ったものである。





 ここが網走湾岸線のステージのスタート地点。4車線が連なる広い海岸線で、最後には7キロもの直線が現れる。

 過去、何人もの強者が最高速アタックを行い、買ったばかりのソアラが雨の日に180km/hでコーナーを曲がりきれなくて、25メートル先の海にダイブして助かった。という都市伝説がある場所である。

(あっ。K察のかた。あくまでもこのお話はバイク浪漫小説ですよ。小説。鵜呑みにしないでくださいネ。)

 しばらくオヤジはスタート地点で待っていたが、やはり時代の流れか走っている車は商用車ばかりであった。

 時間切れかな??と思いオヤジは引き返そうとしたとき、遥か彼方から勢いよく迫り来る真っ白な車があった。

 BNR32 そいつは今では旧型になったGTRであるが、今でも現役の第一線では充分に通用する車である。しかも、真夜中の視界性を高めるために、真っ白に全塗をかけたスペシャルだ。

「ヤブをつついたらとんでもない奴が出てきた。」と、言いつつもオヤジの目は笑っていた。

 オヤジの目の前をとんでもない勢いで通り過ぎたGTRはたちまち消え去った。

「よし!!行こうぜ!!相棒!!」

 オヤジはレディのシフトをローに叩き込むと、アクセルを満開にさせて急発進させてGTRを追いかけた。

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 という、シーンはやはり全くなく、相変わらず網走の朝は平和であった。

あまりの寒さで、湾岸線を攻める気すら起きない。
気がついたら寒さで体が震えだしてきた。


オヤジは「うーーん。」と大きく背伸びを行い、「よし!!帰ろう!!」と、一人つぶやき、トコトコと帰路に付くのであった。





帰路の途中の網走湖。寒さのため、湖面から霧が立ち上っている。

 あっ!!気がついたら今日は木曜日だっ!!

 水曜日のシンデレラの劇的なタイトルではなくて、

 これではただ、単に木曜日に網走に行ってきた。になってしまうでないか。

_| ̄|○  ガックシ!!



 ついでに、前回書いてたタントが黒い車に替わった。という話も抜けているし・・・・・

_| ̄|○ ガックシ!!ガックシ!!



 ちなみに、明日から2日間、出張の為、その間、ペタ、コメント返しができませんのでよろしくお願い致します。m(__)m ペコリ。

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