それでも走り続ける。 ノン・フィクション版 | クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

TYPE Rの称号を与えられなかったもう一つの悲運の車






 ここ、北海道はいよいよ冬も本格的になり、数日前のクリスマスの朝のことであった。


いつもの通勤途中、登り坂でトラックがハザードを付けている。


「事故??」


オヤジは身構えた。


「いや、違う!!事故でない。路面が凍結していて、トラックがスリップして登れないんだ。」


オヤジはゆっくりと、その間を抜けていく。


横を見ると運転手が困り果てていた。

(うゎーーー。大変だなぁーー。)


 オヤジみたいな軽自動車なら、たとえ雪道でスリップしても、大人数名で出せることができるのだが、

毎回思うのだが、こんな時、大型トラックはどうやって脱出していくのだろうか??



 さて、話は昨日の朝のことであった。



 「本日27日の夕方から、明日28日には、今年の3月のような暴風雪になる見通しなので、車で通勤の際は充分に気をつけ、また用事のない人はなるべく、車での外出は控えてください。」


というニュースが流されていた。


「じゃーー。行ってくる。もしかしたら今日は帰れないかもしれないから、おまえもなるべく外に出るのは控えろよ。」


 と、オヤジは27日の朝、悲壮感をただよせながら、かみさんにそう言って出社した。

帰りは暴風雪のため、最悪の場合は車の中で一夜を過ごさねばならないのかな。と思いつつ、帰宅時間となった。


 予想に反して、風は吹いてなく、雪も降っていなかった。


「??」と首をかしげながらオヤジは無事に帰宅したが、その夜のことであった。


 吹きすさぶ風の音は悲鳴をあげ、雪は激しく窓を叩いた。


(やばいなぁーー。やはり明日は吹雪かな??)

と、明日の心配をしながらおやじは眠りについた。


 そして、今日の朝。

 相変わらず強風である。


 本日は休日である。本来なら、暴風雪注意報が出ているので家でおとなしくしているのがベストであるが、やはり用事で家族共々、オヤジの家から50kmほど離れた街の斜里町に走らないといけない。


オヤジは意を決意して、ようやく重い腰をあげた。




外を見る。外に止めているタントは雪まみれである。




しかし、今年の10月に出来たガレージの恩恵にあずかったイースは雪一つない状態である。

家を買って10数年。初めてカーポートの良さを認識したオヤジであった。


 今日は1日中吹雪く予定ということである。


その為、朝食は途中の網走で取ることとして、身支度もそこそこに斜里に向かうオヤジ達一家であった。


 今回は、前回の失敗の教訓をいかし、、スコップ、スリップ用のカーヘルパー。

そして、防寒着と毛布をタントに積み込む。


8:30分頃に斜里に向けて出発。


 早速、道の駅には5台ほどの除雪車が待機していた。

道は猛吹雪になっていて、前が見えない。

 すこしめげるオヤジであった。


「それでも走り続ける。」と、オヤジは一人つぶやき、タントのアクセルを吹かした。

あれっ?このセリフ?なんかで読んだような??



すると、目の前には猛吹雪にも関わらずに、


自転車で旅行をしている


人がいた。


(写真を撮りたかったのですが、かみさんと一緒にいると、個人情報が・・・・・と、うるさいので、残念ながら写真は無しです。)

 姿を見ると、完全にテント、銀マットや大きな荷物を積み込んでいた。



 うぁーーーーっ。完全に北海道をなめくさった感じである。

地元組は、車でさえ外に出るのをためらう時に、自転車でツーリングとは・・・・・

しかも、何を好んでこの厳冬期にやっているんだ!!


 しばし、唖然とするオヤジであった。







 24時間営業のなか卵で朝食を取り、すぐに斜里に向かう。


路面は完全に凍結していて、4WDのタントは気のせいか、時折、後輪が前輪に追いつこうとする。


オホーツク海も相変わらずうねりを上げていた。




  心配していた吹雪も、斜里に向かうにつれて収まり、時折太陽も顔をだしてきた。


そして、10時ぐらいには無事に斜里に到着。




 そして、用事も無事に済ますことが出来き、4時頃に帰宅。


駐車場を見るとイースの後ろは雪で覆われていた。



画像では判りずらいが、イースのから道路まで30cmぐらい雪に覆われているのである。


早速、秋口に修理した除雪機を取り出す。


一度、エンジンがかかるものの、再び沈黙。


再度、エンジンをかけると、


「プッン!!」と無情にもスターターの紐が切れてしまった。



「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「ああ~~~。また修理か・・・・・」



オヤジは力なく倒れふし、除雪機を閉まった。


_| ̄|○ ガックシ!!



その後、30分もの間、寒いというよりも、顔が痛いという感覚で、ママさんダンプで除雪を行う。




 今回は家族を安全に斜里まで連れて行くことができて、ホッと一安心したオヤジであった。



※今回はオヤジ達家族はどうしても斜里に行かなければいけない事情があったので、走ったのですが、北海道の方は天気予報の警戒警報の忠告どおりに、用事もない人はあまりこういう時は外に出ない方がいいと思います。

 もし、何かあったときは、警察関係者や救助にあたる方々に、非常に迷惑をかけてしまいます。






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