現代、軽自動車事情2。 さよなら愛人1号。 | クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

TYPE Rの称号を与えられなかったもう一つの悲運の車

「確か入車するのはタントって、いっていたよな。」

「だけど、私の欲しいのはタント・カスタム。このカタログもタント・カスタムでしょう?」

「おいおい。タントとタントカスタムは、月とスツポン。おばさん車と若者車程の違いがあるぞ。」


 8月19日に、いつもお世話になっているS車輌の社長に、かみさん用のタントを注文したオヤジであったが、その後、かみさんと注文した車は、タントなのか、タントカスタムなのか?という議論が始まった。

 確かにS車輌の社長がいったのは、タントが入る。という言葉であった。

今更、タントでなくて、タントカスタムの間違いでした。とは言えない雰囲気があった。


 そこで、次の休みの日にオヤジはあわてて、S車輌の社長のもとに走った。

「うーーん。タントだけど、カスタムだったかなぁーー??」

「おい。Y(従業員)。あのタントって、カスタムだったっけ??」

「あれは確かカスタムですよ。しかも限定車のはずです。」と、入車する車種を調べてくれた。

 ということで、調べた結果、タント・カスタムXという限定車であった。

そして、8月30日に入車。

翌、31日の朝一番の出社まえに家族全員で、購入予定のタントを見に行くオヤジ家一家。



真・キリンに憧れて!!                                     最狂伝説!!

 このライトとタイトの間にグリルが付いているのが、タント・カスタムの大きな特徴である。

これがあるのとないのとでは、月とスツポン。

 おばさん車と、若者の車と、大きな違いがある。

しかも、このカスタムX。限定車の為、かみさんが一番気にしていたドァーウインカーもついていた。

(これが付いていない車は新車でない!!とかみさんに言いはられ、ミラ・イースも一番グレードが高いやつを買わされたのである。)


「あっ!!これが良い!!」と早くもテンションが上がるかみさん。


真・キリンに憧れて!!                                     最狂伝説!!




色々と、説明するS車輌の社長。


真・キリンに憧れて!!                                     最狂伝説!!

 オヤジはかみさんの専用の車になるので、別に深く気にしないで見ていた。

「どうする?これでいいのか??」

「うん。これに決めた。」ということで、あっさりと次に乗る車はタント・カスタムと決まってしまった。


予算は大幅にオーバーして、約74万円。

まあ、ネットで調べると、中古市場の相場は108万円から80万円なので、安いと言えば安いのだが・・・・・


ということで、今日はタント・カスタムXの車検を取り、オヤジの手元に届く日となった。


午前中に用事をすませ、車検が切れる、愛人1号と呼ばれるキャンカー。


オヤジは憂鬱な気持ちで、愛人1号の中を整理していた。

整理をしながら、色々と思いだされる楽しかった旅の思い出。


 一つ一つのキズが、楽しかった時、苦しかった時の思い出となっていった。


 愛人1号を廃車にしようと決めてから、今までの2週間もの間、自宅の庭に置いておこう。と何度も思った。
真・キリンに憧れて!!                                     最狂伝説!!

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ガレージの横に置き、休憩所兼オヤジの書斎にしようとも考え、実際に置いても見た。


 そして、愛人1号の第2の余生を想像をしてもみた。


しかし、どうしても庭に置いて置くことはできなかった。

オヤジの思い出だけでは、狭い土地をさらに狭くすることは、無理であった。



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「ごめんな。今のオヤジの力では君を維持することはできない。」

この愛人1号と呼ばれるキャンカー。

オヤジが最後の車として、これから一生乗り続けるつもりで買った車であった。

だから、買い替えるつもりも、ついこないだまでは全然考える気持ちはなかったのだ。


 しかし、先日、オヤジに転勤の命令がきて、9月の半ばからまた、通勤に往復100kmの距離を走ることとなったのだ。

 前回はかみさんにキャンカーを乗せて、オヤジがワゴンRで通ったのであるが、かみさんは今回だけは絶対にキャンカーで走りたくない。と言い張ったのである。


 漢(おとこ)のロマンは、概して女性には受け入れられない。まして、自動車税の支払いで、地味にこのキャンカーの税金がオヤジ家の家計を圧迫していた。

 そこで、急きょ、車の買い替えとなったのだ。


「今のオヤジが君に出来るのはただ一つ。君を忘れない。という事だけだよ。」


そういいながら、オヤジは愛人1号に最後の洗車を行い、S車輌のもとに向かった。
真・キリンに憧れて!!                                     最狂伝説!!

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 S車輌の社長は、この愛人1号の存命に、最後まで奔走してくれた。

「ごめんなオヤジ。いろいろと車屋をあたったんだけど、多分、こいつは廃車になる。」

「今のキャンピングカーを買う人は、高級志向なんだよ。だから、この旧型の需要は全然ないそうなんだ。」

「いや、いいんですよ。それよりすみませんでした。こいつの為に、いろいろ動いてくれて。」と、オヤジはS車輌の社長に頭を下げた。

と、その時、「オヤジさん。もしよかったら、こいつの車検の切れる10月まで、僕が使っていいですか?」と、社長の息子が話しかけてきた。

「是非、使ってください。こいつはまだまだ充分に走れます。こいつの最後のその時まで、できれば一緒にいてやってください。」

と、オヤジは社長の息子に頼み込んだ。


 今、断捨離という言葉が流行っている。


オヤジは断捨離という言葉が嫌いだ。

ただ、必要が無くなった。という事で簡単に物が捨てられていく。


愛情を混めて使っていると、物にも命が宿ると信じているオヤジである。

 だから、簡単には物は捨てることが出来ない。しかし、どうしても、中には捨てなければいけないものはある。


オヤジも昔は物をたくさん持つのが裕福と考えていた時代があった。

 今は逆に、必要なものを必要なだけ持ち、長く使い続けたい。と思うようになったオヤジである。


愛人1号を手放し、また、少し気難しくなったオヤジであった。



現代、軽自動車事情3-今時の軽自動車はーーー に続く。(多分、明日UPね。)








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