現代、軽自動車事情。 | クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

TYPE Rの称号を与えられなかったもう一つの悲運の車


 北海道ツーリングをしている主(あるじ)さんとの合同ツーリングの為、17日(土曜日)の休日はオヤジは我が愛機、レディ9との最後のトレーニングをする予定であった。

 家族全員で午前中に網走で用事を終え、昼からはレディ9と共に・・・・・と考え、オヤジはミライースーを自宅に向けようとした時であった。


「ええっーーー。もう帰るの??せっかく家族全員で来ているから、どこかに行かないの???」と、オヤジこましの娘2号の声が聞こえた。

「夏休み、●●ちゃんね。(娘2号の名前ね。)どこも行けなかったんだよなーー。」と、少し悲しげに話した。

 

我が娘2号の特技は、オヤジこましであり、こいつがオヤジに半分甘えるように頼みを話すと、

「はいはい。オヤジはお前の言うとうりにいたします。」と途端に、娘2号の下僕となりさがるのである


という事でレディ9とのラスト・トレーニングのもくろみはあっさり崩れ、主(あるじ)さんとの、合同ツーリングに暗い影を落とす結果となった。


 さて、行先はといえば、ここら辺近辺で遊びに行くところは、網走から60キロほど先の北見しか行くところはないのである。

 そして、目的は我が愛人1号と呼ばれるキャンカーが今年の10月に車検の為、この機会に維持の安い軽自動車にしようか?ということで、今時の軽自動車の相場を調べることにした。


予算は30万円。(玄関風除室のリホームの還付金)冬場を考えて4WDで燃費の良い車。 (4WD,5速マニュアル車)を探してみることにしたのであった。

(しかしまだ、この段階では買い替えは考えてはいないのだよ。)


 昼ごろに北見に着き、早速昼食後、まず一番先に目当ての、軽自動車専用の中古屋に行く。

(ここの値段はあくまでも車体価格の為、実際は10万円ほど諸経費が余分にかかります。)


29.8万円 4WD,5MT 白のワゴンR。


「おっ!!いきなり予算内の軽が出てきた。」と、オヤジはうれしがった。しかし、ワゴンRはイースに乗る前に乗っていた車である。

 かみさんが難色を示した。 「もっと荷物をたくさん載せれる車がいいな。」

ということで、店内に入る。

 日産の軽自動車で、荷物が入るどころか、二人で車中泊が出来そうな車があった。

「ああっ。これいいな。」と、かみさんが指をさした。

値段は79万円。 (うーーん。これで50万円なら良いんだけど、予算が完全にオーバーだなぁーー)


シュルシュル。「さようならーーーーーー♪」


 ちなみに、店員は冷やかしだと思って、一言も挨拶もされなかった。


次に未使用車専門店。

「いらっしゃいませ♪」と、いきなりやる気のある店員が現われた。

オヤジ達がイースの新車で乗り付けたのにもひるむことなく、 「買い替えですか??」とフレンドリーに近寄ってきた。

「いや、買い増しです。」

「今、乗っているキャンピングカーのナンバーを切って(廃車)。新しく軽自動車を考えています。」

大分、熱心に話を聞いてくれた。 (が、こちとら中古車を求めているので、新車はいらないので、当然パスとする。)

 あとでかみさんが、 「あそこの車ってずいぶん高いのね。」と不思議がっていたので、

「あそこは新車の専門販売だよ。」と教えてやった。


次に北見のはずれの中古屋販売店。


ミツビシの青のEKワゴン、4WD。5マニュアルの79万円が目に止った。

「あっ。これが良い。これにしょうよ。」とかみさんがまたもや指をさす。

「どうして?」と聞きと、そのEKワゴンは軽自動車のキャンピングカーであった。


 後ろがお座敷で畳がしかれ、壁にはキャンピングカー特有の収納棚が取り付けられていた。


「ううーん惜しい!!50万円なら即決だなぁーー。」と、オヤジは縦に首を振らない。

「いらっしゃいませ。あっ。これ今人気の軽のキャンピングカー仕様です。」

「少しお聞きしたいのですが、79万円って、このキャンピングカー仕様で、ですか?」

「ええーーと・・・・。あっ。違いますね。キャンピングカー仕様は20万円プラスですね。」

「という事は、諸経費を入れたら110万円ぐらいになるんだ。」

「いや、違います!!109万円です。」と、そこの店員はキッパリと答えた。


 よくよく見ると、キャンピングカー仕様のキットの棚はエンピツの下書きの跡が見え、お世辞に言っても、オヤジが自作する棚よりもはるかに雑に作られていた。


「たかが軽ごときの中古に100万円オーバーとは・・・帰るぞ!!」という事で、オヤジ達一家は引き返した。

「あっ。良いんですか?この車は人気がありまして、すぐに売れてしまいますよ。」という店員の声を、無視してオヤジはミラ・イースを走らせた。


 ということで、大体の軽自動車の相場を調べたところで、オヤジ達一家はいつも、お世話になっているS車輌宅に車を走らせる。


「こんにちは。今日は・・・・かくかくしかじか・・・・ということで、予算が30万円ぐらいの、4WD、5速マニュアルの軽自動車を、キャンカーの今度の車検まで探して欲しいのですが・・・・」

「よし。わかった。しかし・・・・・」とS車輌の社長は難色を示した。

「何か問題でも??」

「いや。見つけることはできるが、お前の走りを考えたらなぁーー。」


 そうなのだ、オヤジの走りは、多分普通の人よりは距離を多く走る人間なのだ。

 

 思い立ったら日帰りで500マイル(800キロ)ぐらい走る性格なので、あまり得体のしれない車を売ることはできないのだ。


「探すことは探せるけど、4WDなのはわかるとしても、一体、なんで今時5速マニュアルなんだ?」


「やはり燃費が良い車でないと、通勤の交通費を考えたら維持できません。」

「実は。」と、オヤジは希望を話し始めた。

「このミラ・イースはFFですよね。かみさんは冬はFFは滑って怖い。と、言うんです。」


「本当はかみさんは4WDのタントが欲しらしいのですが、タントは他の軽よりも車重が200キロも重いので、燃費がリッター10km/Lしか走りません。オヤジの通勤を考えると燃費の良い4WDの軽を考えたら、自然と4WD,5速マニュアルの車となったんです。お金はリホームの還付金の30万円を考えています。」と、答えた。


「うーーん。じゃーどうだ?今のミラー・イースを下取りにして、タントとミライースの4WDの新車に乗り換えたら?」と提案してきた。

(おいおい!予算が30万円がいきなり10倍かよ!!)


 早くもかみさんはその話しに乗りかけた。


「無理です。たかが車ごときにそんなにお金は使えません。」と、オヤジはきっぱり断った。

「たかが車ごときですって?」、かみさんは急に怖い顔と化した。

「じゃーー。あんたは何?新車の軽よりも高いバイクを買って、たかが車ごときですって!!」


(やべーー。まだ14Rの事を根に持ってやがる。)


「ともかく、予算は30万円。それ以上は考えていません。実は北見に4WD,5速マニュアルのワゴンRが30万円ぐらいでありました。」


「うーーん???判らないなぁーーー??そもそも、なんで4WDにこだわるんだ?そのミラ・イースはそんなに冬は滑るのか?」とS車輌の社長はオヤジに聞いてきた。

「いや、今は冬でもメインはこっちのイースで走っています。」

「それなら、かみさんの欲しがっているタントの4WDの中古を探して、お前がミラ・イースに乗れないか?」

「いやーー。吹雪いた時に、ラッセル車を追い越して走って帰ることを考えたら、4WDははずせません。」

「俺は思うんだけど、今、盛んに雑誌で4WDって騒いでいるけど、普通の冬ならFFで充分に走れるぞ。」

「大体、FFで走れない時は4WDでもまずは走れないぞ。お前は、あの吹雪の中、18時間も車に閉じ込められた時はこのイースに乗ってなかったか?」

「それに、真冬日っていっても、たかが3か月間だぞ。」


 という、S車輌の社長のアドバイスで、オヤジは目が覚めた。

(そういえば、あの前の見えない猛吹雪の日でさえ、ミライースは走ってくれたっけ。)


 と、言う事で探す車はかみさんの欲しがっていたタント4WDと決まった。そして猛吹雪のときだけ、タントを借りて通勤することとなった。

そして、S車輌の社長はタントはなんで人気があるか知っているかい?と話し始めた。

「もともと、タントは車重が200キロも重いから、他の軽よりも重量感があり高級感が出るんだ。その為、長距離でも疲れないんだ。その為の代償が燃費の悪さなんだ。」


そして、ベンツのドァーと一般大衆車のドァーの開閉のたとえで、タントの高級感を教えてくれた。

「そして、北海道は凍結防止として塩カリを撒いている。スズキの軽は、下回りが弱いから、お前もワゴンRで知っているように、すぐに錆びるんだ。」

「その点、ダイハツは下回りのコーティングがしっかりしているから、安心してお前に売れるよ。」

という、S車輌の社長の説明を聞いて、すっかりオヤジはタントを買う事を決めていた。


「それでは、タントの良いやつを見つけておいて下さい。」


 気が付くとオヤジはキャンカーの車検を取ることよりも、タントの買い替えの方向に話が進んでいた。

(うーーん。社長はまったく商売人なんだからーー。一番いい方向に話を進めてくれるんだからーー。)


「それなら話は早い!!ちょうどいいやつの下取りが8月の25日に入ってくるんだ。距離は少し走っているけど、俺のところで売って、メンテもしっかりしていた車だから安心できるやつだ。」

「それじゃー。25日ごろにまた伺います。」


と、言いながらオヤジ達一家はS車輌を後にした。


 今日はお盆最終日?かな??町ではお盆の歌が流れていた。


♪ちゃんと。ちゃんと、ちゃゃちゃんとちゃん。手拍子合わせて・・・・♪


その歌に合わせて、かみさんが、「♪タント♪タント♪タタントタン♪」うれしそうに口ずさんでいるのを、オヤジは聞き逃さなかった。


 

 しかし、かみさんに内緒でZX-14Rを買った代償は、最高機種のミラ・イースの新車と中古のタントの2台分と大きかった!!



_| ̄|○  ガックシ!!


(ダケド、マダマダ、ユルシテ、クレナインダロウナァーー!!)



次回はいよいよ主(あるじ)さんとの知床ツーリング編。

オヤジは無事に知床にたどり着けるのであろうか??


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