富良野 -駆け足の旅ー ファイナル | クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

TYPE Rの称号を与えられなかったもう一つの悲運の車

望まれない旅


雑貨屋で思わぬ買い物をしたオヤジ家。

その後、旭川の店を数か所巡り、各々の買いたいものをゲットしたのであった。


19:39 


そろそろお腹もすいてきたので、これから今日の夕食にありつこうとする。


 今回の旅は、お盆休みの旅が、急きょ中止になったのと、給料日前の為。節約の旅(またの名を貧乏旅行ともいう。)を公言していたので、かみさんや娘たちは、夕食はたいしたところへ行かないと覚悟していた。


「ええーーと・・・・・吉野家は無いし・・・ガスト(ファミレス)はどこかなぁーー?」と、オヤジは今日の夕食の場を探していた。

「ファミレスでいいからせめて、サラダのバイキングのあるところにして。」と、切実な訴えをかみさんはした


 昨年行ったバイキングレストラン・ファイブスターに近づいてきた

ここは、日本、韓国、アメリカ、フランス、イタリァの5か所(だったと思う)の料理が出てくる、バイキングレストランである。

 

 真・キリンに憧れて!!                   最狂伝説!!

「そういえば、去年はノドが痛くて満足に食べられなかったなぁーー。」娘2号は、物悲しくファイブスターを見て呟いた。

「えーえーと・・・・・サラダバーのあるファミレスは・・・・・・・」と、オヤジはスツとぼけながら、このレストランに入り込んだ。


 娘1号と2号は狂喜乱舞したが、かみさんは一人乾麺蒼白になっていた。

「まぁ。まぁ。どうせ、ファミレスでも一人1,000円で4、000円かかるから、ここは一人1,800円だし、娘2号は1,000円だから、2,400円オーバーしてもいいんでないかい?どうせ、昼は食べなかったし・・・」

と、オヤジは係りの案内人の4人と指示をしたのであった。


で、料金表を見ると・・・・・・


「!」


「やっちまったーーー!!お盆料金という事を忘れていた!!」(確か昨年も同じ事をしちまったような・・・・・学習能力の無いオヤジであった。


 おひとり様、2,200円で合計7,600円となっていた。

(シクシクシク・・・これで、明日からはしばらく、たまごかけゴハンだけの生活が続く・・・・・・)


と、思いつつもしっかりと、バイキングを楽しんたオヤジ家であった。


「さて、明日はどこに行こうか?」と、オヤジはかみさんに聞くと、

「ここで泊まって、朝一番に返ろうか?」と、かみさんはいつになくつまらなそうに答えた。

「どうせ、明日も旭川見物でしょう?毎回来ているから、特別、今回は見ることもないし、明日は明日で家で別な事をしたい。」と話し始めた。

「そうだなぁー。どうせ、午前中は旭川の店をブラブラ見てから、昼飯を食べて買えるだけだもんなぁーー。」と、話しながら、不意にオヤジはしばらく乗っていないレディ9も事を思い浮かべていた。


 久しぶりにあいつと走りたい。


「よし、決めた。旭川で泊まってから朝一番に帰ろう。」と、オヤジは力強くそう答えた。

正直、今までの走りで疲れて早く寝たいのだが、体が汗でべとべとしている。


20:30


さて、これから娘2号の夢をかなえるための最後のイベントである。


 オヤジ家は旅行は好きだが、そのほとんどがキャンピングカーでの宿泊の為、由緒正しい温泉や観光ホテルには子供が生まれてからは泊まったことはなかった。

 お風呂と体の疲れを取るだけの為に、旅行中に1日だけは、シティホテル(俗にいうラブホね)に停まっていたので、悲しいかな娘2号はホテル=シティホテルと、つい最近まで思い込んでいたのだ。

 その為、娘2号が本当の温泉に入りたい。ということなので、旭川で有名な、高砂温泉に入浴することに決めた。

 

 この高砂温泉。名前は温泉が付くのだが、調べればお湯を沸かすお風呂場であった。

しかも、ネットで調べると、「お風呂のデパート」という、キャッチフレーズがある場所で、正統な温泉マニアからは怒りのクレームが来そうであるが、オヤジのように面白ければ何でもOK!!という大雑把な人間受けする場所である。

真・キリンに憧れて!!                   最狂伝説!!

入湯料は4人で2,050円也。

3,000円渡したら、50円は良いよ。とおまけしてくれた。

ちっちゃなことなんだけど、うれしいんだよなーー。


 早速、露天風呂から攻めていく。ここは男湯だけでお風呂が12個ほどあるので、確かにお風呂のデパートとはよく言ったものだ。


 30分ほどお風呂に入ったオヤジは、先ほどの疲れも取れ、気力が充実し始めた。


お風呂から出たオヤジはかみさんに、

「これから帰ろう。疲れたらそこで休もう。」と宣言した。

早速、帰り支度を始めるかみさん。

その雰囲気を察し、残念がる娘1号。すでに2号は熟睡状態である。


11:12


旭川で給油を行う。

燃料代6,000円なり。


「よし。これからゆっくり帰ろう。」とオヤジはキャンカーを高速に乗せた。

「今日の宿泊先は奥白滝のPAだ。」と宣言したオヤジは、夜の高速を静かに走らせた。


単調な速度と、単調な景色は睡魔を引き起こす。


先ほどの気力はどこに消えたのか、だんだん睡魔がOYAZIに襲ってきた。

「クソッ!!お風呂が効いたのか。だんだん眠たくなってきた。」

睡魔を消すために、OYAZIは独り言をしゃべりだし始めた。

「あと、12kmで休憩所の奥白滝だ!!あと12km!!」


「このトンネルを抜ければ、休憩所!!」

すでに隣にいるかみさんは軽く寝息を立てている。


ようやく休憩所の奥白滝の看板が見えた。ゆっくりスピードを落として、PAに入るOYAZI。

最後にPA前のトンネルに入った途端、


「キャーーツ!!」とかみさんの悲鳴が聞こえた。

 

 ハッ!!としたOYAZIの目の前にトンネルの壁が迫っていた。


「!」


とっさにハンドルを右に切るOYAZI.


 PAに入り込み、エンジンキーを切りサイドブレーキをかけたまでは覚えていた。

そして、そのままオヤジの意識は途切れた。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「!!やばい!!遅刻だ!!」


オヤジはいきなり飛び起きた!!どうやら寝ぼけていたらしい。

まわりを見ると、オヤジの記憶にない風景である。
真・キリンに憧れて!!                   最狂伝説!!

時計を見ると、

3:46 であった。


ようやくここが奥白滝のPAという事に気が付くのに、数分ほどかかったオヤジであった。


「あんた。昨日は危なかったね。いきなり壁がせまってくるんだもの。」

「ああ。本当にやばかった。悲鳴を上げてくれて、助かったよ。」


 確かにあの時は目は見えていたが、頭のほうは全然見えていなかった。

本当にかみさんのお蔭で助かったようなものである。


「よし、少し頭がスツキリした。走ろう!!」

そう行ったオヤジは再びハンドルを握った。


その後、生田原の安国駅前。端野の東部前で少し休みをとりながら、


21(日) 7:11



無事に帰宅したオヤジ達一家であった。



望まれない旅の意味ですか???


 それはオヤジが事故を起こしそうになった事のです。


ツーリングやドライブにしても、旅行にしても、いったんバイクや車に乗れば、無事に帰ってくることが、絶対条件である。

 せっかくの楽しい思い出も、事故をおこしてしまうと台無しになってしまう。


今回はたまたま寝ていたかみさんが、気が付いてくれたので大事に至らなかった。


長距離を走ると、なかなか休憩をするのがおっくうになり、つい無理な走りをしてしまう。


 本物のキリン(バイク乗り)になるにはまだまだだな。


 今回の旅行、自戒の意味を含めて、望まれない旅ということで締めくくります。








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