Precious Time ー貴重な時間ー | クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

TYPE Rの称号を与えられなかったもう一つの悲運の車



 平日の休日。昼からのたった2時間ばかしの時間。これがオヤジとレディ9との貴重な時間となる。

さて、今日、14日は5月29日から数えてほぼ2週間ぶりにレディ9との対面となったが、天気は連日の30度超えの快晴にも関わらずにあいにくの雨の予報となった。

  今日の睡眠時間は3時間30分。どうも昨日から休みが待ちどうしくて、眠れなかったみたいで朝からボーツとしている。
「やばいなぁ。これでバイクに乗ったら事故を起こす。とりあえず30分でもいいから眠ろう。」
 簡単な朝食をとったオヤジは再び、軽い睡眠にはいっいた。

 そして、昼過ぎ用事を終えたオヤジはバイクカバーをはずす。天気を仰ぎ見ると、曇り空の鈍い色からポツリ。ポツリ。と雨が降り出した。
 
 今日の正装は今年初めてのバトルスーツと決めた。
ブーツはお決まりのアルパインスターのビクトリー。
早速、ビクトリーを履いてレディ9に跨る。
・・・・・・・・・・・・・やはり、初代レディ・14Rと同様にシフトチェンジが出来ない。

$真・キリンに憧れて!!                   最狂伝説!!


「くそっ!!やはりこのブーツはオヤジにとっては単なるお飾りかよ。」と毒づく。
まあ、昨年もこいつは使えなかったので、この先、永久にガレージの単なるお飾りししようと仕舞い込むオヤジであった。

 続いてほぼ1年ぶりのバトルスーツのジャケットとイェローコーンのバトルグローブとのご対面。基本、オヤジは着た切りスズメでジャケットのメンテナンスはしないので、1年ぶりのバトルジャケットはホコリにまみれほとんどひどい状態になっているが、 「気にしない。気にしない。」とかまわずに着込むオヤジであった。

$真・キリンに憧れて!!                   最狂伝説!!


 両肩にズシリと重みがかかり存在感のあるジャケット。こいつを着込むと、公道上のいかなるアクシデントにも立ち向かえる気がする、キリン派のひっすうアイテムであるが、あまりの重量のせいで、オヤジにとっては装着時間は約2時間が限界という笑えないジャケットである。

 カチャ!!エンジンキーを回す。バイザー周りの計器ランプが点灯しレディ9に命がともる。

「さあ。いこうか。あいにくの雨かもしれないが、これからの2時間。共に貴重な時間を過ごそうぜ。」

$真・キリンに憧れて!!                   最狂伝説!!


 サイドスタンド上げクラッチを握り、スターターを押す。

キュルキュル!!

バゴーーン!!
ドガッ!!ドガッ!!


レディ9は深い眠りから目覚めて小刻みに振動を始めた。

こいつは生きている!!ふと、オヤジはそう思った。

カチャッ!!

ドガドガドガ!!

半クラで静かに発進させる。

今日の目的地はオヤジの職場。オヤジが14Rからこいつに乗り換えたことを話したら、こいつを見たいという社員にレディ9のお披露目会を行う予定である。

今日は単なるお披露目会なので、安全運転を意識しながらゆっくりとレディ9を加速させていく。

相変らず振動がひどく、バックミラーはほとんど役に立っていない。
ふと、OYAZIはあることに気が付いた。

アクセル・オンの時は振動は激しいのだが、アクセル・オフの時は思ったよりも振動が激しくないのだ。
 その為、一瞬であるがバックミラーに後続車が映る。
 時折、オクセルを戻して後続車の確認を行う。


鈍い曇り空ではあるが相変らず気温は高い。

分厚いバトル・スーツの下にジワッとした汗がにじむ。


2車線に入り一気にレディ9を加速モードに突入させる。
3000回転。4000回転と回転を上げるにつれて、レディ9の小柄な車体は激しく振動を起こし始めた。
しかし、分厚い革のプロテクターに守られているOYAZIには何も不安感はなかった。


 信号待ち。から一気に登り坂に入る。
後続車がOYAZIを追いかけてきた。

タイトなコーナーの続く登り坂。大排気量、重量の軽いバイクにとっては最高のシチュエーションである。

OYAZIはアクセルを軽く入れて更に加速を始める。

予想した雨は本降りにならないで20分ぐらいで無事に職場に着き、早速、社員にレディ9のお披露目を行うオヤジであった。


しばらく話していると再び雨が降り始める。
「それじゃーー。また明日。」
と、言いオヤジは再び帰路につくのであった。

 軽いバイクは良い。帰路の下り坂。オヤジは軽に後ろに着かれた。
重量バイク14Rの時はあまりの重さで、満足に操縦出来ずに下り坂で軽にあおられたのだが、9Sの軽さに助けられたOYAZIはラフな動作でシフトを1速落とした。

ギャフ!!という軽い音を立てて後輪が一瞬空転する。
しかし、OYAZIは顔色も変えずに下りを加速させていく。


下り坂の終わりの信号が青になる。

OYAZIは前走車に続いて左折させる。

徐行の状態でのノロノロ運転。まるで1本橋のようである。
(そうか、1本橋の練習ってこんな時に使えるんだ。)
不意にOYAZIは納得した。


交通の流れが速くなる。

一気に加速・・・・・・を行うと、脇道からの車のエジキと化する。

脇道の車と前走車の動きを確認。

視界、オール・クリアー!!
「吠えろ!!」
OYAZIは右腕を千切れんばかりにアクセルを振り絞った。



バゴーーーーン!!

レディ9は獰猛な雄叫びを上げ、一気に加速し前走車を追い越し、みるみるうちに後ろに消し去った。


たちまちのうちに、前の車に追い付く。
再び軽くパス。
まったくこいつはピュァースポーツだ!!

途中、雨が強くなりOYAZIのシールードにあたる。
「いよいよ本降りになりそうだな。そろそろ帰るとするか。」
と思っていたら、いきなりバイザー周りの計量ランプが付く。
「ヤバィ!!いきなりカス欠かよ。」
このランプが点いてから40kmは走れると聞いてはいるが不安である。

すぐにOYAZIはなじみのガソリンスタンドに向かった。

ガソリンを入れると・・・・・・9.4Lしか入らなかった。

えーえーーっ????こいつって10Lも入らないの????


_| ̄|○ ガックシ!!


注:公式データーにはフューエルタンク容量 14 liters となっています。






人気ブログランキング