天敵!現る!! | クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

TYPE Rの称号を与えられなかったもう一つの悲運の車

  午前中に湾岸アタックを終えたオヤジは心地よい満足感につつまれていた。

「さて、天気も良い事だし午後からは洗車でもしょうか?」と思っていた。

そこに、


デロデロデロ!!デンデロリン♪


という悪趣味な音が聞こえてきた。


「!」


真・キリンに憧れて!!                   最狂伝説!!
 

そこにやってきたのは、我がレディ9の天敵!!


 悪魔のZに対する湾岸の帝王の怪鳥ブラックバード!!しかり、キリンのカタナに対するデカ尻女ことポルシェ911.


 オヤジのレディ9に対して、悪夢のZこと、240ZGである。


真・キリンに憧れて!!                   最狂伝説!!


 このZは雨の日は雨漏りがするから乗らない。とか、冬はスタッドレス・タイヤが無いから乗らない。というオヤジのバイクみたいな変わった車である。


「やあ!!オヤジ!!久しぶりだな!!」

と、現れたのは「スピードに愛された男で」一躍有名になった友人Iである。


 まったくこいつが現われると、オヤジの人気も下がり・・・・・・

おっと、ネタミが入っちまった!!


「いよいよ来たんだろ!!バイク!!早速、競走(はし)ろうか!!」オヤジに仕掛けてくる!!

「ゴールは?」

「近間のB峠の頂上!!」

「よし!!30分ぐらいだな。それなら俺の体力もまだ持つ!!」

 と、オヤジは彼との走りに了解した。


数分後!!

彼のZGに乗り込むオヤジ!!


えっ?ZGと競走しないのかって??


まさーかー。そんなことする訳ないじゃないですか!!

オヤジは良識のある大人ですよーー。

まさか本当にキリンゴッコをする訳ないじゃーないですか!


 30分ぐらい体力が持つ。という話は、オヤジがこのZGの助手席に乗っていられる時間ですよ。

 まったくこのZGは、乗るだけで疲れる車なんですよ。


デロデロデロ!!デンデロリン♪


と、ZGはオヤジを乗せて、悪趣味な音を周りにまき散らし走り出した。


「おおっ!!前とぜんぜん違う!!全然音もうるさくないし、振動がこない!!」


 オヤジはZGのあまりの静かさに感動をした。

「道のせいでないか?」と、友人Iは答える。

「そうかなーー??遥かに前と違って静かだぞ!!」


 オヤジはビューエルのあまりの振動のひどさに、感覚がマヒしていることに気が付かなかった。


 そんなこんなで、30分弱でB峠の頂上に到着!!

真・キリンに憧れて!!                   最狂伝説!!


真・キリンに憧れて!!                   最狂伝説!!

未だに頂上の駐車場には雪が残っている。

トイレには・・・・・
真・キリンに憧れて!!                   最狂伝説!!

トイレの電球が盗まれるということで、警告文が・・・・

オイ!!電球を盗んだ犯人!!そんなセコイ事をするなよ!!

千円の盗難でも捕まれば前科1犯になるんだぞ!


真・キリンに憧れて!!                   最狂伝説!!


 この頂上でも久しぶりに快晴である。

「この反対側から、ヒルクライムしたら面白いだろうね。」と、オヤジは目を輝かせて話すと、

「バイクならな。しかし、車なら重いから500馬力から600馬力ぐらいなければ、全然話しにならないよ。」と、Iはマジメに答えた。


 まったくこいつは、オヤジよりもはるかに高度な知識があるから、走りに関しては下手なことは話せない。



真・キリンに憧れて!!                   最狂伝説!!


「やっぱカッコ良いよなーー。」

自分のZGを見たIはボソリといった。


「そうだなあーー。今の車は操作性を重視するあまり、フロントが短いだろう。」

「俺の中ではやはりスポーツカーはフロント、ハナが長くないと認めないよ。」

「それがたとえ操縦性を損なおうとも、やはりデザイン重視だなー。」

「Z やコルベット・スティングレィ!!このデザインは俺の中では永遠に輝いているよ。」と、オヤジが熱弁をすると、友人Iはニコニコとして、

「実にうれしい事を言うねぇーー。」オヤジに缶コーヒーを差し出した

(ラッキー♪ 缶コーヒーゲット!!)


天気が良いがやはりここは寒い。

少し周りを見てから速攻で帰るオヤジ達であった。


オヤジの家に着いた二人であるが、早速、愛機、レディ9のお披露目となった。

「どれ?どんなバイクだ??オヤジの手に入れたブタは!! 」

「ビューエルだってばーー!!」




ヽ(`Д´)ノ 

プンプンプン!!



バイクカバーをめくる。

「やっぱりこのバイク!!ブタだ!!太ってるしーー。」



「ビューエルだってばーー!!」


・(ノД`)・°(エーーン!!)



しかし、Iの目はレディ9を見ると変わった


「こいつ、かなり走るな!!」

「えっ?何で判るの??」

「まず、このピレリーのぶっといタイヤ。これはネイキッドに武装しているが、まさしくレーサーだ!!」

「そして、このホイルベース長(フロントタイヤとリアタイヤの距離)が異常に短い!!これは操作性を重視する今の車と同じデザインだよ。」


真・キリンに憧れて!!                   最狂伝説!!


「おっ!!良い事、言うねぇーー。」

「ちよっと跨いでいいか?」

「もちろんだ!!」


Iは9Sに跨った途端、

「すごい足つき性との良さと軽さだ!!昔乗っていたRZV500Rよりも軽いかもしれない。」

「これなら、俺も欲しいかもしれない。形もカッコいいしね??」


 普段、辛口コメントのIであるが、こいつに関しては良さを認めていた。

「そうかそうか。形もカッコいいか!!スシ食いいねぇ!!」


と、すっかりオヤジは有頂天になっていた。


真・キリンに憧れて!!                   最狂伝説!!

「このスイング・アームにオイルが入っている。」


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「そして、このフレームの中にガソリンが入っているから、低重心の為に、非常に乗りやすいんだ。」


真・キリンに憧れて!!                   最狂伝説!!


「このスパルタンなタンクはダミーだよ。」

「レッドは7,500からなんだな。」

「おっ、メーターは260km/hも刻んでいるんだ。」


「しかし、5,000も回せば最悪だよ。振動がひどくてとても走れたものでない。」

「音、聞いてみるか?」

「いや、いいよ。HDのエンジンなら大体想像でききるしな。」

「しかし、この形なら俺も欲しいなーー。」と、Iは再び呟いた

「そうか。そうか。欲しいか。」オヤジはニヤニヤした。


「うん。これがHDのエンジンでなければ絶対欲しい!!」


「えっ?HDのエンジンでないほうが良いの??」


「うん。それなら、絶対に速いし、振動も無くてカッコがいい。」




(あのーーー。こいつの良さはHDのエンジンがTZR250並みの小柄な車体に入っていることなんですけどーーー!!)




_| ̄|○  ガックシ!!





真・キリンに憧れて!!                   最狂伝説!!





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