キリンに憧れて 新章!! オヤジ!4輪バギーに挑戦する!! | クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

TYPE Rの称号を与えられなかったもう一つの悲運の車

 16日の旭川バイクフェスタを見に行ってからのオヤジは、バイクを乗っている夢覚めず、実に腑抜けた状態になっていた。

「早く春よ来い!!早くバイク乗りてーーーー。」と、思いながら、海を眺めると・・・・・


キリンに憧れて 新章  ♪TAKE IT EASY ♪

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流氷がドーーーン!!と、オヤジの前に立ちふさがり、「まだ春はこねーーーぇぞ!!」

 と、冷たくオヤジを威嚇していた。

 

 まさしく今のオヤジ「もーいくつ寝るとお正月ではなく、春。」という気持ちである。

 とぼとぼと、流氷の帰り道。と、網走湖を見ると何やら楽しい悲鳴声!!

「キャハハハハ!!」

「すげーーー!!おもっしれーーーっ!!」


 その声に誘われて、オヤジが湖にふらふら。と、立ち寄ると・・・そこでは・・・
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 スノーモービルで引っ張られた、ゴムボートが右に左に揺さぶられて走り回っていたのである。

 

 本州方面からの観光客が、凍った湖の上で、スノーモービルに乗ったり、ゴムボートを引っ張ってもらっているのである。

辺りを見回すと・・・・・・・・

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何やら、バイクらしきものが・・・・

「あっ!!4輪バギーだ!!」と、オヤジは叫んだ!!


 実は雪上で3輪バギーには20年以上前に1度乗ったことはある。自称「ラリースト」の友人に連れられて乗ったのだが、その時は散々な結果に終わってしまった。

「オヤジ!!初めて3輪バギーを乗るんだろう?大丈夫か?」と、横で心配してくれた友人をしり目に、

「まっかせなさい!!一応、FX乗りとしては3輪車なんて、転倒もしないから大丈夫さ!!」と、話すや否や、アクセル全開!!を行うと、バギーはオヤジの意志とは裏腹に真っ直ぐに走らず、蛇行していった。

 

 ちょうど初めてバイクに乗った時、ニーグリップが出来なくて、ハンドルでカジを切ろうとして、よけいに真っ直ぐに走らない状態と同じであった。

 3輪バギーは直線も満足に走れず、コーナーもやっとの思いで曲がり、ようやく1周を終えた。それから3日間は腕の筋肉痛に悩まされたものであった。


 そんな経験があったので、オヤジはそれから20年以上も雪上バギーなるものを乗るのを封印していたのだ。

 しかし、その日は違っていた。体が風を切る感じを求めていたのであった。


 オヤジはフラフラとチケット売り場で、バギーの乗車券、600円を払っていた。

「あーっ。あーー。ついに買っちまったよ。多分、満足に走れないだろうなぁーー。」と、思いつつ、チケット係員に渡した。

「ヘルメットを付けてください。」 (えっ?ヘルメット?そんなにこれって、危ないのかよ??)

「初めてですか?」と係員が聞いてきたので、

「はい。そうです。」

「それでは、これがブレーキで・・・・・」と係員は4輪バギーの基本的操作を話出した。


4輪バギーに跨る。ドキドキ・・・と、だんだん緊張感が高まる。

「最後に地元の方ですか?」

「あっ。はい。そうです。」

「それでは2週してください。」

「えっ?2週もですか?」

「はい。2週乗れます。」


 ままよ!!まずはニーグリップ。とオヤジは意識的にバギーのサイドに足を挟めた。そして4輪バギーのアクセル(というか、スロットを思いっきり吹かした。)

 4輪バギーはエンジン音も高らかに唸り、加速・・・・

加速しねぇーー!!このバギー!!


 まるで、レディが拓海の86だとしたら、このバギーはイッキの85クラスだ!!

 4輪バギーはグモモモモとエンジン音を唸り上げてスピードを上げていく。


 思ったより真っ直ぐに走ってくれる。最初の左の90度ターン!!

スロット・オフ!!フロント・ブレーキは怖いから、リァ・ブレーキを親の敵のように握りしめる

 4輪バギーの左タイヤは雪の壁をなめるように曲がっていく。


あれっ?昔のように難しくない!!全然普通に曲がれるじゃん!!


キャハハハハ!!オヤジは笑い声も高らかに、左周りのオーバルコースをクリァしていく。


1周目に戻ってきたときは、さえないオヤジがバギーを難なく乗っているのを見て、最初乗るのを怖がっていた、本州から来ていたオネーチャンが、このオヤジにも乗れるなら、私も簡単に乗れるわ。と思ったのか、初めて4輪バギーに挑戦しようとしていた。


 2週目、さすがにカウンターは当てれなかったものの、意外とすんなりと走りきったオヤジであった。

 それはまるで、初めて原付でゆっくりと、周りの風景を見ながら走った時の感動と同じであった。


 ふと、帰ろうとすると・・・・・・・・
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 先ほどのオネーチヤンが戻ってこない。

 「まずい!!突っ込んだか?」と、係員はあわててコースに飛び出していった。


  春よ来い!!早く来い!!と、口ずさみながらオヤジは空を見上げた。


 

 いまだ2月ではあるが,碧い澄み切った空が春の訪れを予感させていた。




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