さてさて、今回でライダーとしての未熟なオヤジの話も、いったん終わりにしょうと思う。 (と、言うことはまたどこかで復活させる気だな。オヤジ。)
こりもせず読んで頂いた読者の方々。ありがとうございます。
m(_ _ )m ペコリ!!
今回の話はバイクではなく、自動車編である。
Z400FXを手に入れる前のオヤジは、映画、マッド・マックスにやられていて、自分の愛車をマッドマックスに出てくる、インターセプターに形の似ている車にしょうと思い、当時、50万円で売られていた日産・シルビアに乗っていた。
映画マッドマックスに出てくる、インターセプター。
当時は若造の間ではネコもシャクシも、このフォード・ファルコンの改造車の話題でもちきりであった。
ちなみに、オヤジの買った2代目シルビァ。

どことなく、ラインがインターセプターに・・・(えっ?全然似ていない?)
_| ̄|○ ガックシ!!
今でこそシルビァは、走り屋に人気のある車であるが、当時のユーザーのターゲットはお嬢様クラスを狙っていたので、1800ccの中途半端な排気量と、サニーをベースとした車体で、作りが何もかもが中途半端だったので不人気車であった。(今は旧車。ということで100万円以上するそうだ。)
当時の若造達の人気車はもちろんFR。FFや4WDはオッサン車。といってバカにしていた。
このシルビァでオヤジもブイブイ言わせながら、町を走っていたのだが、付き合っていた友人に、自称、ラリーストという奴がいた。
そいつは、ドラテクを磨くために、壊した車は10台以上。ドリフト中でも後ろを振り返れる。と豪語する、まるで「イニD」の拓海の父親の文太みたいな奴であった。
そのラリーストが、「オヤジ。車が走行中に滑ったら、自分の意志では立て直せないから、自ら車を滑らせ(ドリフト)!!」と、訳の解らない理論でオヤジをケムにまき、オヤジも意味もなくその言葉を信じていた。
ある冬の日の出来事であった。
乾いたアスファルトでのドリフトは不可能だが、雪道のFR車は低スピードで簡単にドリフトが出来る。
OYAZIは車通りが少なく、人影もない裏街道の雪道のコーナーで低速・ドリフトを楽しんでいた。(実際はドリフトというよりも、テールスライドなんだが・・・・)
「滑る前に滑らせ!!」「滑る前に滑らせ!!」といいながら、ブラインドの左コーナーに、ややオーバー気味にシルビアは入り込んだ。
少しタイトである。
「ウォリャーー!!」と掛け声をあげ、軽くカウンターを切ったOYAZIは、その時は自分は秋名のダウン・ヒルラーだと本当に信じ込んでいた。
シルビァはきれいにカウンターを切りながら、ブラインドーコーナーを抜けていく。
その時は完全に「ウーーン!!俺はやはり天才!!」と、一人自己満になっていたOYAZIである。
次にコーナーを抜けたOYAZIの目に飛び込んだ一つの姿!!
「!!」
それは道のど真ん中で遊ぶ子供の姿であった。
「ギャーーーー!!」悲鳴を上げOYAZIはシルビァを自爆モードに切り替える為に、ハンドルを左に思いっきし回した。
そばにいた母親の顔が恐怖にゆがむ。
しかし、シルビァは無情にも運転席側を子供のほうに向けながら、子供に飛びかかっていった。
人は恐怖を覚えると、体は硬直するという。まさしくオヤジはブレーキ・ペダルを踏みっぱなしで、体は硬直していた。
真っ先に浮かんだのは、自分が殺人者になる。免許はく奪。会社を首!!
もう、オヤジの人生はこれで終わった!!と思った。
シルビァは道の真ん中で遊んでいる子供の手前3メートルばかしで止まっていた。
何も知らない子供はニコニコとオヤジを見ていた。
これで、オヤジの遠き日の思い出は、いったん終わりです。
どの話も、一歩間違えば自分の命を落とすどころか、間違ったら殺人者になったかもしれない話です。
まさしくオヤジ自身の未熟な判断が招いた結果であった。
幸いにもオヤジは今までたいしたケガもなく、人生51年を歩むことが出来た。
昔、オヤジ達の中でもドラテクが格段にうまい人達は存在していた。しかし、その人達は自分達のうでを磨くために、他の人を巻沿いにしない場所を選んでいた。
オヤジが14Rを買った時、昔、硬派な走り屋だったS車輌の社長は、
「オヤジ。最高速にアタックするときは、早朝のあそこでやれ!!」と、アドバイスをしてくれた。
そこはオヤジの住んでいるところから車で30分ぐらいの場所で直線が7kmぐらいあり、脇道も1本もないところであった。
もちろんオヤジは怖くてそんなことはやらなかったが・・・
そんな風に、昔の走り屋と呼ばれる人は、事故をおこしても周りに迷惑をかけない場所、時間帯を選んでいた。
今はどうなのであろう?アクセル一ひねりで200km/hに簡単に到達できる
高性能バイクや車が次々と出る中、本当に自分の力量を知り乗っている人がいるのであろうか?
もちろんオヤジはそんな力は持ってはいない。だからこそやはり、危険予想をしながら臆病に車やバイクを乗りたい。と思っている。