無い!!何にも無い!!書くネタが無い!!もはやこれまでか。かくなるうえは、トンズラしかない。と思っていたオヤジに一つのアイディアが閃いた!!
その車は、まるで狂おしく身をよじるように、走るという。
その名も悪魔のZ(ゼーーーーーット)!!
全国の車好きの人が、このセリフに何人もの人がやられ、ファアレディZを買ったことであろう。
オヤジの友人Iもまたその一人であった。
彼の自慢のコレクションはS30Z,32GTR、そして現在唯一の車検のある240ZG。
そうだ!!今日は240ZGのネタを書こう!!
と、言うことで、オヤジは早速友人Iに連絡を取った。
「もしもし?Iか?おまえ今日は休みで暇だろう?早速だが、これからおまえのZGに乗ってあげようか?」
「あっ。オヤジか。残念だが今日は用事が・・・・」と、言葉を濁す。
「そうか、残念だったな。せっかく、君の自慢のZGを俺のブログの全国の数多い読者に(ヒヒッまったくのハッタリだよ。)見せようかと思っていたのだが・・・・」
その途端、Iは先ほどの態度と打って変わって、
「ハハッ!!オヤジ様!!私くし、Iめは早速、自慢のZGに乗っオヤジ様の元に駆けつけます。」
毎回、毎回騙される単純なIである。
というわけで、直ちにオヤジの元に駆けつけるI。
ゴロゴロゴロ!!
遠雷が聞こえてきた。そういえば、Iは240ZGに乗るときは、雨の日は嫌がっていたな。(何故かって?車に雨漏りがするからである。)
デロデロデロ!!
だんだん雷が近づいてきた。と思ったら友人Iの240ZGであった。
「久しぶりだな。オヤジ。本当に俺のZG。ブログに載せてくれるんだろうな。」
「ああ。間違いない!!」と、オヤジは力強く答えた。(しかし、いつ載せるとは言っていないゼ!!ケケケケ!まったくオヤジは悪い奴である。)
「さあ。早速、試乗会!!試乗会!!」と、オヤジが乗り込もうとすると、「ちょつとまってくれ。」と、Iはオヤジが乗り込もうとするのを制して、おもむろにエンジンフードを開けだした。
しかし、I。どうでもいいけど、お前。車。逆に停めてないか?
まったく、ド・田舎だから許される停め方である。
「一体、どうしたんだ?I。」と、オヤジが不思議そうにIに聞くと、水温計のメーターが異常に高い。とのことであった。
「とりあえす、ラジェーターの中のクーラント(不凍液)を見てみる。」
暇なオヤジは240ZGのエンジンルームを覗き込む。
「ウェーバー・・・おおっ!!これがかの有名なウェーバーか!!ウェーバーといえば・・・・」
オヤジは昔から疑問だった一つのことをIに聞く。
20代の頃、走り屋と呼ばれていた人たちが必ず口にする、二つの言葉。
「なあ。I。ウェーバーとソレックスって、一体どう違うんだ?」
「メーカーの違い!!」
全くIは単純明快に、オヤジの疑問だったことを教えてくれる。
ああっ。良かった。これで今までオヤジの中で謎だった事がひとつ解決できた。
ラジェーターの中を見てみると、クーラント(不凍液)はかなり減っていたようである。
「よし、早速隣町まで、こいつでクーラント(不凍液)を買いに走ろう。」
となったが、ものの5分もしないうちに、
「オヤジ悪い!!。クーラント(不凍液)はオヤジの車で行けないか?」
と、聞いてきた。240ZGの水温計をみると、もはや限りなく100℃に近い位置をメーターは指していた。
早速、オヤジのキャンカーで、隣町のホーム・センターへクーラント(不凍液)を買いに行く。
何かとQ車(旧車)は不便である。エァコンなんか当然無い。
トクトクトクトク
240ZGはのどか乾いたように、うれしそうにクーラント(不凍液)を飲み干していく。
「よし!!用意はできた!!オヤジ行くぞ!!俺の熱い走りを見てくれ!!」
友人Iは待ち構えたかのように、オヤジをナビ・シート(助手席)に乗せると、240ZGを発進させた。
うーーん。どうもこの車は違うようだ!!あえて言うなら、その車はまるで、走ることを嫌がるように・・・という表現が正しいようだ。
240ZGは騒音をあたりに撒き散らし、走り出した。
「おい。Iちょつと待ってくれ!!俺のシートベルトがきちんと締まっていない。」オヤジは慌ててシートベルトを直そうとすると、
「悪い。オヤジ!!そっちのシート・ベルトは壊れているんだ!!なーに。事故ってもこっちは大丈夫だから、気にするな。漢(おとこ)は細かいことにいちいち気にしたらいけないぜ!」
「あっ!やめて!およしになって!!俺はまだ死にたくない!!」
「俺には二人のかみさんと、一人の娘が・・・・あっ。間違った。俺には一人のかみさんと二人の娘が・・・・・」
240ZGの荒々しい加速の度にオヤジはゆるいシートベルトのせいで、ナビシートの中を転げ回った。
ハゴッ!!グォーーーーーツ!!
240ZGは前回、オヤジが乗った時よりもさらに凶暴な走りをし始めた。
ウェーバーからの吸気音が、エンジンと同調し、オヤジの頭の中でガンガン響いていた。
横を見ると友人Iは心なしか薄ら笑いを・・・・・(普段、温和な人はハンドルを握ると人が変わる。という話を以前、どこかで聞いたっけな。)と、薄れゆく記憶の中で、オヤジはそんなことを思いだした。
オヤジがブログのネタに240ZGの話をしようとする試みはもろくも崩れ去った。
小1時間ほど走り、オヤジはやっと友人Iから開放された。
ガンガン頭が痛い。どうやら車酔になったようだ。
240ZGから降りた友人Iは「こいつとの走りも、今年ももう少しで終わりだな。」と、少し寂しそうにつぶやいた。
「どうしてだ?バイクと違って、車は冬も走れるだろう?」
「いや、冬タイヤの用意をしていないんだ。金が無い。」
類は友を呼ぶ。ということわざ道理にまったく、オヤジの友人には、まる貧な奴が多い。
それでいての車道楽・・・・・オヤジも人のことは言えないが・・・
彼と別れたその後、オヤジは見事に疲れて、ソファーでその後、夕方まで寝ていた。あまりの疲れ方でかみさんはオヤジが具合が悪いと勘違いしたほどであった。
Q車(旧車)に、小1時間ばかし乗っただけなのに、疲れがでるなんて・・・・・
年はとりたくないものよのうーーーーーーー。
