キリンに憧れてⅡ プロジェクト・レディ4 -きっといつの日か。なんかあるものかー | クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

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TYPE Rの称号を与えられなかったもう一つの悲運の車

  5,6日に引き続き昨日9日と10日も連休だったオヤジ。(おまえはいったい、いつ仕事をしているんだ!!とコメントが来そうだが・・・)


  7月に入り、連日、外はピーカンで、今日バイクを乗らなければいつ乗るんだ?という天候状態。そこでオヤジは、早速、レディに・・・・では無く、レディのガレージの為にプレハブの片付けを始めた。

 

 まず、ガレージの中には一番のやっかいな代物、キャンカーとイースのスタッドレス・タイヤが2セット入っている。これが、ガレージの場所を大きく占領しているのだ。

 所長さんからのアドバイスを参考にして、なるべくガレージには物を置かないように・・・・ということで、普段、いらないものやゴミしか入れてない、ゴミ箱としてか存在価値がない、カーポートの横に付いている小さな物置に棚を作り、ここにスタッドレス・タイヤを収めることにした。

 

 9日・・・暑い日であった。オヤジは朝から2回も下着を取り替え、水風呂に入り体力を回復させ、何とかカーポートの小さな物置にスタッドレスタイヤを収めることに成功した。しかし、この段階で時間は夕方の5時を過ぎ、物置の小屋から出たゴミの処分は明日に持ち越しとなった。


 そして、今日10日。今日は霧雨ですごしやすい日である。心なしか少し肌寒い。肉体労働にはもってこいの日である。


 今日の予定は、ガレージの移動に伴い、工具を置いてあった場所にレディを置くため、まったく正反対の場所に工具を入れ替え、いらなくなったゴミの処分である。


キリンに憧れて 第二部


 この場所にレディが入る予定である。


キリンに憧れて 第二部


 そして、ここに机や工具を置かなければいけない。

黙々と作業すること、3時間ばかしで何とかガレージの片付けは終わった。



キリンに憧れて 第二部

 この除雪機の置いてある所にレディを置く予定である。そして、後ろの壁をぶち抜き、そこからレディの出し入れを行う予定である。


 ガレージングの楽しみは、やはりどこに物を置こうか?と、考えている時である。

 この工具をここに置き、あの道具を手元から取るには・・・と至福の一時が過ぎ去っていく。


キリンに憧れて 第二部


キリンに憧れて 第二部


キリンに憧れて 第二部

 

 オヤジは20代後半からガレージ・ライフに憧れていた。そして、きっといつの日かオヤジもガレージ・ライフを行う為に、それ系の本を片っ端から買いあさって、自分の思い描くガレージ・ライフに夢をはせいていた。


 たぶん、みんなもご存じのように、それ系の本はポルシェやフェラーリーが洒落たガレージに収まり、オーナーの気に入っているところが紹介された写真ばかりの本で、どれも高く1冊数千円にもなりオヤジの小遣いはことごとく飛んで行った。

 ある日、職場の後輩から「オヤジさん。結構、ガレージングの本を買いあさっていますが、その本を買うの止めたら、キット・ガレージぐらいのお金なんか数年間で貯まるんでないですか?」と、言われた。


    「!」 

 その日からオヤジはガレージ関係の本を買うのは止めた。しかし、「単管で作るガレージ」、「カーテントで楽しいいガレージライフ」。などというマル貧・式ガレージの作り方みたいな本は、どうしてもつい買ってしまうのであるが・・・

 

 きっといつの日か。なんかあるものか。」今、ガレージを作りたいと願えば、それに対して、どう行動をとらないといけないかは、自ずから答えは出てくる。


 本来ならば、これからガレージの片付けを終えた後、ガレージから出た大量のゴミを処分して、プロジェクト・レディの第一部は終了の予定であった・・・・

 

 実はプレハブの壁を壊した際に、レディを入れる戸はシャッターを付けないで、大きなガラスのサッシを入れて、レディをショーアップさせようと思っていたのだ。

 

 その為、いつもお世話になっているS車輌の社長に、プレハブの移動と、プレハブに中古のガラスのサッシを入れれる業者の紹介を頼みにいったのが、今回のプロジェクト・レディの発端であったのだ。


 その時、S車輌では自宅の古いすべての窓と扉の入れ替えが計画されていて、オヤジが偶然にも中古のガラスの窓か玄関フード(風防室)を持っている業者はいませんか?と、来たもんだから話は早い!!

「うちの窓をやるから使え!!」と決まったのである。


 その為、プロジェクト・レディの第二部は、玄関を付けるためにS車輌の社長の自宅の窓を貰うことから始まる予定で、それは多分、業者が仕事がひと段落つく、秋口の予定であった。


 ガレージから出た大量のゴミを処分する為に、S車輌にトラックを借りに行ったオヤジは、S車輌の社長の自宅が改装している光景にぶち当たった。


「どうだ、プレハブの基礎出しは出来たか?」S社長はオヤジに出会ったとたん、心配して聞いてきた。

「はい。おかげ様で。今日はガレージの中身の整理をして、ゴミの処分の為にトラックを借りたいと思ってきたのですが・・・・もう、窓の入れ替えが始まっているんですか?」

「ああ。俺もいつでもいいと言っていたんだが、今日、急にきてこれから始める。」と言ってきたんだ。

 

 そこで、オヤジはとりあえずゴミの処分を行い、後からもう一度、社長の元に来て貰える窓の確認をすることとなった。


 ゴミの処分が終わったあと、オヤジはS車輌の元に行こうとすると、ふと寂しそうなレディの姿。

「おおっ。そうだったな。君のガレージ作りのためだとはいえ、もう1か月も君とは走っていなかったね。一緒に行くかい?」

ということで、たった数分のデートではあるが、レディを連れていくことにした。


 服装はあくまでもちょっとそこまで。という感じで、バトルスーツのジャケットをはおり、と、いうか、もうこの段階でちょっとそこまでとは、言いがたい)普通のスラックス系のパンツ。そしてモンザのM30もどきのヘルメットと、ハンマーグローブ。しかし、足元は普通の靴ではなくあくまでもブーツを穿く。


 最近、TVドラマで主人公がバイクを乗るシーンが出てくる。が、オヤジは今一つ??のシーンがある

まず一番気になったドラマ。リッチマン・プアウーマンの主人公、小栗旬がカッコよくYZF-R1(?)で疾走しているシーン。

 シンプソンのヘルメットにグローブを身に付けてカッコが良いのに、なんで足元はスニーカーなんだ??しかも靴下さえはいていない。結構、飛ばしていたみたいだけど、どうも気になってしょうがなかった。

 

 もう一度君にプロポーズでは、しっかりブーツも履いていたけど、服装がジャケットからシャツがはみ出ている。

 今はこれがファッションだ。と言われるかもしれないが、コケた時に、シャツが巻き込まれるから、どうも危なくていけない。


 GTO・・・これは主人公が元、暴走族という設定だから、あんなマタを広げた乗り方はまだ許せる。

 集合管。いい音していたなーーー。しかし、ますますZⅡのプレミァがつくだろうな・・・・


 主(あるじ)さんも言っていたが、バイクに乗った時を考えて服装も考えている人はよりカッコイイ!!

 

 まったくそのとうりである。


 仮にも大型バイクを乗ろうというのに、軽装ではどうもオヤジ的には????こいつ本当に判っているの??と、なってしまうのだ。

 まあ、オヤジみたいに、バトルスーツという、重装備もどうかと思われるかも知れないが・・・・


 S車輌にレディを連れていくと、社長の息子はオヤジの異常なカッコを見てハイ・テンションになっていた。

「うわっ!!このジャケット。すげーカッコいい。まるで北斗の拳ですね。もし、いらなくなったら僕にください!!」

 ふっふっふっ。この良さをわかるとは、君も漢(おとこ)だねえ。

(でもあげないよ。ひっひっひっ。)S車輌の社長のもとで、もらえる窓の打ち合わせをしてから帰るオヤジであった。


 ふと、レディのゲージを見ると、もうEゲージになっている。

そこで、オヤジは急きょ、燃料を入れるために老キリン始動!!で初めてガソリンを入れたGSへ向かうことにした。


「なあ。レディ!!あの時はマジでやばかったよな。新車が5分後に廃車。になりかかったもんな。」

「どうだ。あれからオヤジは君に少しは認められるようになったかい?」

 

 レディは沈黙したままだ。


 GSに着いたが、いつも親しげに寄ってくる店員はこっちを見ているだけだ。

 オヤジはおもむろにヘルメットを脱ぐ。

しかし、店員は恐ろしそうに遠巻きにこちらを眺めているだけだ。


 クーーツ。これだよ!この感じ!!このバイクを乗っている奴は近寄りがたい。というこの感じの為にオヤジはレディを買ったんだよ。


 オヤジはその店員を見て、ニコリとしてペコリと頭を下げた。その途端、店員はようやく近寄ってもいいんですか?オーラーを出しまくってオヤジに寄ってきた。

「いやーーー。オヤジさんなんですね。。いきなりの大型バイクでビックリしました。」

「普段はめったに乗らないんですが、今日はちよっと走りたい気分で。」(まったくのウソだよーーん。)


「それでは、また。」


フォオン!!フォオン!!

 レディは軽く周りを威嚇するように走りだした。


 みんなが見ている。やはり、大型バイクの威厳を見せなければいけない。


  オヤジは軽くアクセルをあおり、

そして、2速に入れた途端、いきなり急加速!!

オヤジはシートから引きずり落とされそうになった。


(グハッ!!こぇええーーーー。やはり、レディはマジでこぇええーーーよ。)


 


   それは、一ヶ月もレディをほっぽったオヤジへのレディの軽い復讐であった。








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