キリンに憧れてⅡ プロジェクト・レディ3 -助っ人ー | クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

TYPE Rの称号を与えられなかったもう一つの悲運の車

 昨日の5日と今日の6日は連休であったので、何とかプレハブの基礎作り(水平出し)を行うことにしたのだが、昨日の5日は午前中に用事、午後からは記録的な大雨により、まったく作業ができない状態となった。


 そこで、今日、6日中にプレハブの基礎作りを終えたい。という妙なあせりをオヤジは感じていた。


 今まで猛暑だったのが昨日の大雨で外は朝から心なしかひんやりとしている。

外での作業には絶好の機会だ。

 

 今日は10時から強力な助っ人がくる。おまけに秘密兵器も用意している。とオヤジは密かにほほ笑んだ。


 強力な助っ人。それは、前回クラッシックカー・フェステバルにキャンカーで一緒に行った友人Iだ。

 

 事の起こりはこうだ。


トルルルル。トルルルル。(携帯の呼び出し音。)


「もしもし。Iか?オヤジだけど。」

「ああ。オヤジか。いったいどうした?」

「実はプレハブの基礎出しを、5日と6日にやりたいのだが、悪いがどちらかの日に手伝ってくれないかな?」

「5日と6日かぁ?その日は・・・」心なしか気のない返事である。

「フフフフフ。俺はブログをおこなっている。その為にデジカメはかかさずに持っている。」オヤジはニャリと笑った。

「それがいったいどうした?」

「実は俺はキャンカーで一緒に泊まった時に、お前の寝顔を撮っている。」

「手伝ってくれないと、全国の読者にお前の寝顔を・・・・」ヒッヒッヒッと笑う悪魔のオヤジ。

「クーーツ。ひ、卑怯な。しかし、その日は・・・」と、まだ迷っているに、オヤジはとどめのセリフを。

「ねぇーーん。Iクーン。俺のブログは全国ネットだ。」今度は甘い声で

「今度、君の自慢のZGを俺のブログの全国の数多い読者に(ヒヒッまったくのハッタリだよ。)見せようかと思っている。」


 その途端、Iは先ほどの態度と打って変わって、


「ハハッ!!オヤジ様!!私くし、めは6日の朝10時より、オヤジ様の為に力の続く限り、土建業をいそしませて、頂かせてもらいます。」

「よきにはからえ。」


 昨日の記録的大雨のせいでプレハブの地盤が緩んでいなければいいのだが・・・・一抹の不安を覚えオヤジは先達の「雨降って地固まる。」という教えを信じて友人Iが来る前の9時からオヤジは作業を開始した。


キリンに憧れて 第二部


キリンに憧れて 第二部

 予想道理にプレハブの基礎は、昨日の大雨で地面に埋まっている。

友人Mのアドバイスを受けて、除雪機を外に出しプレハブの軽量化をはかる。


キリンに憧れて 第二部

  そして、今日の秘密兵器!!それは・・・・・・


キリンに憧れて 第二部

 ホームセンターで購入した428円の大きなコンクリートの平ブロックだ。


 はたして前回のように地面に埋まらずに、うまくプレハブは持ち上がるだろうか?

 キュルキュルキュル。


 オヤジは恐る恐るジャッキーをアップさせた。

はたして・・・・・


すこしづつであるが、確実にプレハブは持ち上がっている。


「やった!!持ち上がった!!」


 友人Iが来るまで、オヤジは前回のジャッキーアップで持ち上がらなかった2ヶ所のブロックの基礎出しを終えることができた。


10時になり

「オヤジ様!只今、私くしIめが到着いたしました!!」Iは規則正しく、オヤジに敬礼を行った。

「おおっ!Iか待っていたぞ。早速、作業にかかろう。」


 力技で作業を行うオヤジと、理論的に作業を行うI。タイプの違う二人により見る見るうちにプレハブの基礎出しが出来ていく。


 おもえば高校時代、オヤジは進学コースに友人Iは就職コースでと学んだ二人であるが、実社会に出ると、高校時代の学問はまったく無意味であるという良い見本である。


 昼ごろにプレハブの基礎出し(水平出し)を無事に終えた二人であった。


キリンに憧れて 第二部


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  手伝ってくれたお礼にに昼飯をおごり、これからどうしょうか?という時だ。

「ねぇええーーっ。オーヤージーーーィサーーマーーー。」と、甘えた声ではオヤジににじり寄る。

「おおっ。わかった。ZGだな。」

ということで、昼からは急きょ自慢のフェアレディ240ZGを見に行くこととなった。



キリンに憧れて 第二部




キリンに憧れて 第二部



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デロデロデロデロ。

 

 と旧式のキャブを搭載した240ZGは凶暴な排気音を放ち、オヤジの元に現われた。



「少し走らないか?」 と、友人Iはオヤジを240ZGとのトライブに誘った。

「おおっ。いいのか?」


 


 デロデロデロ!!

ギャアアーーーアア!!ゴギャーーーーア!!


 初めて乗った240ZGは、湾岸ミッドナイトのイメージどうりの走りをオヤジに見せてくれた。

 

 ガッガッガッ!!


 路面は乾いてはいたが、雨上がりの後に泥がボディに当たるような音がうるさく響いた。

 

 地面からの振動がひどい。心なしか240ZGのボディが右に左に揺れている。

  シフト・アップの度にシートに体がたたきつけられる。

 そんな震えるボディを豪快に抑え込みながら走るI。


体感速度は120km以上か?


「おい。Iそんなに飛ばさなくていいぞ。」あまりのうるさい音とスピード感にオヤジはたまらなくなり、スピードを落とす事をに求めた。

「オヤジ。飛ばしてるって、まだ80km/hもでていないぞ。」

「えっ?80km/h!!」

 

 その時、一般大衆車がすごい勢いで240ZGを抜かしていった。


「・・・・なあ。I。も、もしかしてこのZGって遅いのか?」オヤジは恐る恐るに聞いた。

「あはははは。こいつは震動がひどいし、音がうるさい上に遅い車だ。」

「おまけにパワステも無いから、腕がパンパンになる。だから1時間ものっていたら非常に疲れる。」

「それって、オヤジがレディに乗っている時と同じじゃん。」

「だって、俺達はオヤジというより、もうジジイという歳だぞ。」

「そうか。もうジジイか。」


と、小1時間ほど240ZGの走りを楽しむ二人であった。



キリンに憧れて 第二部


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 240ZGのドライブを終えてオヤジはにボソツとつぶやいた。

「なあ、I。この時代の車やバイクってみんなこうだったんだよな。」

「ああ。この時代の車やバイクは、今のように高度な燃調や足回りではなかったから、暴力的な加速に耐えて暴れる車体をねじ伏せて走らせていたんだ。」

「当時、こいつは300を狙える車だったんだよな。」

「ああ。ノーマルから、さらに何百万円もかけて、漢(おとこ)達はとびっきりのスピードを求めたんだ。」


 「そうか。この時代のスピードを愛した漢(おとこ)達に乾杯だ!!」と、オヤジは当時、暴れる車体の恐怖に耐えながらスピードを求めた漢(おとこ)達の心情を思った。 



   

 うわーーっ!!ガレージネタから、やはり最後は車ネタに変わっちゃったよ。


            _| ̄|○  ガックシ!!