キリンに憧れてⅡ プロジェクト・レディ2ー焦燥ー | クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

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TYPE Rの称号を与えられなかったもう一つの悲運の車



  富良野のクラッシックカー・フェステバルから帰ってきたオヤジの次のミッションは、プロジェクト・レディ(レディのガレージ計画)の着工である。


 大きく傾いたプレバブのハウスの基礎(水平出し)を、即急に行わなければいけない。


  6月の28日にその時は来た。


 その日はここ、北海道でも朝からの猛暑で、正直この日に基礎工事を行うことは躊躇われたのだが、工事請負人はオヤジ一人なので、(つまり自分一人なので)いつまでもだらだらしていたら始まらない。


 ます、傾きを見る。メジャーで図ると、10センチ以上は前側(道路側)の方が高い。しかも片方はブロックが2段重ねとなっていて、非常に危険である。


  結局、10時頃から始めたのであるが、3.5トンユニックにも難攻不落であったプレハブはオヤジの持っているジャッキーでは一筋縄ではいかなかったのだ。
キリンに憧れて 第二部

 普通、、地面がコンクリートの上に置かれるプレハブは地面にそのままジャッキーを入れてアップさせると、簡単に持ち上がるのだが・・・・・

 ここは、なんと地面が柔らかいため、ジャッキーを入れるために、さらに穴を掘り固いブロックをしいてジャッキーアップをしていったのだが・・・・・

 

 恐ろしい事に、ジャッキーは動いているのだが、プレハブ自体は全然浮いてこないのであった。

 ジャッキーの下にひいたブロックごと地面に潜り込んでいくのだ。

 

 チリチリと照りつく太陽。作業開始から早くも汗が滝のように流れ、オヤジの体力は見る見るうちに減っていく。

 次第に体力を奪われたオヤジは、ジャッキーアップの事に一休みを繰り返して、体力の回復を待っていた。

 また、何回かジャッキーが傾き始めたので、その都度作業を中断し、再度地面を平らにならしてやり直す。という繰り返しの連続である。


 はるかかなたから、クゥオーーーーンというバイクの気持のよい音が聞こえてくる。


「なんで、こんな暑い時にバカなことをやっているんだオレは?」

「こんな日なんか、力仕事の作業なんてやらないで、のんびりとレディとデートでもした方が良かったんでないか?」と、なかなかはかどらない作業にオヤジは苛立ち始めた。


 「いや!違う!俺はこれからずーっとレディと生きるために、彼女のガレージを作っているんだ。けして無駄なことでは無い!!」

 再びオヤジは元気を取り戻し、作業を再開し始めた。


 


キリンに憧れて 第二部



  結局、後ろ側は全然持ち上がらず、オヤジはあきらめ、道路側の方のプロックを2段積みにしている、高い方を持ちあげてみることにした。

 わずかながら、こちらの方は地盤が固く、少しずつプレハブは動き、どうにかブロックを1段まで落とすことに成功したのた。


 こればっかりは、漢(おとこ)の基礎は、およその水平出しでOK!!とは言ってられないのだ。

 勉強でも、ガレージー作りでも基礎を怠えれば、だんだん大変な事になるのだ。


 そんな、こんなで、何とか水平近くまでプレハブを傾ける事に成功したときは3時間後の午後1時を過ぎていた。
キリンに憧れて 第二部


 「 やった。ようやく終わった!!」

 

オヤジはヘロヘロになり、もうスコップも持てないほど疲労困憊の果てに、基礎だしを終えて満足そうに、出来上がったプレハブを写真に撮ったのだが・・・・


 さいごの確認をした時に、後ろ側が持ち上がらないために前側を下げていくと、・・・・・なんとプレハブは地面にべたつきの状態であった。

 しかも後ろ側のブロックは全然効いていないのだ。


  

  結局、基礎だしではなく、単にプレハブを地面に下しただけの作業であった。

 その結末を知り、オヤジはその場にヘナヘナと倒れ込んだ。




        _| ̄|○


     

      ガックシ!!


  早くもプレハブの水平出しに苦戦するオヤジ!!次回、水平出しに強力な助っ人が・・・・はたしてオヤジのプロジェクト・レディは成功するのだろうか?




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