キリンに憧れてⅡ プロジェクト・レディ5 -カタパルト(射出口)ー | クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

TYPE Rの称号を与えられなかったもう一つの悲運の車

  さて、今日の休みはガレージの入口用の窓を、S車輌の社長の自宅から貰う為に、早速S車輌の元に窓を取りに行った。

 

 貰える窓は一般的な茶の間の大きさの窓と、かなり大きな窓の2SETである。また、サッシと窓の取り付けをする大工さんは後日、S車輌の社長が探しておく。ということで、お礼をして自宅に運んだのである。



キリンに憧れて 第二部

 ここに、このサッシと窓を入れてレディのカタパルト(射出口)にする予定である。


 自宅に置いた大きな窓を見てかみさんは、

「この倉庫にこの大きい窓を取り付けて、バイクを入れるんでしょう!!」

「自分でやって、きちんと出来るの?倉庫を壊したら、もう2度と元に戻らないのよ。そんなことだったら、きちんとしたショーウインドウ用の倉庫を買ったら?」

(オイオイ。買うって言ってもそんなお金なんかどこにもないだろう。)

 と、いきなり朝から不安をあおる言葉をオヤジに投げかける。




 壁を壊す事から窓の取り付けを大工さんに全部任せると、工賃も高くなるので、今日は内壁だけでもはずすことにした。


 プレハブの中の構造が全くわからない状態なので、まずは内壁の1枚をマイナスドライバー、バール、ニッパ等を使って慎重に外し始めた。
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 たったこの1枚をはずすだけですでに1時間が過ぎた。まったく今日1日で内壁は外すことはできるのであろか?

 そして、最大の難問は壁に鉄骨が入っていたら、もうお手上げ状態である。

不安が横切る。


 しかし、最初の1枚をはずすと、大体の構造が分かってきたので、内壁は昼前にはすべて外すことができた。
キリンに憧れて 第二部


 思ったとうりだ!!

 壁の中には補強の鉄骨は入ってはいない。この木は単なる内壁用に使われている下時用だ。

 これなら、自分でも窓枠用のサッシが取り付け出来る。その為、一応自分でサッシを入れてみる事にした。


 昼からは外壁のサイディングの取り外しを行おうとしたのだが、しかし、どこを見てもはずすところがない。

 唯一わかるのは、角に付いているL字型の金具を外したら外壁のサイディングが外れるということである。

 昼食後に、ネットでプレハブの外壁のはずし方を調べたが、全然わからなかった。


 そこで、オヤジは困った時の力技に出た。


バールでL字型の金具をあおり、両手で力任せに引っ張ることにした。バールで隙間が出た金具は、オヤジのバカ力で少しずつであるが、外れかかった。

「うぉおおりゃや!!」と掛け声とともに、L字型の金具はグニャリと曲がり、プレハブから引き離された。


 L字型の金具が外れた後の外壁のサイディングは、クギで数か所止まっているだけであった。

「ランランラン♪♪♪楽勝♪楽勝♪」と、1枚目の外壁のサイディングをはずしたオヤジの元にその時、携帯がけたたましく鳴り響いた。


「もしもし。オヤジか?」

携帯の主は前回からオヤジと行動を共にしている友人Iであった。

「今日の昼から暇か?」

「いや、今、ガレージの出入口を作っている。だから暇ではないんだが・・・」

「いったいどうした?I。」

 

 まったく自分の用事の時は脅かしてまで手伝いをさせ、Iの用事がある時は断る身勝手なオヤジである。



 「実は昼から車を取りに北見まで一緒に走って欲しかったんだが、駄目だったか。」は少し残念そうであった。

「その会社は夕方までやっているのか?」

「ああ。夜の7時までやっている。」

「そうか。それなら、これから窓枠を取り付けるから、夕方なら走れるぞ。」

「おお。そうか!!それなら、俺も今、手伝に行くよ。」

「そうか。それは助かる。よろしく頼む。」

 これで、うまくいったら窓枠を取り付け、後はブルーシートをはって、次回の休みに外壁を張ることができる!!


 外壁を全部はずしたころに、友人Iが手伝いに来てくれた。

「おおっ!!待っていたぞ!!I!これで、今日は窓枠を取り付けまでは出来る!!」

「しかし、良く今日が俺の休みだってわかったな。」


 (ひょっとして、I、お前はストーカーか?それとも、俺に惚れているな!)と、オヤジがまた勝手に妄想していると、

「何を言っている。先日、お前が手伝って欲しいから自分の休日を俺に教えていただろう。」

(チッ!!なんだ。そんなことだったか。)



 いつの間にかオヤジは大工さんに窓枠を取り付けしてもらうことを忘れ、完全に自分で取り付けすることにしていた。


 友人Iが手伝いに来てくれて、窓枠の取り付けは驚くほど早く出来上がった。


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 時間はまだ2時30分ほどである。今日の予定はこれで終わりであった。


 次回の休みに外壁は違う素材を取り付けることにしていたのだが、の意見もあり、急きょこのまま外したサイディングを加工して、再び取り付けすることにした。

 幸いな事にオヤジの元に10年前にこの家を買ったときに自分で、サイディングを4枚ほど貼り直したときに使った、サイディングの切断用丸のこがそのまま残っていた。

 うまくいけば、サイディングを切断することができる。
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 最初はオヤジの手伝いに回っていたIであったが、いつの間にか主導権を握り、自分でサイディングの取り付けをし始めた。

 日曜大工はやはり手伝いがいると楽しんで出来るのが良い。
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 友人Iの急遽の手伝いあって、午後4時頃に無事にレディの出入口用の窓枠の取り付けは完了した。


 本来はこれで完了でも良かったのだが・・・・オヤジのプロジェクト・レディはさらに次のステージに・・・・
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次回は、この大きい窓枠をこの壁に取り付け、レディを完全に家から見えるようにしてショ-アップする予定である。


 はたして、プロジェクトレディは完結するのであろうか?

 そしてレディはオヤジの元で完全に盆栽バイクと化するのであろうか?