キリンへの道ー大型自動2輪への挑戦 20年前のリベンジー | クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

TYPE Rの称号を与えられなかったもう一つの悲運の車

 7月の後半からの大型自動2輪の練習は、途中で家族でキャンピングカーでの旅行などが入り何回かの休みをつぶしながらも9月の頭に入っていた。そんなある日、教官から「10日にどうだい?試験を受けてみる気はないかい?」と声をかけられた。

 僕は今ではこのナナハンを操る事を苦も無く行ってきたので、「はい。よろしくお願いいたします。」と答えた。

 そして、次の時間は卒業できるかの見極めの時間となった。つまり、教官ナナハンの後をついていけば良いのだ。

 20年前の苦い記憶が蘇る。あの時は、ナナハンに乗りながらも教官の後をついていくどころか、400ccに乗った教習生からも大きく引き離され、全然みんなの走りについていく事が出来なかったのだ。

 こんどこそ。あの時のリベンジだ!!

 教官の抑えた走りもあったが、結果は僕としては上々であった。教官は路上コースどころか、変則的なクランクや三角コーナーではレーサーさながらにバイクを倒しすり抜けていった。僕もそれにつられ調子に乗り教官の後をついていく。

 そしてどんどん路上をはずれて、狭いわき道、草地、砂場など平気でバイクはスリップをしながらも走り出した。

 一度だけ狭い道でUターンが出来なくて転倒をしたが、今まで決まった道しか走れなかった僕には楽しくてたまらなかった。

「どう?怖かったかい?」

「いやあ。今まで決まった道しか走れなかったので、結構楽しかったですよ。」と僕は強がった。

 そして、10日に僕の卒業検定が決まった。