練習は路上コースも覚え、波状路も難なくこなし最後の難関の急制動の課題になった。
外周でバイクを40キロまで急加速して指定された距離で止まらなければいけないのである。
「毎年、何人かは50キロ以上を出して止まれなくて、脱輪か壁に激突しているんだよね。ケガだけは注意してね。」と教官は更に「50キロ以上出したら僕達もまず止まれないな。」と含みのある笑いをした。
予想に反して急制動は僕にはすんなり出来た。いつも高速で通勤している僕には40キロは徐行の感覚で、気をつける事といったらフロントのブレーキの入れ具合で、ましてエンジンブレーキをかけて減速しながらのブレーキなので、最初から全然苦も無く課題をこなす事ができた。
教官は悔しがって、何本目で止まってと色々と注文してくるが、それも難なくこなして行った。
しかし・・・・それが後で大きな命取りとなったのである。