キリンへの道ー大型自動2輪への挑戦 こんな課題なんか一般道路にあるわけが無いー | クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

TYPE Rの称号を与えられなかったもう一つの悲運の車

 外周もようやくこなし、2輪専用の課題に入ったときであった。一本橋、S字、クランクと進んでいったのだが、ようやく僕は昔のカンを取り戻し、S字、クランクをなんなくこなし始めた。S字は問題なく・・・クランクは右折した後、途中で左折にウインカーを切り替えると必ずパイロンにぶっかるので、クランクに入った途端にさっさとウインカーを切り替えるという荒業に出て、何とか無事に走行することができた。

 問題は一本橋。座った状態で幅30cm、高さ5cm、長さ15mの橋のようなところを10秒以上をかけてわたらなければいけないのだが、最初は何度行っても脱輪し、まともにわたる事が出来ないのだ。

 この1本橋は基礎練習の大半の時間の間で苦しめられた。たとえ渡れたとしても、長くて5秒もいかないで渡りきってしまうのだ。

 教官の話では、幅30cmをジグザクにするように渡るというのだが、どう考えてもそんなことをしたら脱輪してしまうのは明白であった。

 「こんな課題なんか一般道路にあるわけが無いじゃないか!!」僕はふてくされながらも何度もチャレンジを行っていた。

 ある晩、一本橋で悩んでいたら名案が浮かんできた。「ネットだ。ネットでコツを調べればいいじゃないか」20年前はそんな事もできなかったが今はインターネットという便利なアドバイザーがいるのだ。

 ネットで一本橋のコツを調べていくと、要点は4つ。

①一本橋に行くまで少し速めに走り車体を安定させる。

②橋に乗ったら後ろブレーキを軽く踏みスピードを落とし半クラでエンジンを調整させ   る。

③視線は出口に向けると車体は安定し、自然と幅30cmをジグザクになって走行していく。

④とにかく渡りきる。10秒きっても減点だが、渡り切らないことには話にならない。


 このコツを覚えてから、僕は一本橋は10秒以上で渡れるようになり、調子のいい時は15秒ぐらいで渡れるようになった。

「ワッハッハ!!これでもう課題で怖いものは無い!!後はコースを覚えれば完璧だ!!」と自信に満ち溢れたオヤジがそこにいた。


しかし、その後にとんでもない伏兵があるのはまた後のお話。