キリンへの道ー大型自動2輪への挑戦 バイクはうまい奴が尊敬される。- | クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

TYPE Rの称号を与えられなかったもう一つの悲運の車

 教習2日目の時だった。初めて、一緒に練習する人と出会った。その人は20代ぐらいで自分よりもはるかに若い子であった。

 「おはようございます。もう、たいぶ乗られているのですか?」僕は自分からその子に声をかけた。

 その子は僕を一目見て、また運転のヘタクソなオヤジがバイクの免許を取りにきたのか?という感じで、「まあ、1週間ほどね。」とうるさげに答えた。

 

 バイクに教習が始まった途端、彼はヨンヒャクに、僕はナナハンの教習車に足を向けた。

 その時間、彼は2輪の課題の1本橋やスラロームを行い、僕は相変わらず外周を走っていた。

 1時間めの教習が終わり休憩時間になった。

彼は「大型の免許を取りにこられたんですか?」先ほどの態度とはうって替わって、僕に敬語を使って話しかけてきた。

 「まあね。だけど二十数年ぶりに運転するから、まだうまく走れないね。」と僕はさもバイクで走りこんだ人のように答えた。

 バイクは良い。会社ではすでにドロップアウトしてうだつの上がらない僕であったが、バイクは、オヤジであろうが、女の子であろうが単純にうまい奴、排気量の大きいバイクを操る人が憧れの対象になるのだ。