キリンへの道ー大型自動2輪への挑戦  二十数年ぶりにバイクに乗るー | クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

TYPE Rの称号を与えられなかったもう一つの悲運の車

 入校してから1ヶ月程月日が経ち、あの申し込みは幻だったのか?と思われた時に、いきなり自動車学校から教習日の連絡が入った。そして、僕の大型自動2輪の挑戦が始まった。

  初めての教習でナナハンに乗った時は今でも鮮やかに覚えている。20代で中型免許を取ったときは、自動車学校でも誰もが皆、苦労をして免許を取っていた。僕の友人は教習中に教官とケンカをして、教官の目の前で教習用紙を破り捨てて止めていった。

 僕もいつになったら試験を受けさせてくれるかと教官にくってかかって試験を受けて中型免許を取ったクチだった。

 そんないやな思いをまたするのか。と思い、半分入校した事を後悔しながら学校に向かった。

 初めて教官と会ったときに、「君は今年入校した人で2番目に年を取っている人だが、悪いけど時間もお金も若い人よりもかなりかかるよ。」と一番先に言われた。

僕は「かまいません。今年中に取れたら良いと思っています。」と覚悟を決めた。


 そして、教習車のホンダのナナハンに跨り、エンジンをかけ始めた。

「運転は覚えているかい?」

「多分、覚えていると思いますが、何せ二十数年ぶりの運転ですから・・・」不安げに答える僕。

 そして、クラッチを放した途端にナナハンは大きくフロントを持ち上げた。