残業代請求、労働問題に取り組む弁護士  -44ページ目

給料は相殺できない


ある会社の社長から1つ相談を受けました。

「うちの従業員が会社の車で事故を起こしたので、給料から差し引いても問題がないか?」

回答は「問題大ありです」


まず、業務中の事故は飲酒運転でもしていない限り、常に起こりうるものです。

人間はミスをする生き物ですから、責任をすべて従業員に押し付けることは認められていません。

また、仮に、事故の責任が100%従業員にあっても、その損害賠償と給料を相殺することは法律違反になります。

賃金は直接、全額を支払わなければならないと法律上決まっているからです。

ここのところは、「じゃあ従業員が会社の金を盗んだときも相殺できないのか!」と会社側の依頼者の方は憤慨なさることが多いのですが、法律は給料は払った上で、別途損害賠償してくださいというのが法の建前なのです。

もちろん、従業員が納得した上でなら相殺すると合意することはできますが、一方的に会社から相殺をすることはできないのです。