(N212)リニア中央新幹線について | BLUEのブログ

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スケールのでかいオレの投稿

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さて、今日は「リニア中央新幹線」に関する内容を投稿します。

 

 

冒頭の写真は2005年の『愛・地球博』へ行った時に撮影したものです。この時はまだ「夢の電車」と言われていました。それが今となってはルートも決まってるわ、実験線以外の区間も着工してるわでかなり現実味が増している感じが強くなっている次第です。

 

現に静岡県の川勝前知事が大井川の水問題を背景にリニアの着工を認めなかったのが問題となり、4月に辞任となった事は記憶に新しいと思います。それは、日本国民にとってリニアが身近な話になった証拠と言えるでしょう。

 

なお、次の静岡県知事は前浜松市長で推進派の鈴木康友が選出されましたので、今後は話し合いをしながら全区間着工へ向けての協議が進んでいくでしょう。

 

【選挙結果下矢印

 

さて、リニア中央新幹線2027年2033年度(2034年1月)以降に先行区間として品川~名古屋が開業します。すでに下の写真のように非常口などの工事が進められており、使用される車両も発表されております。

 

 

品川~名古屋は286km(新大阪までは438km)で、運行主体は東海旅客鉄道(JR東海)、全線複線の交流電化(33kV)となる予定です。さらに最速で2037年には新大阪駅まで延伸する計画となっています。なお、山梨県の一部区間は既設のリニア実験線を活用する事になっています。

 

 

なお、運転形態はノンストップの「のぞみ」タイプと、各駅停車の「こだま」タイプの2つが出ると予想されています。

 


 

リニア中央新幹線の路線データは以下の通りです。

 

【路線データ】

 

【全体マップ下矢印

 

リニアモーターカー自体は1977年から宮崎県で走行実験が始まり、1979年には最速517km/hでの走行を実施しています。その後はリニア中央新幹線の建設を見据え、1996年に山梨実験センターへ役割を移しました。

 

山梨に作られたリニア実験線の実験結果は良好だったようで、2010年辺りから旅客営業へ向けての準備が進みました。そして、2015年から先行区間として品川~名古屋の工事が静岡工区を除いて徐々に始まっていきます。

 

  ルート概要

 

ルートの大まかな内容は次の通りです。なお、先行開業区間の品川~名古屋のみの記述となります。

 

【東京都区間】

 

まず品川駅を出るところからスタートします。少し南へ進んだ後に西へカーブし、そのまま多摩川まで直線で進みます。

 

なお、この区間は全て地面から40m以上の大深度地下を通るルートです。

 

【神奈川県区間】

※上の写真は田園調布学園大学付近にある非常口工事現場の様子。

 

多摩川を渡り、神奈川県に入ります。川崎市・町田市は全て地下を走るため外の様子は確認出来ません。

 

やがて境川を渡った後に地下3階の橋本駅に到着します。その橋本駅では南口を中心にものすごい工事の様子が見られます。

 

相模川を渡る時に初めて地上へ出て、車両基地へ向かう線路と分かれて再び地下に入り山梨県に入ります。

 

【山梨県区間】

※上の写真は富士急行線の田野倉~禾生で撮影したリニア実験線の様子。

 

山梨県内はリニア実験線の線路をそのまま使い、富士山が見える地点で地上に出ます。

 

なお、甲府盆地内は地上区間です。新甲府駅は地上駅であり、外からも出発の瞬間を見る事ができるでしょう。

 

富士川を越えて7~8km進むと地下に入り、いよいよ南アルプス越えとなります。

 

【静岡県区間】

 

南アルプス越えのトンネルでは途中、静岡県(というか静岡市葵区)の最北部を10kmぐらい通ります。そこではトンネルと標高の差が最大1400mに達します(参考として上越新幹線の大清水トンネルは最大1300mの差がある)。

 

この区間は現時点で唯一の未着工区間です。理由は川勝割愛。

 

【長野県区間】

 

長野県に入ってもしばらくトンネルは続きますが、新飯田駅付近だけ地上区間となり、駅も地上に置かれます。

 

飯田~中津川は戦前から計画されておりましたが1989年に工事中止となり、実に40年越しの鉄道開通となります。

 

【岐阜県区間】

 

この区間はほとんどがトンネルですが、美乃坂本駅はすぐ東に車両基地を作るため地上駅になります。

 

東海環状自動車道(国道475号)をオーバーパスするところが最後の地上区間です。

 

ただ、最近になって瑞浪市のトンネル工事現場付近で水枯れが発生した模様で、現時点では一部の工事を中断しています。そういえば外環でも陥没とかで工事が止まった話を聞いたな…。

 

【愛知県区間】

 

愛知県内は大深度地下にて建設され、上の写真にある名古屋市役所の直下も通ります。

 

終着の名古屋駅は地下30mに作られるそうです。

 

  

 

そして、各都県(静岡県を除く)にそれぞれ1つずつ駅が設置されます。次が一覧で、ここでは名古屋~新大阪についても説明します。

 

◆品川駅

  • 東京駅から6.8kmのこの位置に0kmポストが置かれる。
  • 地下駅となる予定で、深さ40mは設置駅で最も深い。

◆橋本駅

  • 地下に作られる。駅名変更の可能性は低い。
  • この計画に伴い、現行ホームを地下へ移設する予定がある。こうなると京王相模原線の津久井・相模湖方面延伸の可能性が再浮上するものと思われる。

◆新甲府駅(仮)

  • 地上に作られる事が決まっている。
  • 身延線の小井川駅から東へ進んで約3kmの位置を予定している。

◆新飯田駅(仮)

  • 地上に作られる事が決まっている。
  • 飯田線の伊那上郷駅と元善光寺駅の中間ぐらいの位置を予定しているが、在来線の新駅は設けられない(成田スカイアクセスの成田湯川駅のような感じか)。

◆美乃坂本駅

  • 地上に作られる事が決まっている。
  • 現行では「美乃坂本駅」となっているが、マイナーな地名のため「新中津川駅」へ変更の可能性が高い。過去の変更例として、北陸新幹線の脇野田⇒上越妙高駅や、北海道新幹線の渡島大野⇒新函館北斗駅がある。

◆名古屋駅

  • 通称は「名駅」で、距離は正式には285.6km。
  • 地下に作られる予定で、西口では2031年度末の完成を目指して再開発が進んでいる。

◆亀山駅

  • 関西線は当駅より西がJR西日本の管轄となる。

◆学研都市駅(仮)

  • 大まかには奈良市付近(学研都市周辺)とされているが正確な場所は不明で、京都府南部になる可能性も0ではない。

◆新大阪駅

  • 地下に作られる事が決まっている。
  • 大深度地下となる見通しから、深さは40mと推定。
  • なにわ筋線は現在未開通(2031年春に開業予定)。
  • 将来は北陸新幹線に関しても終着駅となる予定で、山陽新幹線と直通する話もある。

 

  車両

 

車両基地は現時点で2か所設けられる予定で、相模原市緑区(宮ヶ瀬湖の北側)の関東車両基地と中津川市(美乃坂本駅東側)の中部総合車両基地に建設されます。

 

image

 

車両はL0系で、形式名は「リニア第1世代の車両」という意味合いを持ちます。現時点では900番台と950番台が落成しており、リニア実験線で試験走行を実施しています。スペックは次の通りです。

 

【L0系】

 

なお、L0系タイプのリニアモーターカーは運転手が必要なく無人運転が可能です。モータの構造上、1か所の地上制御室で車両を一括制御できるからです。

 

  ダイヤ

 

ダイヤは10本/時をベースとする見込みですが、ほとんどが「のぞみ」タイプでの運転で、品川~名古屋の中間駅はせいぜい「こだま」タイプが2本/時ぐらいだと想定されます。

 

そのためか、橋本~美乃坂本の各駅には売店などは設置されないそうです。

 

表にするとこんな感じになるでしょうか。

 

 

  運賃・所要時間

 

品川~名古屋は最速40分(新大阪までは67分)で結びます。現行の「のぞみ」でも東京都内から名古屋までは1時間半、新大阪までは2時間半ぐらい掛かる事を考えれば、いかにリニアが速いかが分かるでしょう。

 

【所要時間】

  • こだま」タイプは名古屋以西を省略した。

運賃は「のぞみ」を基準にするとしており、全席指定席になる事が予想されます。現行ベースで予想される料金はこんな感じでしょうか。

 

【料金】

  • 上段は普通運賃、下段は指定席特急料金とする。

 


 

蛇足ですが、このリニア中央新幹線北海道新幹線北陸新幹線のような整備新幹線」の扱いではないので、当然260km/h制限を受ける事がなく、かつ在来並行線(中央線)の第三セクター化もないので安心して下さい。

 

今日はこれで終わります。写真は増えるたびに追加する予定。リニアがもし新大阪駅より西へ延伸するとしたらそれこそ四国・九州方面へ……でも、それよりは品川駅より東の東京駅あるいは成田空港方面への延伸が現実的か。

 

つづく