梅雨に入ったような、ぐずついた天気が続いていますが、先週、お月様のない時間に、少しだけ雲がなくなったので、夏の天の川の一部を、とてもオーソドックスな構図で撮ってみました。
焦点距離100mmマクロレンズで、APS-Cの縦位画角にて、バンビの横顔付近を干潟星雲からイーグル星雲までの撮影です。やっぱり、定番構図は素晴らしい絵になりますね。
主な見どころの説明を、PixInsightで Annonate してみました
上(北寄り)の部分は、前回、380mmフルサイズカメラで撮った部分です。
真ん中あたりのバンビの横顔は、昨年380mmの同じ条件で撮りました。
下右寄り(南西寄り)の部分は、一昨年530mmの直焦点距離で撮っています。
ここを正方形でトリミングすると
干潟星雲から猫の手星雲、三裂星雲(パンジー星雲)あたりですね。これも素敵な定番構図です。
バンビの首元から胴体あたりも拡大してみましょう。
首飾りの紅くて丸いのが、IC1284 (Sh2-37)。ぶら下がる二つの蒼い玉が NGC6590 と NGC6589 と思うんですが、PixInsight の Annotated されたデータは、ちょっと違う? 小さくて表記しきれないのか? どうも、NGC6590 と NGC6595 は同じもののようです。
この画像の説明は、オリジナル手書きで付けて、表示してみましょう。
Sh2-37、Sh2-35、Sh2-34 も追記してみました。バンビの首の前面付近に広がる赤っぽいところがあります。この一部の黄色四角ぐらいの範囲が Sh2-35 らしいのですが、特別に赤くなっているところはよくわかりません。この画像の緑色楕円ぐらいの範囲は、Sh2-35 に関係する散光星雲のように思えますね。右側のほんのり赤くなっているところは、Sh2-34 でした。現像中は、カブリかと思っていました。忘れられた星雲 (The Forgotten Nebula) とも呼ばれるぐらい淡い紅い輝きのようです。Sh2-35 と Sh2-34 は、構造が繋がっているとの説もあるようです。そう言われると、連続して見えてきませんか?
備忘録: (以下、個人的な覚書 専門的な内容なので、綺麗な写真の鑑賞が目的の方はスルーしてね)
撮影データ:
AXP赤道儀 + N.I.N.A. コントロール
オートガイド PHD2 + QHY5L-II + KOWA LM100JC
レンズ: キャノン EF100mm F2.8L マクロ IS USM (焦点距離 100mm F2.8)
光学センサー: ASI2600MC_Pro ( cooling -10℃)
フィルター: HEUIB-II
gain100 60sec 93コマ (総露出時間 93分間)
2025年5月22日の夜 自宅にて雲の切れ間に撮影
画像処理: PixInsight、Photoshop 使用
この夜、SCWでは、午後10時すぎから雲が薄くなって、3時ごろまで快晴となる予報予報
お月様は、午前2時前には昇ってくる予定 南中するのもこの頃のはず
午後11時ごろ、天頂付近から雲が薄くなってきたのを確認して、
慌てて赤道儀にカメラセットを据え付けた
明るい恒星でピントを合わせて、PHD2のキャリブレーションまで実施
低空にはまだ雲が多く、アンタレスがなんとか目視できた
NGC6567を中心に縦位で画角を設定して、あとはNINAに撮影を任せて就寝した平日の夜
日付が変わるごろから撮影が始まり、撮影できたのは99コマ 雲で捨てたのは初めの6コマのみ
カメラレンズ+ワンショットカラーカメラならではの機動性の高さを感じた