- 基礎コース商法〈1〉総則・商行為法/手形・小切手法 (基礎コース法学)/新世社
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総則商行為と手形小切手の入門書あるいは概説書です。
上記2科目がコンパクトな分量で解説されています。
総則・商行為と手形・小切手、この商法の2分野は試験的な重要性が低いです。
そのため、なるべく薄いテキストで済ませてしまいたいと考える受験生が多いです。
そういった事情からでしょうか、これら商法のマイナー2分野を一冊にまとめた本書には一定の需要があるようです。ときどき使っている人を見かけます。
しかし、本書はそういった受験生の需要にしっかりと応えてくれるテキストではないと思います。
横書きでカラフルな、一言でいえば予備校本みたいなレイアウトで一見読みやすそうに見えますが、内容的には入門書としての役割を半ば放棄するかのように、不要な学説紹介をやり過ぎています。
学説紹介に分量を割いてしまっている分、基本事項の説明はとても薄いです。
したがって、見た目の分かりやすそうな印象や、本自体のコンパクトさから想像されるほどには、本書は分かりやすいテキストでも、取り組みやすいテキストでもありません。
試験対策として不要どころか贅肉になってしまう部分があまりにも多いので、入門書として本書を用いるのはおすすめできません。
おすすめ度⇒C
【番外編】 総則商行為&手形小切手分野の入門書について
総則商行為
入門書は特になくても問題ないです。
入門書を読まなくても、短答六法などで逐条的に制度をおさえていけばそれで足りると思います。
あとは問題を解きながら、基本書あるいは辞書として近藤テキスト を参照すれば十分です。
総則商行為は、条文や概念に特別な理解を要するほどの込み入った関係がありません。
どうしても入門書が欲しい方は、テキストは何でもいいと思うので、好きなものを選べばいいでしょう。
手形小切手
現代商法入門 の手形部分や、柴田講師 のS式生講義 の手形部分がおすすめです。
両方とも、入門書として非常によくできています。特に後者は分かりやすくておすすめです。
総則商行為と違い、手形小切手は理論的に込み入っていて、特に入口が難しいです。
したがって、入門書は一度はちゃんと読んだほうがいいと思います。
(もちろん、時間とお金があるなら予備校講座のほうがいいと思います)