海に沈む
黒く色の移り変わるあなたの瞳
覗き込むことを躊躇うくらい
僕の全てをつつんでしまう
限りなく深い愛と死の海
飲み込まれる恐怖と安堵感
口から毀れる言葉の意味など
無だと感じるほどあなたは深く
永遠に透き通るあなたの瞳
生きてきた時間の色が
僕の肺の奥から奥から
ぞくぞくするほど暖かい
限りなく光に近い死の血溜まり
痛むくらい生々しい愛の容
身体を重ねる行為の意味など
始めから無いくらいあなたは深く
イカレテル
耳元で愛を囁く悪魔は
僕の身体を優しく犯して
奥深く宿る心にまで
君の手が届いてしまう
触れられる恐怖と
触れて欲しい欲望に
苛まれながら
また新しい快楽の波に呑まれ
小さく息を漏らす
何度もお預けを喰らい
じれったくて仕方が無い
その視線だけで
僕の頭はイカレテルのに
君の甘くて痛いその瞳が
ただ僕だけを見ている
その手が少しでも身体に触れるだけで
何もかもがリセットされる
頭が真っ白になって
小さく息を漏らす
甘い血
深く噛み付く
離れたくないから
血は舐めとってあげるから
遠くへ行かないで
悲鳴に近いその声は
甘く喉を流れていく
傷は癒してあげるから
遠くへ行かないで
抱きしめればいい
それだけでいいのに
不器用な僕は
優しくすることすらできない
感じたことの無い熱が
目から零れ落ちる
君の首筋へと伝い
真っ紅で甘い君の血と
混ざり合う
深く噛み付く
僕の血もあげるから
お互いを飲み干してしまおう
だから
遠くへ行かないで