韓国映画に特有の情け容赦無さの大いなる勘違い!? 『ビニールハウス』 | GESHICOMのブログ

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久しく魂を抉られるようなディープな韓国映画

と出会えてなかったので、前評判からかなり期

待して観たけれどとんでもない紛い物だった。

 

ただ単にディープにすりゃあいいってもんじゃ

ない。『殺人の追憶』も『オールドボーイ』も

『コクソン』も、上っ面のディープさだけでは

なく、根底には魂を揺さぶる人間ドラマがしっ

かり息づいている。それに比べて本作は、どん

底の深さばかりを追求したような不幸の連鎖が

起こるのみ。

 

痛烈なメッセージはあるのかもしれないが、心

を動かすドラマが欠落している。

 

まあ、所々に面白いアイディアもあるにはあっ

たけれど、残念ながらそれらも現実の中に上手

く馴染めず、寧ろ寒々しさを助長させるばかり。

 

いったいこの監督は何を描きたかったのか?

 

ただ、奇跡的な不幸の連鎖を一身に背負うこと

になった主役の女優さんは、見事にどん底の不

幸を演じていました。

 

60点