エピソード 見城徹と覚醒 | “縄文の蘇り”&”ろくでもない世界”との決別

“縄文の蘇り”&”ろくでもない世界”との決別

第一ステップ:戦後の常識の徹底的な破壊(GHQの洗脳解除)
第二ステップ:弥生以降の常識の破壊(大陸思想の廃棄)
第三ステップ:奥底に眠っている縄文人DNAの起動

 

見城徹が小学校から中学2年夏まで

いじめに遭っていたことを取り上げました。

エピソード 見城徹といじめ

『高校入学は僕にとって大きな出来事だった。
これをきっかけに、
今まで「鬱屈」のほうに振れていた振り子が、
反対側に振り切れたのである。』
 
高校は海と山に囲まれた、青春ドラマの舞台に
なりそうな場所にあり、自然と心が開放されていった。
また、その高校はラグビーが盛んだったこともあり、
ラグビーに夢中になった。
 
『そして僕は自分の偏差値で楽に入れる高校へ
行ったので、成績がトップクラスになった。
 
このような条件が揃ったせいか、自然と
自分に自信が持てるようになり、
僕はやがてクラスのリーダー的存在になっていった。』
 
『僕の入学した高校は、まだ創設されたばかりの学校だった。
そういう高校をまとめあげていくには、
エネルギーのある、言い換えれば独裁力のある
校長でなければならなかったのだろう。
校長は50代前半の、かなり独裁的な人物だった。
 
入学して2ヶ月後くらいに、新入生の親睦をはかる目的で、
高校の中にあった宿泊施設で
2泊3日の合宿をすることになった。
 
その合宿で、校長先生とクラス全員が対話をする場が
設けられた。しかし、相手はなにしろワンマンの校長だから、
生徒たちはみな緊張して校長に意見を言うどころではない。
校長の話をただ黙って聞いているだけだ。
 
ところが、その話がいつまでたっても終わらない。
あまりにもしつこいと思った僕は、「はい」と手を挙げ、
立ち上がって、「校長先生の話はくどすぎます」
と言ったあと、こう続けた。
 
「あなたがこの高校を切り開いてきたことはわかります。
でもあなたの価値観を僕たちに押しつけないでください。
あなたは、いい意味でも悪い意味でも独裁者です。
独裁者であることを自覚してほしい」
 
校長は唖然として、僕をジロッと見たあと、
「お前、すごいな」
とだけ言って、僕をとがめるようなことはなかった。
 
入学早々こんな真似をする生徒は、
当然のことながら目立ってしまう。
しかし小学校や中学校のときのように、
いじめられるのではない。
 
今度は逆に、学年中が注目する
リーダー的存在になっていった。
僕は弁が立ったし、成績もいい。
模擬試験やテストの結果が貼り出されれば、
どの教科も常に1位から5位以内をキープしている。
 
ひ弱な秀才と違い、反抗的なタイプ。
だからみんなから崇められていった。
 
友人も多く、2年生、3年生になると、
それまでの暗黒の時代から一転、
学校全体のヒーロー的な存在になっていったのだ。』
 
印象に残ったことが3つ
 
まず、進学校へ行って下層にいるよりも、
普通の学校でトップクラスの方が精神上好ましいこと。
 
次に、入学早々で校長にあれだけのことを言ったとは、
私も、「お前、すごいな」としか思えません。
 
最後に、あれだけ大胆で強気の発言をする生徒が、
一年半前には同級生に殴られ抵抗もできない生徒
だったという、そのギャップの大きさ。
 
それで見ると、その両極端の二つの人格は、
全然別の人格ですね。
「本当の自分」が成長して、後天的につくられた人格を
克服したということです。
 
ですから、今の自分を見て、希望が持てないような、
どうしようもない自分だとしか見えないとしても、
決して絶望してはならないし、絶望する必要もない。
 
自分を批判的に見るということは、別の
「本当の自分」がいることの証明であり、
その「本当の自分」と今の自分とは
全然別人格であり、
いずれは「本当の自分」が勝利することに
なるからです。
 
~見城徹著 幻冬舎刊 『読書という荒野』より~