日食と子どもと色眼鏡 | Nairobi Today

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おととい、娘9歳のインド人の

クラスメートPちゃんから

グループチャットに
「please dont go out from 
3 to 5 because it is the 
SOLAR ECLIPSE tomorrow. 」
というメッセージが届きました。
 
Solar Eclipseは日食のこと。
へー明日が日食とは知らなかった。
これは娘に日食を見せるチャンス!
と思ったのですが、
日食グラスは持ってないし
手持ちのサングラスを重ねても
色が薄くてまぶしすぎるし、
ワインボトルで試したら
歪んでよく見えなかったので、
観察はあきらめることにしました。
 
そしてふと気になったのが、
なぜPちゃんはクラスメートに
その時間は家から出ないよう
呼びかけをしたのかということ。
 
調べてみたら、
インドではヒンズーの教えで
日食はとても不吉なものとされ
怖れられているそうです。
日食の時間中は家にこもって
祈りをささげる人もいるらしく、
観察なんてたぶんもってのほか。
「ありがとう!見てみるね」とか
気軽に返信しなくて良かったです。
 
共にフィリピンのマニラで暮らし、
学校ではイギリスのカルチャーを
共有している生徒たちですが、
出身国はバラバラなので
当然それぞれ異なる文化的・宗教的
バックグラウンドを持っています。
 
なので、イスラム教のお友達が
「今、お家の冷凍庫にアイスが
5個あるのを発見したんだけど、
断食中だから食べられないえーん」と
ラマダン中の切ない心の叫びを
メッセージで送ってきたり、
 
ネパール人のお友達に
「お誕生日はいつ?」と聞いたら
「ネパール暦の都合で毎年誕生日が
変わるから正確には答えられない」
と言われて???目となったり、
新鮮な驚きが時々あります。
 
ところが、そういうときに
驚いたり面白がったりしてるのは
たいてい私だけ。
娘はあまり動じないというか
それらをごく自然に受け止めて、
「ok」とか「wow」とかで
さっくり会話が終わったりします。
 
誰がどこの国の出身とか
親が何人(ナニジン)とかも
まったく興味がないようすで、
友達を見る視点は
その子がどんなことをするか、
どんなことを言うかだけ。
 
まだ知識が少ない子どもだから
と言えばそれまでなのですが、
その人の「個」だけを見て
付き合えるのはうらやましい気も。
 
これからもいろんな国の人と
出会って行くであろう娘に、
ヘンな色眼鏡を与えたり
見方を歪めたりしないように
よく気をつけようと思います。