夏休みに入り一時帰国などしている間に、前の記事で触れたセウタが大変なことになっていました。世の中いつなにが起こるかわかりません。
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モロッコ6日目、この旅の最終目的地タンジェにやってきました。アフリカ大陸の北西端に位置し、3000年前からヨーロッパへの玄関口として栄枯盛衰を繰り返してきた町です。
タンジェ
まずは地中海と大西洋が出会う場所、スパテル岬へ。
右が地中海、左が大西洋。特に境目はない。
イスラム建築の美しい灯台。今も現役で使われています。
エジプトからドバイへ引っ越した時は、スエズ運河を通る船が予約できず地中海~喜望峰経由で荷物が運ばれてきました。自分たちより先に、家財道具がこの海に来ていたことになります。実際に見るとジブラルタル海峡の幅は思ったより狭くスペインはすぐそこ(一番近い場所で14km)、なにか紛争が起きた時にここを封鎖するのは案外簡単なのではと思うなどしました。祈・世界平和。
この日の宿はフェアモント・タジ・パレス。夫の同僚のモロッコ人からも「タンジェに行くならここに泊まって」とおすすめされたホテルです。もとは1920年代に国王に仕える最高顧問だったタジ氏が建て始めた宮殿ですが、諸事情により工事はストップ。未完成のまま長い間使われずにいたこの建物を、カタールの企業が贅沢にリノベーションして2022年にラグジュアリーホテルとしてオープンしました。
ホテルが開業する前からここにいた猫。最高顧問の役職名「メンドゥブ」と呼ばれ、毎日ロビーでくつろいでいるそうです。
そんなホテルの予約で、実は致命的なミスを犯してしまいました。予約の日付を一日間違えていたのです。気づいたのはモロッコに出発するわずか数日前。キャンセル期限はとうに過ぎていたので、最悪もう一度お金を払って予約しなおす覚悟でホテルの予約窓口にメールしたところ、幸いペナルティなしで快く日付を変更してくれました。
が、当日のチェックインでやたらと待たされ、さらに「予約の控えはありますか?」と聞かれたので、もしや?と経緯を説明したところ、案の定、予約データの変更がされていませんでした。予約していたタイプのお部屋は満室で、かわりにアップグレードしたお部屋を用意してくれることになりました。もとはといえばこちらのミスなのになんだか申し訳ない。
しばしプールサイドで待機した後、「お部屋のご準備ができました」と案内された部屋は…
部屋?
というより家
なんだここは!
ホテルで一番のスイートでした。宮殿の主の居住スペースとして作られた場所で、リビングとダイニング、2つの寝室の他に執務室までついています。ホテルの他の部分は新しく改装された中、ここだけはそのまま当時の面影が残されているのだとか。
重厚なドア
逆にくつろげないリビング
わりとモダンな主寝室
お部屋の中も豪華で素敵だったのですが、何より素晴らしかったのが、窓からの眺め。美しい花に囲まれた黒大理石のプールと、その向こうに連なる丘の景色、そして刻々と色を変える空がとても美しかったです。お祈りの時間になると窓から聞こえてくるアザーンも、エジプトのそれとはトーンが全然違って異国情緒を感じました。
ずっと見ていられそう
夕食はホテルの中庭のレストランで。給仕をしてくれた人はタンジェ出身で、タンジェがかつてはヨーロッパ諸国が共同管理する「国際都市」だったこと、そのためモロッコにありながら出入りするにはビザが必要だったこと、世界中から富豪や芸術家が集まる華やかな社交場であったことなどを話してくれました。
この旅行でタンジェの他にはどこに行ったの?と聞かれ「シャウエンとか」と答えたところ「シャウエンのどこがいいのかわからない。ユダヤ人がハエを追い払うために青く塗っただけのところよ」とバッサリ。歴史的背景もあってか、タンジェの人は誇り高く、少しスノッブな印象を受けました。
お料理もなんだかスノッブ
浮世離れしたタンジェでの一夜を過ごし、翌日はカサブランカへ移動しました。
タンジェ=カサブランカ間には高速鉄道「アル・ボラク」が走り、350kmの距離を約2時間で移動することができます。チケットは事前にモロッコ国鉄(ONCF)のサイトから購入、念のため1等車をとりました。タンジェの駅には簡素ですがラウンジもあり、車中含め快適でした。
アフリカ初にして唯一の高速鉄道、Al Boraq
この日はカサブランカ駅(Casa Voyageurs)近くのADAY Hotelに宿泊。駅から徒歩数分と便利、清潔で快適でしたが、トリプルルームは3つ並んだベッドでぎっしり。スーツケースを開くスペースもなく、前日とのギャップがすごかったです。
少し時間があったので、伝統工芸品のショップが集まるというハブース街(Quartier Habous)に出かけてみることにしました。慣れない土地、フランス語の表記、はじめてのトラムに苦戦しつつ、乗り継ぎもいれて約20分+徒歩で約5分。たどりついたハブース街は、あれ?人がいない?
しーん
すっかり油断していましたが、この日はまだイードの翌々日。街中のスーパーなどは営業していましたが、ハブース街のようなスークはまだどこもお休みのようでした。しかたなく来た道を戻り、駅のマクドナルドでスタバとハンバーガーをテイクアウトして夕食にしました。前日のタンジェで街を全然見なかったことを少し後悔していたのですが、今回に限っては正解だったのかも。
翌日の飛行機で帰国。エジプトに似てそうだし、マラケシュもフェズも砂漠もいかないし、少し退屈かな?と実は心配していたのですが、盛りだくさんの印象的な旅になりました。
日程の相談からリヤドや移動の手配、実用的なアドバイスまでしていただいた旅行社のラノーリアトラベルさんには感謝! このような国のこの時期になんのトラブルもなく順調に旅が進んだのはすごいこと、特にドライバーさんたちが親切で、イードの翌日には「よかったらうちに羊を食べに来ませんか」と誘ってくださったりもしました。モロッコ個人旅行を考えていらっしゃる方にはおすすめです。














