※公開から結構経っていますので、参考までに
「渇き。」
2014年公開の日本映画。
原作：深町秋生
監督・脚本：中島哲也
脚本：門間宣裕、唯野未歩子
出演者：役所広司、小松菜奈、小松菜奈、清水尋也、妻夫木聡、オダギリジョー、高杉真宙、二階堂ふみ、橋本愛、森川葵、黒沢あすか、青木崇高、國村隼、星野仁、中島広稀、康芳夫、中谷美紀
職務怠慢で暴力事件から刑事の職を解かれた藤島昭和は今は警備員として働いている。そんな藤島の元に元妻から連絡が入る。品行方正だった娘・加奈子が部屋に何もかもを残したまま姿を消したと聞かされ、その行方を追い掛けることにした。
自身の性格や言動で家族をバラバラにした彼は、そうした過去には目もくれずに自分が思い描く家族像を取り戻そうと躍起になって娘の足取りを調べていく。交友関係や行動を丹念にたどるに従って浮き上がる、加奈子の知られざる素顔に驚きを覚える藤島。やがて、ある手掛かりをつかむが、それと同時に思わぬ事件に直面することになる…
第3回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞した深町秋生の小説「果てしなき渇き」を映画化
「下妻物語」や「嫌われ松子の一生」の中島哲也監督がエッジの効いた作品に仕上げている
名優・役所広司さんを筆頭に妻夫木聡さん、オダギリジョーさん、中谷美紀さんら実力派が出演
ヒロインに抜てきされた新人・小松菜奈さんが抜群の存在感を発揮し、加奈子と言う、ある意味でモンスターを演じている
とにかく毒の有る刺激的な作品で、正直観る人を選びます
好きな人は好き。嫌いな人は嫌いとハッキリ分かれると思う
観る前にエッジの効いた映画、どんと来い！と言ってましたけど、さて感想はと言うと…
ちょっと個人的には無理かな～って感じです
エッジ効きすぎ(笑)
ストーリーが分かるとそれなりに対応出来るんですが、何の予備知識もない状態で観たので、インパクトがあり過ぎてかなりキッツイです
妻夫木聡さんやオダギリジョーさんと言ったおなじみの俳優がキッツイ役を演じている
特に役所広司さんなんか、かなりのバイオレンスな感じ。温和な役所さんのイメージで見たら、ホント火傷します
海外の作品にはこの手の物が結構あるんだけど、これが邦画になると身近に感じすぎてしまって、ちょっと嫌悪感を覚えてしまう
例えば、スタンリー・キューブリック監督の「時計じかけのオレンジ」なんかがそうかな
スタイリッシュと言えばスタイリッシュなんだけど、アンダーグラウンドな雰囲気とミステリーな感じが相まって、観てから時間を置くと、感想がちょっと変わるかな
それでも万人に好まれるような作品ではなく、特に学生なんかにはキツイ
「学生1000円キャンペーン」なんかやってたけど、コレどう考えても高校生とかに推奨するのは如何なものか？と･･･と言うか、アカンでしょ
昨今の未成年による凶悪な犯罪なんかが日常化している様に感じて、危機感と言うか、この手の犯罪事件に感性が麻痺した様な事から考えたら、こういった作品が生み出されるのは必然とも言えますが、それでもこういった作品が普通に受け入れらる感性はちょっとおかしいかなと
単館系の上映では無くて、メジャー系での上映作品としてはやはりいろんな意味で問題や話題になるけど、バイオレンスな部分で破廉恥に仕立て上げて、問題（話題）にする事を狙っているとするならば、個人的には無理な感じ
2年前に公開された「悪の教典」なんかも何かと物議を醸したけど、楽しめる楽しめないを前にシャットアウトしてしまった感があるかな
ただ、前に書いた様にスタイリッシュで観てから時間が経てば、少し感想が変わると言うのはホント個人的な感想なんだけど、先ずオープニングのタイトルバックがすごく良いです
スタイリッシュと言う言葉はこのタイトルバックに集約されていると言っても過言ではない
また主人公の加奈子がどういった過程を経て、モンスター的な存在になったかと言うのはj非常に気になる所で、この部分だけで考えたら、興味は尽きない
後からじわじわ来て、原作や関連書籍を読みたくなる衝動は、映画の「リング」「らせん」を観た時以来かな
ネタバレになってしまうので、直球での表現は避けますが、同級生から身の回りの大人達、ヤクザや犯罪組織、果ては警察に至るまで、全て加奈子の掌に踊らされている
それどころか、自分の人生まで加奈子の策略通りとなったら、単に女子高生と言う括りだけでなく、凄いを通り越して、怖いぐらいの怪物と化してしまってる
それぐらいミステリアスで怪物的な常軌を逸した加奈子を新人の小松菜奈さんが演じているのも凄い
ポスターでは結構ブサイクに映っているけど(笑)、作中ではミステリアスだけどスレンダーな女の子である意味カッコいい
「キルビル」や「バトルロワイヤル」の時の栗山千明さんな感じ♪
要は何処に焦点を当てて観るか？と言う事に尽きるんだけど、基本的にアンハッピーエンドは好きではないし、過剰なバイオレンスは根底にエンターテインメントが感じられなければNG
そう考えたら、この作品は個人的にはウ～～～～～ンな感じです
ただこの手の作品が他にも沢山在るのは重々に承知な上だけど、この手の作品が普通に受け入れられる感性や日常が既に出来上がっているのなら、ちょっと怖いな～と思います