頭痛・肩こり・腰痛解消なら呉市広の整体師:宮岡です。

今回の話題は
多くの日本人が知らない「アニマルウェルフェア」…日常で食べる卵や肉についてです。

今回は、アニマルウェルフェアについてお話します。
日本では、まだ馴染みが薄いかもしれませんが
世界中でアニマルウェルフェアが広がりを見せています。

食べることを目的として飼育する動物を「感受性のある存在」と捉えて
家畜にとって、できる限りストレスや苦痛の少ない飼育環境を目指す考え方のことです。

しかし日本の現状は、約9割がアニマルウェルフェアという言葉を知らず
その取り組みも進んでいないようです。

今年は、うるう年なので、オリンピックが開催されるね。
オリンピック・パラリンピックの食材調達の要件のひとつに
アニマルウェルフェアがあります。

アニマルウェルフェアは
動物は生まれてから死ぬまで、その動物本来の行動をとることができ
幸せでなければならないことを前提としています。

よって、食べることを目的として飼育する動物においても
出来る限り苦痛やストレスを少なく、行動要求が満たされた健康的な生活が
できる飼育方法を目指す畜産の在り方です。

近年では投資家からも注目されています。
世界の主要食品企業のアニマルウェルフェアの取り組みについて
毎年報告書が出されています。


日本では現在に至るまで、アニマルウェルフェアの議論が高まっていません。
2021年に発覚した大手鶏卵生産業者と元農林水産相による贈収賄事件は
鶏卵生産業者が農水相にアニマルウェルフェアの国際基準への反対意見の取りまとめを
働きかけたものとも言われています。

世界のアニマルウェルフェアの流れに逆行する由々しき問題ですが
それでも日本国内世論の関心が高まっていません。


そもそも、アニマルウェルフェアとは、何でしょうか…?
アニマルウェルフェアの議論は、1960年代のイギリスで始まったとされています。
イギリスの家畜福祉の活動家ルース・ハリソンが
著書『アニマル・マシーン』の中で工業的な畜産の虐待性を批判して
一般市民の注目を集めたのが始まりとされています。

世論の高まりを受けてイギリス政府は
「全ての家畜に、立つ、寝る、向きを変える、身繕いする、手足を伸ばす自由を…」
という基準を提唱しました。

これが後にアニマルウェルフェアの基本原則である「5つの自由」として確立しました。
これが家畜を含む、ペットや実験動物など、あらゆる動物に対する
現在の動物福祉政策の基準であり、国際的な共通認識となっています。

アニマルウェルフェアの5つの自由
●飢え、渇き及び栄養不良からの自由
●恐怖及び苦悩からの自由
●物理的、熱の不快さからの自由
●苦痛、傷害及び疾病からの自由
●通常の行動様式を発現する自由


アニマルウェルフェアについて国際的な影響力を持っていますが
日本を含む世界182の国と地域が参加する
政府間機関であるOIE(国際獣疫事務局)が存在します。

OIEは科学的知見に基づきアニマルウェルフェアのルールを定めています。
加盟国はそれに則して取り組みを進めています。

しかし、各国の取り組みには、大きな差があるのが現状です。


なぜ、アニマルウェルフェアが世界的に求められるようになったのでしょうか…?
それを理解するには、日本の畜産の現状からお伝えします。

まずは、卵(鶏卵)ですが
日本人が一人当たり年間平均338個を食べています。

卵を産むために育てられる採卵鶏には4つの飼い方があります。
アニマルウェルフェアの実現度の高い順から・・・
「放牧」「平飼い」「エンリッチドケージ」「バタリーケージ」です。


日本の主流は「バタリーケージ」です。
約92%の採卵養鶏場が採用しています。

「バタリーケージ」は、何段も積み重ねられたケージの中で鶏を飼育し
1羽当たりの面積は鶏の体よりも小さい平均B5サイズ(257mm×182mm)ほどです。


「バタリーケージ」は、効率的かつ安定的に生産できることから
山が多く平野部の少ない日本で選ばれているのかもしれません。

低価格で安定した品質の卵の流通の確保ができる面も否めません。
しかし、アニマルウェルフェアの視点は蔑ろにされています。


次は、豚です。
豚は本来、穴掘りや泥浴びをし、広大な面積を群れで移動しながら生活する動物です。
しかし、日本では多くの場合、床がコンクリートや金網のでスペースが限られた
豚舎で飼育されています。

アニマルウェルフェアの話題になると真っ先に取り上げられるのが
「妊娠ストール」です。

母豚が意図せず、子豚を踏み殺してしまうことを回避するためにも導入されている
器具ですが、方向転換ができない飼育環境を問題視する声も少なくありません。


鶏のバタリーケージは2000年代後半から、EUをはじめ
スイス、アメリカの6州、ブータン、インドで禁止されました。

母豚の妊娠ストールも、EUやスイス、ニュージーランドやオーストラリア
カナダで禁止されています。

しかし、日本の現状は、鶏のバタリーケージの規制はなく
豚もストール飼いが9割近くを占めています。

このような差が生じるのは、例えば1羽当たりの飼養面積や設備内容などの
具体的な規定や記述、法的な拘束力がないからだと指摘されています。

現状の日本政府のアニマルウェルフェアの対応は
「動物愛護管理法」と畜産技術協会(農林水産省の外郭団体)の
「アニマルウェルフェアの考え方に対応した飼養管理指針」を基準としてい、ますが
具体的な規定や記述は見当たらず、「法令」でもないため強制力もありません。


そんな日本でも、アニマルウェルフェアに配慮した飼養を行う生産者は存在します。
例えば、パルシステムをはじめとする生協に平飼いの卵を出荷している
茨城県の「JAやさと」さんもです。

JAやさとの生産者さんは、「昔の卵が食べたい」という声に後押しされて
1990年代から平飼いを始めたそうです。

それまでのケージ飼いの羽数から10分の1と大幅に規模を縮小してのスタートして
「生協という確実な出荷先があったのは、大きかった」と当時を語っています。


「平飼い」は鶏が自由に動き回れるようにして飼育する方法です。
太陽の光と風の入る鶏舎で、地面を足で掘ったり、クチバシでつついたり
「止まり木」で休息したりして自由に過ごすことが出来ます。
鶏にとって、ストレスの少ない飼育環境です。


また、エサ…飼料にも配慮をしています。
抗生物質や抗菌剤は一切使用していないようです。

ただし、デメリットとして、鶏舎を衛生的に管理し、健康的に飼育する必要があります。
手間はかかりますが、「育てる側」にもメリットがあるそうです。

平飼いの鶏は、人懐っこくて、農場見学に来る人にも
鶏から寄っていくそうです。

従業員も、工業製品を扱っているのではなく
生き物の命と向き合っている自覚が芽生えるそうです。


日本でアニマルウェルフェアが広まらないのは、なぜでしょうか…?

その一因は、取り組みに伴う費用だと思われます。
アニマルウェルフェアを進めるためには生産者の取り組みが必須ですが
新たな設備投資や人件費などの費用を生産者だけで負うのは実際のところ難しいでしょう。

日本では、安さが優先される風潮があります。
残念ですが、卵も、豚肉も、安いから買う人が多いのが現状です。


スウェーデンやベルギーでは
飼育方法の違いによる卵の価格差は現在ほとんどないそうです。
アニマルウェルフェアに取り組む農家に対して補助金を出すなど
政府も生産者を支援しているようですが、日本にそのような動きはありません。


日本では、政府の支援もないので
生産者も現在の供給量・価格を維持するだけで限界のようです。

また、日本では、アニマルウェルフェアに関わる研究やデータも圧倒的に少ないようです。
科学的根拠に基づいて、費用や生産性の影響も数値化した上で
誰がどう負担するのか…という議論を事業者も消費者もする必要があるようです。

日本では、アニマルウェルフェアがあまりにも消費者に知られていないため
行政も産業界も現状維持のままでよいと思っているのでしょう。

消費者が知るきっかけがないので、消費者の意識も低いままなので
悪循環に陥っています。

ヨーロッパなどでは、一般の消費者の意識が高くなったことで
消費者がお店やレストランに対応を求めたり
高くてもアニマルウェルフェア対応の商品を優先的に購入する消費者が増えました。

アニマルウェルフェア対応の商品が多く出回るようになることで
それまで知らなかった消費者への認知度も意識も高まり
好循環が回って、広がっていったようです。

今では世界各国でアニマルウェルフェアに配慮した畜産動物の認証制度があり
消費者も認証ラベルを見て肉や卵の商品を選択しています。

日本でも、安いだけで商品を選ぶのではなく
未来を見据えて、アニマルウェルフェアの観点から
卵や肉などの商品を選んでいきましょう。

一人ひとりが意識することで、社会が変わります。
一人の力は、結して無力ではありません。


今回は、「アニマルウェルフェア」についてお話しました。
少しでもお役に立てれば幸いです。
ご精読ありがとうございます。



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