前回ブログ で、僕は、次ぎのように書きましたね。



    日本経済が2009年以後の数年間、厳しい可能性があると。




今日は、なぜ僕がそのように考えるのか? 我々企業家は、その中で、どのように考え、行動すべきか?

について、書きたいと思います。



いま、世間では、


    グローバルな金融バブルの崩壊 → 不況 


のような構図で現在の経済状況を説明しているように思いますが、そのロジックでいくと


    金融バブルが落ち着く → 景気がよくなる


ということになっちゃう。




でも、僕は、ことはそれほど単純ではない と考えているわけです。


もちろん、金融バブルの崩壊が、表面的な経済の循環に大きな打撃を与えているのは間違いない事実です。


ただ、その表面に現れている問題より、もっとずーっと深い根っこのところで、地殻変動のように、じわじわと、何年間もかけて日本の経済構造に大きな変化が進行している。




27才で起業して10年が経過、今また起業する38歳の起業家のブログ



そして、それが、2009年以後、大きな表面的な問題として現れてきて、そして、何年も続いていくというのが僕の理解なわけです。


表面にあらわれているのは、結果であって、その原因となる根本をきちんと理解しとかないと、今後の日本がどう変化していくかも読み誤るし、そして、我々企業家が経済活動を行う上での判断も間違っちゃうと 僕は思っているんですね。




では、日本の構造上の問題とは何なのでしょうか?


いま日本経済は、3つの巨大な、かつ大変な問題をかかえていると思っています。





  一つ目が、『 製造輸出主導型経済の終焉 』 です。



これは、1980年代後半からずーっといわれ続けてきた問題ですが、結局この問題が何も解決されずに、今日を迎えてしまった。


要するに、第二次世界大戦後の日本経済は、家電、ハイテク機器、自動車などの製造業が国際競争力をもって、外貨を稼ぎ、日本経済全体を食わせてきた。 いわば、『 出稼ぎ父さん 』 が頑張っていたわけです。


しかし、いまや、日本の製造業は、競争力を失いつつあり、経済全体を潤すほどに 『 出稼ぎ父さん 』 

が稼げなくなりつつあるんです。


要するに、簡単に言うと、日本国民が生活に必要な物資を海外で買うお金の原資がめべっている。





  そして二つ目は、『 非実体経済主導型経済の終焉 』です。



製造立国が難しくなっていくだろう、という予測の元、第二の柱として、金融とITが注目されたわけですね。1990年ぐらいから。そしてもう一つは、規制緩和による内需拡大。


でも、結局、金融もITも、トヨタやホンダ、ソニーのようなレベルで国際競争力を身につけて、外貨を稼げるような状況には、まったくなっていなくて、むしろ、いたずらに ITバブルと金融バブルを生んでしまった。


では、内需拡大は、っていうと、これはもうインチキみたいな話ですね。


内需だけ拡大しても、何の解決にもならないわけです。 外からものを買う お金を稼いでこなきゃならないのに。


で、内需拡大も結果的に、やはりバブルを生んだだけだったんですよね。


金を獲得する能力が減っているのに、金を使おうということで、将来の購買力を使って、みんなで借金を増やした。 または、株とかファンドに投資したわけですよね。


そうやって、バブルが生まれて、金が回っている間だけ、豊かになったように感じる = 非実体経済 が牽引した経済が、ずーと続いて、今回のグローバル金融危機の崩壊とともに終わったわけです。




  そして、最後の一つが、『 石油消費型経済の終焉 』 です。


これは、もっとも、大きくなインパクトを僕たちの経済・社会にあたえていくものだと思っています。


ここから生じる変化は、今後数十年かけて、世界のすみずみまで、経済や、政治システム、生活のあり方まで全てを変えていくインパクトを持っている可能性がある。


この近代社会が、石油を基盤として、何十年もかけて築き上げられたように、何十年もかけて、別の社会システムに移行していく変化が、2009年以後、表面化してくる。



...ちょっと長くなりましたので、この続きは、次回。


もし、これを読んでいる皆様で、何か思うところのある人は、ぜひどしどしコメント下さい。


このテーマは、今後もずっと皆様といっしょに考えていきたいテーマなので。


春日原森



前回のブログ では、年末年始に、一年の計 として、新年の目標・計画を立てることをお勧めしましたね。




で、毎年僕が作っている 『200X年春日原ミッション』を公開します と約束しましたので、今回は、それをお見せします。



どの年のがいいかなと考えたのですが、これを読んでいただいている方々にバリバリのベンチャー経営者の方が多いことを考えると、コンサルタント業が中心となっている最近のものよりは、僕がちょっとだけ有名なITベンチャー企業の経営をしていた2000年ごろのものを公開しようと思います。




その当時、そのITベンチャーが、NASDAQ上場企業と提携を果たして、ネットで商取引する時に必ず必要となるセキュリティ技術を販売し初めて2~3年がたって、会社が急激に大きくなった ( というか大きくしたんです。社員7人からスタートして毎年社員数を倍にしていって、当時100人近く社員がいました。 )結果、その急成長のひずみが噴出してきたころでした。




個人としては、いきなり大きくなった組織をコントロールするには、リーダーシップ不足であることに気づき始めた時期であり、また、超多忙(毎日の平均睡眠時間が3時間というの時代が5年間ぐらい続きました)な数年間を経過し、疲弊しすぎている自分に気づき、仕事へのバイタリティを維持していくためにも、仕事以外の面をある程度充実させなければならないと考え始めた時期でした。




会社という意味では、売上優先でやってきたため、組織にしても、目先の売上を作るためだけの人の採用、人事を行って来たため、会社へのロイヤリティとか、チームワークとかそういうものが失われてきていた時期でした。




=== 以下、200X年 春日原ミッションです ===




1.事業



(戦略)

・ 当社セキュリティ技術を社会に認知させるために、今年受注予定の大型プロジェクトを全社一丸となって成功に導き、市場からの評価を獲得する。



(組織)
○ もう一度組織を作り直す
・ 社内キーマンと密度の濃いコミケーションをとって信頼関係を再構築する

  → 月に一度必ずOne on Oneミーティングを実施する)

・ 戦略の明確化と理解の徹底

・ 各組織ごとの役割・アクションプランへの落とし込み

・ 継続的で粘り強いフォローとフィードバック

・ コミニケーションシステムの修正(会議、報告フローの修正)

○ 戦力アップ

・ 全社員のスキルアップとミドルマネジメントの強化

・ 市場と戦略に適したTime to Marketな技術供給体制作り

  → パートナーシップによる外部リソースの活用

  → 多能工化によるフレキビスルな要員シフト



(販売)

○ 売り上げ目標 20億円

○ 現在の最重要顧客アカウントと関係強化を自ら実施し、本年度の収益確保を自ら実行する

○ 戦略市場攻略

→ 政府・自治体PJ来期受注のためのコンサル提供

→ 大型案件のPJの成功

→ エンタープライズ市場へのアップセル

○ バーティカル市場におけるリファレンスの獲得

○ エンタープライズ市場の確実な取り込み


(製品・サービス)

○ 技術関連の権利明確化と契約の再整備

○ 上流フェーズのコンサル・エンジニアリング力強化

○ 手離れのよい製品・サービスの投入(教育、低単価製品)


(その他)

○ 競合他社の継続調査

○ 官との関係強化
○ お世話になった人へのご挨拶まわりの徹底


2.家庭

○ 平日週に一度はなるべく家族で食事をとる

○ なるべく土日は完全に休むようにする

○ 大人になってから幸福に生きていくために必要な要素を子供たちが吸収できるようにする

○ 年に二度は家族で旅行に行く。うち一度は海外旅行に行く。


3.個人

○ 仕事仲間と仕事を超えた関係を作る
○ 夜の接待を減らし、会食はブレックファーストミーティング、ランチミーティングにシフトする

○ 週に数時間は運動の時間をとる

○ 週に一度、自分のスケジュールを見直す時間をとる

○ もっとも業績に大きく影響する数少ない要素に集中する

○ 健康診断にいく

○ 誠実な態度と率直なコミニケーション

○ 義理と筋を大切にする

○ 自分を取り戻せる場所、時を持つようにする


○ 実家に月に一度は顔を出す


=== 以上、200X年 春日原ミッションです ===


いかがでしょうか?


僕は、こういうものを年末年始に毎年作っているのですが、一年の活動の方向付けとしても非常に効果があります。


この年間ミッションのようなものを、チョコチョコ眺めて、月の活動計画作りの参考にしている年もありますし、書いたはいいけど一年を通してほとんど見ない年もありますが、終わってみると驚くほど忠実にそのミッションに沿って行動しているものです。


また、何年か後にこうして見直してみると、自分の判断や成長の過程がわかって、これも自分の整理に役立ちます。


繰り返しになりますが、


一年の計は元旦にあり


お正月に、じっくりと新年の目標・計画作りをしてみてはいかがでしょうか?


春日原森