前回のブログ では、年末年始に、一年の計 として、新年の目標・計画を立てることをお勧めしましたね。




で、毎年僕が作っている 『200X年春日原ミッション』を公開します と約束しましたので、今回は、それをお見せします。



どの年のがいいかなと考えたのですが、これを読んでいただいている方々にバリバリのベンチャー経営者の方が多いことを考えると、コンサルタント業が中心となっている最近のものよりは、僕がちょっとだけ有名なITベンチャー企業の経営をしていた2000年ごろのものを公開しようと思います。




その当時、そのITベンチャーが、NASDAQ上場企業と提携を果たして、ネットで商取引する時に必ず必要となるセキュリティ技術を販売し初めて2~3年がたって、会社が急激に大きくなった ( というか大きくしたんです。社員7人からスタートして毎年社員数を倍にしていって、当時100人近く社員がいました。 )結果、その急成長のひずみが噴出してきたころでした。




個人としては、いきなり大きくなった組織をコントロールするには、リーダーシップ不足であることに気づき始めた時期であり、また、超多忙(毎日の平均睡眠時間が3時間というの時代が5年間ぐらい続きました)な数年間を経過し、疲弊しすぎている自分に気づき、仕事へのバイタリティを維持していくためにも、仕事以外の面をある程度充実させなければならないと考え始めた時期でした。




会社という意味では、売上優先でやってきたため、組織にしても、目先の売上を作るためだけの人の採用、人事を行って来たため、会社へのロイヤリティとか、チームワークとかそういうものが失われてきていた時期でした。




=== 以下、200X年 春日原ミッションです ===




1.事業



(戦略)

・ 当社セキュリティ技術を社会に認知させるために、今年受注予定の大型プロジェクトを全社一丸となって成功に導き、市場からの評価を獲得する。



(組織)
○ もう一度組織を作り直す
・ 社内キーマンと密度の濃いコミケーションをとって信頼関係を再構築する

  → 月に一度必ずOne on Oneミーティングを実施する)

・ 戦略の明確化と理解の徹底

・ 各組織ごとの役割・アクションプランへの落とし込み

・ 継続的で粘り強いフォローとフィードバック

・ コミニケーションシステムの修正(会議、報告フローの修正)

○ 戦力アップ

・ 全社員のスキルアップとミドルマネジメントの強化

・ 市場と戦略に適したTime to Marketな技術供給体制作り

  → パートナーシップによる外部リソースの活用

  → 多能工化によるフレキビスルな要員シフト



(販売)

○ 売り上げ目標 20億円

○ 現在の最重要顧客アカウントと関係強化を自ら実施し、本年度の収益確保を自ら実行する

○ 戦略市場攻略

→ 政府・自治体PJ来期受注のためのコンサル提供

→ 大型案件のPJの成功

→ エンタープライズ市場へのアップセル

○ バーティカル市場におけるリファレンスの獲得

○ エンタープライズ市場の確実な取り込み


(製品・サービス)

○ 技術関連の権利明確化と契約の再整備

○ 上流フェーズのコンサル・エンジニアリング力強化

○ 手離れのよい製品・サービスの投入(教育、低単価製品)


(その他)

○ 競合他社の継続調査

○ 官との関係強化
○ お世話になった人へのご挨拶まわりの徹底


2.家庭

○ 平日週に一度はなるべく家族で食事をとる

○ なるべく土日は完全に休むようにする

○ 大人になってから幸福に生きていくために必要な要素を子供たちが吸収できるようにする

○ 年に二度は家族で旅行に行く。うち一度は海外旅行に行く。


3.個人

○ 仕事仲間と仕事を超えた関係を作る
○ 夜の接待を減らし、会食はブレックファーストミーティング、ランチミーティングにシフトする

○ 週に数時間は運動の時間をとる

○ 週に一度、自分のスケジュールを見直す時間をとる

○ もっとも業績に大きく影響する数少ない要素に集中する

○ 健康診断にいく

○ 誠実な態度と率直なコミニケーション

○ 義理と筋を大切にする

○ 自分を取り戻せる場所、時を持つようにする


○ 実家に月に一度は顔を出す


=== 以上、200X年 春日原ミッションです ===


いかがでしょうか?


僕は、こういうものを年末年始に毎年作っているのですが、一年の活動の方向付けとしても非常に効果があります。


この年間ミッションのようなものを、チョコチョコ眺めて、月の活動計画作りの参考にしている年もありますし、書いたはいいけど一年を通してほとんど見ない年もありますが、終わってみると驚くほど忠実にそのミッションに沿って行動しているものです。


また、何年か後にこうして見直してみると、自分の判断や成長の過程がわかって、これも自分の整理に役立ちます。


繰り返しになりますが、


一年の計は元旦にあり


お正月に、じっくりと新年の目標・計画作りをしてみてはいかがでしょうか?


春日原森