前回ブログ で、僕は、次ぎのように書きましたね。
日本経済が2009年以後の数年間、厳しい可能性があると。
今日は、なぜ僕がそのように考えるのか? 我々企業家は、その中で、どのように考え、行動すべきか?
について、書きたいと思います。
いま、世間では、
グローバルな金融バブルの崩壊 → 不況
のような構図で現在の経済状況を説明しているように思いますが、そのロジックでいくと
金融バブルが落ち着く → 景気がよくなる
ということになっちゃう。
でも、僕は、ことはそれほど単純ではない と考えているわけです。
もちろん、金融バブルの崩壊が、表面的な経済の循環に大きな打撃を与えているのは間違いない事実です。
ただ、その表面に現れている問題より、もっとずーっと深い根っこのところで、地殻変動のように、じわじわと、何年間もかけて日本の経済構造に大きな変化が進行している。
そして、それが、2009年以後、大きな表面的な問題として現れてきて、そして、何年も続いていくというのが僕の理解なわけです。
表面にあらわれているのは、結果であって、その原因となる根本をきちんと理解しとかないと、今後の日本がどう変化していくかも読み誤るし、そして、我々企業家が経済活動を行う上での判断も間違っちゃうと 僕は思っているんですね。
では、日本の構造上の問題とは何なのでしょうか?
いま日本経済は、3つの巨大な、かつ大変な問題をかかえていると思っています。
一つ目が、『 製造輸出主導型経済の終焉 』 です。
これは、1980年代後半からずーっといわれ続けてきた問題ですが、結局この問題が何も解決されずに、今日を迎えてしまった。
要するに、第二次世界大戦後の日本経済は、家電、ハイテク機器、自動車などの製造業が国際競争力をもって、外貨を稼ぎ、日本経済全体を食わせてきた。 いわば、『 出稼ぎ父さん 』 が頑張っていたわけです。
しかし、いまや、日本の製造業は、競争力を失いつつあり、経済全体を潤すほどに 『 出稼ぎ父さん 』
が稼げなくなりつつあるんです。
要するに、簡単に言うと、日本国民が生活に必要な物資を海外で買うお金の原資がめべっている。
そして二つ目は、『 非実体経済主導型経済の終焉 』です。
製造立国が難しくなっていくだろう、という予測の元、第二の柱として、金融とITが注目されたわけですね。1990年ぐらいから。そしてもう一つは、規制緩和による内需拡大。
でも、結局、金融もITも、トヨタやホンダ、ソニーのようなレベルで国際競争力を身につけて、外貨を稼げるような状況には、まったくなっていなくて、むしろ、いたずらに ITバブルと金融バブルを生んでしまった。
では、内需拡大は、っていうと、これはもうインチキみたいな話ですね。
内需だけ拡大しても、何の解決にもならないわけです。 外からものを買う お金を稼いでこなきゃならないのに。
で、内需拡大も結果的に、やはりバブルを生んだだけだったんですよね。
金を獲得する能力が減っているのに、金を使おうということで、将来の購買力を使って、みんなで借金を増やした。 または、株とかファンドに投資したわけですよね。
そうやって、バブルが生まれて、金が回っている間だけ、豊かになったように感じる = 非実体経済 が牽引した経済が、ずーと続いて、今回のグローバル金融危機の崩壊とともに終わったわけです。
そして、最後の一つが、『 石油消費型経済の終焉 』 です。
これは、もっとも、大きくなインパクトを僕たちの経済・社会にあたえていくものだと思っています。
ここから生じる変化は、今後数十年かけて、世界のすみずみまで、経済や、政治システム、生活のあり方まで全てを変えていくインパクトを持っている可能性がある。
この近代社会が、石油を基盤として、何十年もかけて築き上げられたように、何十年もかけて、別の社会システムに移行していく変化が、2009年以後、表面化してくる。
...ちょっと長くなりましたので、この続きは、次回。
もし、これを読んでいる皆様で、何か思うところのある人は、ぜひどしどしコメント下さい。
このテーマは、今後もずっと皆様といっしょに考えていきたいテーマなので。
春日原森
