東京六大学野球の春季リーグ戦は新型コロナの影響で延期されていたが、8月10日から約4か月遅れで開催された。
しかしそれも特別なルールで。
通常の2戦先勝の勝ち点方式ではなく、1回戦総当たり制。
勝率が高いチームが優勝となり、上位2校が並んだ場合は直接対決で勝利したチームが優勝となる。3校以上が並んだ場合は優勝預かりとなる。
観客は3000名までで内野席のみ。
コロナ対策をとっての観戦となる。
そして六大学野球の魅力の一つでもある応援団の応援は禁止となった。
まさに、真夏の春がやって来た!である。
先日の16日の日曜日久しぶりに神宮球場で六大学野球を観戦した。
この日の第一試合は法政大学対慶応義塾大学。
11時試合開始。
観戦チケット発売は10時からで、同時に開門となる。
神宮球場に9時半ごろ到着したらすでに100人以上が並んでいた。
私も列に並んだ。
10時に予定通りチケットを買って、スタジアムに入った。
バックネット裏に座った。
いつもは外野席でのんびり観戦するのであるが、今回は外野席では観戦できなかった。
このアングルで観戦するのもめったにないことである。
試合開始まで両校のノックなどを見ていた。
やはりいつもと明らかに違うのは応援団席がなく、応援団の応援が見られないことである。
いつもならこのあたりに応援団席がある。
試合開始前の校歌の斉唱は、事前に録画した映像と校歌が流れた。
母校である法政大学の校歌が流れた時はちょっと胸が熱くなった。
11時に法政対慶応の試合が開始された。
ここまで慶応が4勝でトップ。優勝王手となっている。
この試合に勝てば慶応の優勝となる。
一方法政はここまで3勝で勝てば4勝で慶応と並ぶ。
翌日の立教戦に勝てば優勝となる。と思っていたのであるが・・・・
試合は慶応が先行し、法政が逆転し打撃戦を制し勝利した。
これで今度は法政が優勝に王手となった。
見ごたえのある試合であった。
試合終了後の校歌もバックスクリーンの大型ビジョンで映像が流れた。
朝日新聞デジタルでちょうど「大学応援団は今」という連載記事があった。
東京六大学の応援団のリーダーにインタビューする記事だが、今年は練習もできず、ましてや六大学の応援団の活躍の場である神宮球場での応援ができないのである。
それぞれのリーダーの気持ちが記事になっていた。さぞかし無念であろう。
やはり応援団の応援のない東京六大学野球はさみしい。
やはり特別な年である。
そして特別な夏である。
法政の勝利で喜び明日の優勝を期待し、神宮球場を後にした。
ところがこの後の早稲田対立教の試合が重要な意味を持っていたとはその時は知らなかった。
その日の夕方、法政が優勝したというニュースを目にした。
その時は「え!」であった。なんで・・・
実はこうであった。
立教がここまで2勝1敗で、この早稲田戦と翌日の法政戦に勝てば4勝1敗となり、慶応、法政、立教が同率首位となる可能性があったのである。
この場合は今回の特別規則で優勝預かりとなる。
結果的に立教が早稲田に敗れた。仮に翌日法政が立教に負けたとしても慶応と法政が4勝1敗で同率首位。この場合この日法政が慶応との直接対戦で勝利しているのでこの瞬間に法政の優勝が決まった。
法政大学の優勝は3季ぶりで46回目の優勝。
これは45回で並んでいた早稲田を抜いて単独最多優勝回数となった。
特別なルールで短期決戦となった東京六大学野球の春のリーグ戦。
なかなか面白いではないか。
さて、本来なら9月から始まる秋のリーグ戦はどうなるのだろうか。
今度は応援団の姿が見たいものだ。