受験ブログを読み書きする際の注意点 | アラフィフ親父の戯言

アラフィフ親父の戯言

文系学部出身ですが仕事は理系寄りです。アラフィフで中高年転職しました。妻と中高一貫校に在学中の娘の3人家族です。

保護者の受験SNSは、

  1. 受験前に実況中継的に書かれるもの
  2. 受験後に回想録として書かれるもの
に二分されます。
 
私のブログの場合、中学受験の観点では、かつては 1. でしたが、今は 2. に属します。
我が子が一受験生の時から私がずっと感じていて、その時には控えめにしか言えなかったことを、受験が終了した時点で改めて書き直したり書き足したりすることが多いブログです。
 
大学受験の観点だと、我が子がこれから受験を迎えるという意味では 1. なのでしょうけど、我が子の進路や成績について言及することは殆どなく、私が自らの経験も踏まえて受験全般について思うところを気が向いた時に書くことの方が多いので、そういう意味だとやはり 2. なのかもしれません。
 
 
前回記事でも言及しましたが、佐藤ママは上記 2. の代表格です。
佐藤ママが語るのは、自らの体験談と、その体験に基づく勉強法へのアドバイスが中心です。
お子さんの現在の生活については勿論のこと、小中高時代の具体的な成績について語ることはありません。
彼女が語る内容によって、プライバシー侵害などの迷惑をお子さんが蒙るリスクは少ないと言えます。
 
お子さん4人を東大理三に合格させたという圧倒的な「実績」を誇る方の発言には影響力がありますが、回想録としての意味合いが強く、話も盛られがちなのは否定できません。
読む側も、話に吞まれないようにし、情報の真贋を判断する毅然とした態度が求められます。
 
 
また、回想録を書く際に一番気をつけるべきなのは、「謙遜を装った自慢は絶対にしない」ことだと思います。

「勉強は本人に任せていたので私は何もしなかった」
「子どもが風邪を引かないように夕食の栄養バランスは日々心がけていた。私がやっていたのはただそれだけ」

お子さんが難関校に合格した親御さんのこうした発言は、「謙遜を装った自慢」でしかありません。
第三者が聞いて有益な内容が何一つ含まれていませんし、聞いていてこれほど不快なものはありません。
合格体験記にこのような枕詞をつけてはいけません。
 
 
上記 1. を読む場合にも、気をつけるべきことはあるように思います。
特に気をつけたいのは、自分のお子さんよりも成績の良いお子さんを持つ親御さんのブログを読む時です。
それを読んで「すごいなあ」程度の気持ちを抱くだけなら良いのですが、不安や嫉妬、不快感が掻き立てられてしまうのであれば、そのブログからは距離を置いてください。
そのマイナス感情こそが、お子さんの受験にとって有害無益なものだからです。
そのブログを読まないと受験に必要な情報が手に入らない、なんてことはないはずです。
 
 
また、受験生親としてブログを書く場合は、やはり模試の成績シートや合格証書の写真はアップすべきでないと思います。
そんな情報は第三者には何の役にも立たない(単に不快なだけ)ですし、名前を消してアップしても、他の情報からお子さんの個人情報が推測できてしまう(身バレする)場合があるからです。
 
ましてや親が書いたSNSによって子どもの受験予定校に身バレする事態は避けるべきですし、さらにその内容によって学校側を不快にさせてしまうのは受験生親として論外です。
 
こんな親子が学校に入ってきてあれこれ書かれ続けたら学校の運営に差し支えるし、他の生徒や保護者にも迷惑がかかるなどと思われてしまった場合、お子さんが入試で合格最低点をクリアすれば合格できると言い切れるのでしょうか?

女子御三家など、学科試験の他に面接がある学校を目指す場合は特に要注意です。
コロナ禍で一時的に面接が中断されたとしても、面接が廃止にならない限り「万一の場合は学科試験以外も合否の判断材料にする」と学校側が意思表示しているのと同義だからです。

常識的には面接の出来が悪くて不合格になるなんてまずあり得ない話ですが、あなたが連日書いているSNSの内容があまりにも非常識なために、学校側があなたたち親子とは関わり合いになりたくないと思ってしまったら一体どうなるのでしょうか?

大学とて面接を実施する学校は同様で、例えば東大理三とて例外ではないはずです。
他の科類であれば親のSNSが原因で不合格になることはさすがにないでしょうけど、理三に関しては絶対にそうならないとは言い切れないと思います。
 
・親から御三家に入れと言われ続けて徹底管理され、やりたいことを我慢して頑張り続けて合格できる実力をつけたにもかかわらず、親のSNSのせいで合格できなくなる
・その雪辱を晴らすために今度は東大理三を目指せと言われて頑張り続けるが、やはり親のSNSのせいで合格できなくなる

そうなってしまっては本末転倒です。


あなたのSNSを読むことで(というか、読まなくても、そういうSNSが存在するという噂を聞くだけで)、あなたたち親子の「味方」よりも「敵」を増やしてしまうのだとすれば明らかに悪手です。


親のSNSによって、あまりに多くの人たちが子どものフルネームや在学校を知るようになれば、それは子どもにデジタルタトゥーを入れることに他ならないですし、あなたたち親子を応援する人よりも、失敗することを願う人、数年後に落ちたあかつきには掲示板で徹底的にこき下ろしてやろうと今から身構えるような人を日本中に増やしてしまうのであれば、運用を見直すべきだと思います。