子どもの中受と私の転職 | アラフィフ親父の戯言

アラフィフ親父の戯言

妻と高校生の娘の3人家族。20代と中高年で複数回転職。国立大学文系学部卒。仕事の人間関係と子どもの成績に頭を悩ませる、どこにでもいるアラフィフ親父です

中学受験はお金がかかります。中高6年間、大学4年間はもっとお金がかかります。


私の場合は、20代で商社からメーカーに転職して20年が経ち、子どもの中学受験の準備をし始めた頃から会社の業績が急速に悪化しました。

 

私はリストラ対象ではありませんでしたが、この会社の業績が今後回復するとも、定年までこの会社に居続けられるとも到底思えない状況でした。


上位役職はバブル入社組に独占されていましたし、管理職ポストは「若手枠」「女性枠」で占められるようになり、氷河期入社は邪魔者扱いされていたからです。

 

このような制度を使って管理職になった人たちも、将来性のない会社で働き続けるつもりはなく、管理職になった直後に転職することは日常茶飯事でしたが、そうなる度に叱責されるのは氷河期入社組です。若手社員に雑用をやらせてはいけないという雰囲気が広がり、従来若手社員がやっていた雑用を氷河期世代がやらされるようになりました。

 

こんな状態でも我々に文句を言う権利はなく、 

嫌なら会社やめれば?

でもアンタもう45歳過ぎてるんでしょ? 

行き先あるんだっけ? 

って感じでした。

 

腐っても一部上場企業の管理職という座を、この歳になって捨てることは勇気を伴います。

が、人を大切にしない企業に未来はありません。

自分の心が完全に会社から離れてしまっているという事実から目を背けるのは止めることにしました。


とはいえ、JTCの場合、数年おきに畑違いの部署に異動させられてしまうことが多く、中高年転職では必須とされる「専門性」がなかなか身につきません。


私の場合も、40歳を過ぎてから誰もやりたがらないような畑違いの仕事をさせられていましたが、その仕事の需要が数年後に突然高まるという幸運に恵まれました。この歳になって転職を複数回できているのは、その仕事の「専門性」があるとみなされているからです。


畑違いの業務経験のおかげで命拾いした、とも言えます。自分では意識していなかったのですが、今になって思えば、これは事実上のリスキリングだったのかもしれません。


とはいえ、思わぬ落とし穴もありました。

現職よりも良い条件で内定をいただけるとはいえ、どうしても同業類業他社からの内定が多くなってしまうのです。


私もこの歳になってから未経験の業界で働くのは不安だったので、なるべく現職と近い会社を転職先に選んでいたのですが、それが大きな間違いでした。


現職と似すぎた会社に転職しても、結局現職と同じ状況に陥って再度転職せざるをえなくなるというリスクを、私は見落としていたのです。


業界自体が斜陽業界だったのですから、当たり前といえば当たり前だったのかもしれません。

ということで、今は今までと少し毛色の異なった会社で働いている次第です。


しかし、思わぬ発見もありました。

複数回の転職経験は必ずしもマイナスではない、ということです。


逆に、JTCで勤続20年というキャリアは、必ずしもプラスに働かないこともあります。

私が英語ができるにもかかわらず、外資系企業からの内定に縁遠かったのはそれも一因です。

外国人とのリモート面接(時差の関係で夜中に実施されることもあります)は通るのに、日本人との人事面接で、「日本の大企業でしか働いたことのないアナタが、本当にウチの会社でなんか働けるんですか?」などと質問され、結局はカルチャーフィットしないとの理由で落とされてしまうのです。


彼らの気持ちも分からないではありません。

一般にJTCメーカーは薄給だと言われますが、同じJTCでも大手金融や商社は高給で、「ウィンドウズ2000(仕事をやらない年収2000万円の窓際族をそう呼ぶのだそうです)と揶揄される中高年が多くいるとも言われています。

仕事をやらないのに2000万円ももらえるなんておめでたい人たちだなとは思いますが、それは外資系企業の方々も同じように感じているようで、大手JTCで転職経験のない人なんて、所詮会社にぶら下がっているだけでしょ、という評価になりがちなようです。


JTCで勤続20年の直後よりも、更に転職を繰り返して歳を取った後の方が、より広い職種からより良い条件、かつ短期の就活期間で内定をいただけたのは、そういった背景もあろうかと思います。



次の内定先が決まる前に早期退職するのは絶対NGです。それこそ、大手JTCでぬるま湯に浸かっていたからそんなおバカなことしちゃったんでしょ、だから転職先も決まらないんでしょ、と面接先からもみなされてしまう悪循環に陥ってしまいます。




教育費の負担が重くのしかかる時期に転職を考えざるを得ない人は少なくないと思いますが、こんなことになってしまったのでは、子どもを私立中学に入れるどころの話ではなくなってしまうので、慎重に行動したいところです。