こんばんは!まずは皆さん、乾杯っ!日本酒

 

 

今回はいつもの銘柄レビューではなく、ちょっとした問題提起をさせてください。テーマは「日本酒原価酒蔵 大宮店」で飲んだ、憧れの銘柄たちの味についてです。先に断っておきますが、お店を叩きたいわけではありません。むしろ、あのラインナップをあの価格で出し続けてくれるお店には感謝しかない。だからこそ、モヤモヤを放置せずに、ちゃんと言葉にして、詳しい人の知恵を借りたいのです。

 

日本酒原価酒蔵 大宮店入口

地下なので電波が弱いので注意が必要でした。

モバイルオーダーや会員登録の必要があるものの店内WiFiも弱く登録に10分以上かかりました💦

 

きっかけは9月の訪問でした。新政 No.6 S-type、新政 Colors コスモス、そして十四代 革新 秘伝玉返しと而今 特別純米 生。下戸にしては欲張りすぎるラインナップを、一夜で飲みました。ところが、十四代と而今は、以前飲んだ同じ銘柄とまるで別物に感じたのです。味わいが薄く、苦味が出ていて、あの甘くて旨い感動がない。No.6とコスモスも、噂に聞く新政らしさが見つからず、記事では「自分の舌を疑う」とまで書きました。

 

 

感覚としては、4分の1ほど残った日本酒を、冷蔵庫で3週間ほど放置したときの味わいに近い。日本酒を家で飲む方なら、あの「ピチピチ感が抜けて、辛みと苦みだけが残った」状態を想像できると思います。でも私は下戸で、酔いも回る。自分の味覚がどこまで信用できるのか、正直自信がありません。

 

 

そこでXに「教えて詳しい人!」と投げかけてみたところ、思いのほか多くの反応とコメントをいただきました。常連さんの体験談、日本酒に詳しい方の見立て、そして「自分も全く同じ感想」という声。さらに知り合いのソムリエ、知人、行きつけの酒屋さんにも聞いて回りました。

 

 

この記事では、お店の仕組みを整理した上で、私が感じた違和感、集まった声、考えられる原因を順番に並べます。そして最後に、原価酒蔵の中の人たちに、ぜひ教えてほしいことを書きます。結論ありきではなく、一緒に考える記事です。お付き合いくださいウインク

 

 

日本酒原価酒蔵 大宮店とは?

日本酒原価酒蔵の特別純米生

 

「日本酒原価酒蔵」は、東京・神奈川・埼玉・大阪に展開する日本酒居酒屋チェーンで、2025年10月時点で首都圏に18店舗。運営は株式会社ビリオンフーズ(本社・六本木ヒルズ)で、2026年のプレスリリースにも同社名が出ています。大宮店はさいたま市大宮区仲町のビル地下1階、大宮駅から徒歩4分。平日は17時から、土日祝は昼12時から営業しています。

 

 

仕組みはシンプルで、1人540円の入館料(お通し代)を払うと、日本酒を「原価」で注文できるというもの。公式サイトの価格例では、十四代 純米吟醸が税込390円、新政 No.6 R-Typeが税込510円、獺祭 磨き50が税込430円。大宮店の案内でも、十四代・而今・新政が「各種300円台から」とあります。瓶で買う勇気が出ない憧れの銘柄を、1杯ずつ確かめられる。下戸にとっては本当にありがたい場所です。

 

 

そしてこの記事の主役である提供方法。公式の店舗案内にはこうあります。「日本酒を『特注の瓶』でご提供!鮮度のいい状態で味わって頂きたいから、あらかじめ特注の瓶に移し替え、鮮度を保っています(100ml)」。つまり一升瓶や四合瓶からその場で注ぐのではなく、100mlや50mlの小瓶に小分けしたものが、1本ずつ運ばれてくる。お願いすれば「見せ瓶」として元のボトルも持ってきてくれますが、飲むのは小瓶の中身です。

 

 

この店の好きなところも書いておきます。飲んだ酒の銘柄カードをもらえるのです。1杯ごとに1枚、財布にカードが溜まっていく。コレクションが増えていく感覚は、まさしく晩酌図鑑のバッジ機能や酒棚コレクションに通じるもので、作っている側として「これだよこれ」と嬉しくなりました。飲んだ酒を記録して並べたい、という欲求は、酒好きに共通なのだと思います。

 

おでん盛り合わせ、さんま、牛すじ味噌煮込み

 

おでん盛り合わせ、さんま、牛すじ、春巻き

 

食事も普通に美味しい。この日はおでん盛り合わせ、さんま、牛すじ味噌煮込み、パリパリピーマン、春巻きをいただきました。おでんと牛すじは日本酒に寄り添う定番、さんまは秋の限定。どれも居酒屋として安心の味です。ただしメニューは食べログなどの掲載内容とは一致しておらず、季節ごとに入れ替わる様子なので、行く前に「あれがある」と決めつけない方がいいかもしれません。

 

 

なお「原価」という言葉については、2025年9月に弁護士ドットコムニュースが検証記事を出しています。消費生活センター経由の照会に対し、本店側は「原価とは仕入れ価格ではなく、提供までの総コスト」と説明したとのこと。私はこの点を問題にするつもりはありません。あの価格で飲めることに変わりはないからです。今回の論点はあくまで「小瓶に移し替えた酒は、本来の味を保てているのか」の一点ですニコニコ

 

 

新政 No.6 S-type 見せ瓶

新政 No.6 S-type の見せ瓶。

背景の冷蔵ケースには小分けされた小瓶がずらり。

 

 

新政酒造と御猪口の日本酒

新政 Colors コスモスの見せ瓶と御猪口。

飲むのは小瓶から注いだ分です。

 

 

飲んで感じた、正直な違和感

 

 

最初に書いておきたいのは、私にとって十四代は特別な酒だということ。以前、十四代 角新本丸 秘伝玉返し 生酒を飲んだときは「神の雫と呼びたい究極の甘旨い酒」と書きました。エクストラ白鶴錦のときは「十四代を飲めただけで、その日は超絶幸せ」と。而今も特別純米 生を100銘柄目の記念に飲み、純米吟醸 三重山田錦では「メロン香る唯一無二」と書いています。味の記憶は、はっきりあります。

 

十四代 革新 秘伝玉返し 日本酒

 

それが今回の原価酒蔵では、十四代 革新 秘伝玉返しは「薄い」。甘さが前に出てこず、後半に苦味が残る。而今 特別純米 生は、本来のメロンのような果実感が引っ込んで、代わりに苦味と重さ、後からツンと来る感じがありました。見せ瓶のラベルは間違いなく十四代であり而今。でも御猪口の中身が、私の記憶の十四代と而今ではなかった。

 

 

新政も同じでした。No.6 S-typeは、生酒らしいガス感と酸が「無くはない」程度で、記事では「肩透かし」と書きました。コスモスは一緒に飲んでいた相手も無反応で、二人とも「これが新政か」という顔にならなかった。その記事では「コスモスはこういう酒だと断言できる内容にはなりませんでした」と締めています。

 

 

この夜の4本に共通していたのは、「本来あるはずの甘みと香りが抜けて、辛みと苦みが前に出ている」という方向性です。これは家で飲みかけの日本酒を放置したときの変化と、よく似ています。だから冒頭の「4分の1残して3週間」という例えになりました。一方で、同じ夜の最後に飲んだ三井の寿 +14 大辛口は、もともと大辛口の酒なので違和感がなく、普通に美味しかった。甘みと香りで勝負する酒ほど、違和感が大きかったのです驚き

 

 

もちろん、私の側の要因も否定できません。下戸で、4本目には酔いが回る。期待値が高すぎた。体調。飲む順番。御猪口の形。そういう要因で味が変わることは、このブログでも何度も書いてきました。「自分の味覚が信用できない」というのが、この記事の出発点です。だから一人で結論を出さず、人に聞くことにしました。

 

 

三井の寿 日本酒 画像

三井の寿 +14 の見せ瓶。背景の冷蔵ケースの小瓶が、このお店の提供方法です。

 

 

Xで聞いてみたら、こんな声が届いた

 

 

Xに投げた質問には、想像以上に多くの反応がありました。コメントの中身を、個人が特定できない形で要約します。

 

 

まず多かったのが、「酒の味はタンクや日によって変わる。人気の酒だから絶対に美味しいわけではなく、外れもある」という意見。これは日本酒の基本で、私も頭では分かっています。ただ、同じ夜に4本続けて「外れ」を引く確率は、そう高くないはずです。

 

 

次に、原価酒蔵の常連とみられる方からの体験談。「グランドメニューの楽器正宗で同じことを感じ、仲の良い店員さんに『味違わね?』と話したら、新しい瓶を封切ってもらった。確かに味が違った」。この方は「偽物を詰めているとは全く思っていない」と前置きした上で、「小瓶の洗浄不足や乾燥不足があったのかな、と当時は思った」と書いてくれました。小瓶を繰り返し使うなら、洗浄と乾燥は確かに味に影響しそうです。

 

 

別の方は、「自分はたまたまハズレロットの小瓶を引いたかもしれない。でも薄めるとか偽物を詰めるとか、そんな小細工をする店でないことだけは書き記しておく。あのラインナップをあの価格で出し続ける企業努力には頭が下がる」と。この姿勢は、私もまったく同じです。

 

 

日本酒に詳しい方からは、「酒器、飲む順番、ペアリング、温度、体調で味の感じ方は大きく変わる。それくらい繊細な酒が日本酒」という、私の側の要因を指摘する声。そして一番ドキッとしたのが、「自分も全く同じ感想。開栓してから時間が経っている、中身が入ったままの瓶を客席に置くなど適切に冷蔵されていない、といった要因が考えられる。而今で苦みや重み、後からツンと来る感じがあった」というコメント。私の感じた而今の違和感と、言葉までほぼ一致していました。

 

 

Xの外でも聞いてみました。知り合いのソムリエは「小瓶に移しても、それ自体で味は変わらないはず」。知人は「原価酒蔵ではその日のうちに小瓶に移しているはず」。そして行きつけの酒屋さんは「酒器や温度が冷えすぎて香りが立たなかった可能性はある。ただ、小瓶に移す意味が分からない。開けたてが一番うまい!」と、きっぱり。三者三様で、答えは一つになりませんでしたびっくり

 

 

考えられる原因を整理してみた

 

 

集まった声と、日本酒の保存に関する一般的な知識を合わせて、原因の候補を整理します。どれが正解かは分かりません。あくまで「ありうること」の一覧です。

 

 

①開栓してからの時間

 

 

日本酒は開栓した瞬間から空気に触れ、酸化が始まります。ワインほど敏感ではないものの、生酒や香りの華やかな酒ほど変化は早い。冷蔵保存でも「2週間程度が楽しめる目安」と書く専門家もいます。一升瓶を開けて小瓶に分けた日と、私が飲んだ日の間に何日あったのか。ここが一番知りたい点です。限定酒は注文が少ない分、小瓶が冷蔵庫で眠る時間も長くなりそうです。

 

 

②小分けのときの空気接触と、小瓶の状態

 

 

一升瓶から50mlの小瓶に移す作業では、酒が空気に触れ、小瓶の中にも空気が残ります。60mlの瓶に50ml入れれば、空気の割合は一升瓶に少し残した状態と同じです。さらに常連さんの指摘にあった、小瓶の洗浄と乾燥。繰り返し使う容器なら、前の酒の残りや水気が混ざる可能性はゼロではない。「4分の1残して放置」の例えは、まさにこの状態の味です。

 

 

③温度

 

 

酒屋さんの見立てです。冷やしすぎると香りが立たず、甘みも感じにくくなる。日本酒の適温は7〜10度ほどと言われ、華やかな酒は10度を超えたあたりで香りが開くという解説もあります。小瓶が冷蔵ケースでキンキンに冷えていたなら、十四代の甘みが引っ込んで見えた説明にはなる。ただ、苦味が出ることの説明にはなりにくい。

 

 

④タンク・ロット差、そして自分の側

 

 

同じ銘柄でもタンクが違えば味は違う。体調、酔い、飲む順番、期待値。これらを否定する材料は私にはありません。一つだけ言えるのは、4本中4本で同じ方向にズレた、ということ。もしロット差や体調だけが原因なら、ズレの方向はばらばらになるはずです。

 

 

逆に、私が「ない」と思っている仮説も書いておきます。薄めている、別の酒を詰めている、といった意図的な行為は、まったく疑っていません。常連さんの言葉通り、そういう小細工をする店なら、このラインナップを何年も続けられないはずです凝視

 

 

原価酒蔵の中の人へ、教えてください飛び出すハート

 

 

ここまで書いて、分かったことがあります。外からは、どうしても分からない。小瓶に移した日付、冷蔵庫の温度、小瓶の洗浄方法、限定酒の回転。すべてお店の中にしかない情報で、お客側で確かめる手段がありません。公式の案内にある「鮮度を保っています」という言葉を、信じたい。でも信じるための材料が、今は足りない。

 

 

だからこの記事は、お店への質問状のつもりで書いています。①小瓶への小分けは、いつ、どのくらいの頻度で行っていますか。②小分け後の小瓶は、何度で、最長何日まで提供しますか。③「味が違う」と感じたお客さんに、封切りの瓶から注ぎ直す対応はありますか。④小瓶に別ける提供方法について、味の変化などに対して十分な検証を行いましたか。この4つが分かれば、私のモヤモヤの大半は晴れると思います。

 

 

そして、もし「開けたて」を売りにする日が来るなら、それはこの店の最強の武器になるはずです。十四代を390円で飲めて、しかも開けたて。そんな店は日本のどこにもありません。「次に行ったときは、封切りをお願いしてみる」。それが今の私にできる、いちばん建設的な検証です。結果はまたこのブログで報告します。

 

 

最後に読者の皆さんへ。原価酒蔵で「あれ?」と思ったことがある方も、「いや、普通に美味しかったよ」という方も、ぜひコメントやXで教えてください。同じ店、同じ銘柄で、違う感想が集まるほど、真実に近づけるはずです。十四代と而今が本来の姿で飲める店が増えることを願って、今回はここまでおねがい

 

 

あわせて読むともっとお酒に詳しくなれる関連記事↓

日本酒原価酒蔵 大宮店で飲んだ酒の記事

過去に飲んだ十四代・而今の記事

日本酒の味の感じ方をもっと知る