こんばんは!まずは皆さん、乾杯っ!日本酒

 

 

今回は福岡県の地酒、「三井の寿 +14 純米吟醸 山田錦 大辛口」をご紹介します。赤いラベルに大きく「+14」。日本酒好きなら一度は見たことがあるかもしれませんし、バスケ好きなら「ん?」と引っかかる数字かもしれません。そう、あの『SLAM DUNK』の三井寿にゆかりのあるお酒です。

 

三井の寿 +14 純米吟醸 山田錦

 

 

日本酒原価酒蔵は、その名の通り日本酒を「原価」で提供してくれるお店で、日本酒を頼む時に入場料がかかる仕組みで、十四代や新政といった入手困難な銘柄も、1杯からリーズナブルに飲み比べができるのが魅力。下戸の自分にとっては、瓶で買う勇気が出ない憧れの銘柄を、少量ずつ確かめられるありがたい場所です。大宮店は冷蔵ショーケースにずらりと一升瓶が並んでいて、眺めているだけでも楽しいんですよね。

 

 

飲んだのは、以前「日本酒原価酒蔵 大宮店」に行った時の話になります。この日は欲張りな日で、新政 No.6とコスモスを飲み、さらに「十四代 革新 秘伝玉返し」と「而今 特別純米 生」まで飲みました。下戸にしてはなかなかの銘柄ラインナップです(笑)

 

 

ただ、十四代 革新 秘伝玉返しと而今 特別純米 生については、以前飲んだ時と味わいが違ったように感じまして、新政についても少し疑問が残る結果に…。自分の体調やロットなどによっても味わいは違って感じる様ですが、憧れの銘柄だけに、ちょっと複雑な気持ちになったのも正直なところです。

 

 

という流れで、その日の最後に飲んだのが「三井の寿 +14 純米吟醸 山田錦 大辛口」です。こちらは『SLAM DUNK』に登場する「三井寿」と繋がりのあるお酒なのですが、この酒蔵や地域、酒と、作者の井上雄彦先生や登場キャラクターとの関わりを店員さんが教えてくれて、スラムダンクファンとしては「へぇ~~!」と興味が湧くばかりでした。

 

 

有名銘柄を続けて飲んで少しモヤモヤしていたところに、店員さんのトークで一気にテンションが戻ってきた一杯。名前の由来の話は後ほどじっくり書くとして、まずはこのお酒そのものを確かめてみたいと思いますウインク

 

 

三井の寿 +14 純米吟醸 山田錦 大辛口とは?

三井の寿 +14 純米吟醸 山田錦 大辛口

 

「三井の寿(みいのことぶき)」を醸すのは、福岡県三井郡大刀洗町の株式会社みいの寿(旧・井上合名会社)。創業は1922年(大正11年)で、2022年に100周年を迎えた蔵です。大刀洗町は筑後平野のほぼ真ん中にある小さな町で、南東に筑後川、町内には小石原川が流れています。蔵の仕込み水は、この小石原川の伏流水を敷地内の井戸から汲み上げたものだそうです。町名の「大刀洗」は、南北朝時代の武将・菊池武光が戦いの後に太刀を洗った川に由来するという伝説があり、なんとも歴史を感じる地名です。

 

 

この蔵の一番の特徴は、普通酒を一切造らない、100%特定名称酒の蔵であること。約40年前、先代がフランス・ボルドーの5大シャトーを視察したことをきっかけに、純米酒へと舵を切ったと言われています。酒米は糸島産の山田錦を中心に使い、現在は4代目の蔵元杜氏・井上宰継(ただつぐ)さんが酒造りを担っています。モットーは「酒造りは科学とセンスと情熱」。全国新酒鑑評会でも金賞12回という実績を持ち、蔵では直販を行わず、全国およそ110店の地酒専門店だけで扱われているそうです。ちなみに蔵の限定シリーズには、山廃で醸す「美田(びでん)」という銘柄もあり、こちらも地酒ファンの間では人気のようです。福岡の山田錦と言えば、以前ご紹介した田中六五も糸島産でしたねニコニコ

 

三井の寿 +14 純米吟醸 山田錦 大辛口

 

さて、本題の「三井の寿 +14 純米吟醸 山田錦 大辛口」。2013年に発売された銘柄で、名前の通り日本酒度は+14。一般的に+6以上で「大辛口」と呼ばれることを考えると、かなり振り切った数字です。そしてアルコール度数は14度。精米歩合は60%、原料米は山田錦です。蔵のラインナップの中でも、この「+14」は数字をそのまま名前にした、ひときわ個性的な一本と言えます。

 

 

そして、この「14」という数字こそが『SLAM DUNK』との接点。作者の井上雄彦先生は、著書『漫画がはじまる』の中で、三井寿という名前は日本酒の「三井の寿」から取ったと語っています。蔵元や酒販店の話では、井上先生がこのお酒を大好きだったことから名前に取り入れたと伝えられています。つまり、お酒の名前が先で、キャラクターが後。蔵元もこの話を「公言されている」と認識しているそうで、このお酒はアルコール度数を三井寿の背番号と同じ「14」に合わせて造られたと言われています。発売日も三井寿の誕生日である5月22日に設定されたとのこと。ネットでは「+14から背番号が決まった」という話も見かけますが、お酒の発売が2013年なので、それは逆ですね。

 

 

店員さんが教えてくれた話はこれだけではありません。蔵のある大刀洗町のすぐ近く、うきは市には「流川(ながれかわ)の桜並木」という桜の名所があり、ファンの間では「流川」と「桜木」の名前の由来ではないかと言われているそうです。さらに桜木軍団の大楠・野間・高宮は、福岡市南区に同じ名前の地名が集まっていることから、そこが由来と紹介されることも。井上先生ご自身は流川について「川を付けたかった」「ラ行が珍しい」と語っているので、流川と桜木は公式というよりファンの説ですが、三井の寿の蔵の周りにこれだけスラムダンクの名前が揃っていると、偶然とは思えなくなってきますよね。

 

 

赤地に黒い「+14」のラベルは、まるでユニフォームの背番号のようなデザイン。一方で、通常の白いラベルには筆文字で「三井の寿」と大きく書かれていて、こちらは昔ながらの地酒の顔つきです。この日飲んだ一升瓶には、どちらのラベルも貼られていました。味わいについては「軽快でキレのある辛口」と評されることが多いようですが、果たして下戸の口にはどう映るのか。日本酒度+14という数字に正直ビビりながら、いざ。

 

 

三井の寿 +14 純米吟醸 山田錦 大辛口をチェック!

 

三井の寿+14 日本酒 日本酒原価酒蔵

日本酒原価酒蔵 大宮店のカウンターに置かれた一升瓶。

赤いラベルの「+14」が背番号のよう。

 

 

三井の寿+14 日本酒 グラス

小ぶりなグラスに一杯。

色はほぼ透明で、とてもクリアです。

 

 

三井の寿 +14 山田錦 大辛口 日本酒

反対側は筆文字の白ラベル。

「純米吟醸 大辛口 山田錦」の文字と、小さく「みいのことぶき」の読み仮名。

醸造元は株式会社みいの寿とあります。

スペックは以下の通り。

 

 

銘柄 三井の寿 +14 純米吟醸 山田錦 大辛口
特定名称 純米吟醸酒
蔵元 株式会社みいの寿(旧・井上合名会社)(福岡県三井郡大刀洗町大字栄田1067-2・創業1922年)
原料米 山田錦
精米歩合 60%
日本酒度 +14(大辛口)
アルコール分 14度
容量 1800ml(720mlもあり)
参考価格 720ml 1,804円/1800ml 3,608円前後(税込・実勢)
飲んだ場所 日本酒原価酒蔵 大宮店

 

 

三井の寿 +14 純米吟醸 山田錦 大辛口を飲んでみての評価

 

新政、十四代、而今と続いた後の最後の一杯。正直、舌も頭も少しお疲れ気味で、しかもこれから飲むのは日本酒度+14の大辛口です。下戸の自分にとって「大辛口」は、アルコールの刺激がガツンと来て喉が焼けるイメージ。

 

 

グラスを持つ手にも、ちょっとだけ力が入ります。でも、店員さんの熱いスラムダンクトークを聞いた直後。三井寿が「安西先生…バスケがしたいです」と言ったあの気持ちで、覚悟を決めてグラスを鼻に近づけます。

 

 

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+14の看板に身構えたら、リンゴの香りが肩の力を抜いてくれた。

 

 

 

 

まず香り。香りは綺麗なリンゴのような涼やかな香りです。大辛口というと、どこか無骨でドライな印象を想像していましたが、グラスから立ち上るのは青リンゴを思わせる爽やかな吟醸香。これは意外。「+14」の赤ラベルのイメージとはだいぶ違う、品のある立ち上がりです。

 

 

そして飲み口。日本酒度+14の大辛口というので覚悟しておりましたが、思いのほかスッキリ目。一口目で「あれ?」と拍子抜けするくらい、入り口は軽やかです。真ん中はさっぱり感がありつつも、米の旨味とコクがしっかり感じられる味わいで、辛口=味が薄い、というわけではまったくありません。山田錦らしい、ふくよかな旨味がちゃんと芯にあります驚き

 

 

余韻はきゅうっと辛口だけど良いキレがあります。この「きゅうっ」が気持ち良くて、口の中がすっと片付く感じ。甘みが残らないので、次の一口、次の料理へと自然に手が伸びます。辛口の酒の良さって、まさにこの切れ味ですよね。香りの華やかさと余韻のキレ、この落差が心地良いです。

 

 

この飲みやすさの理由を考えると、やはりアルコール度数が14度とやや低めなのが大きいと思います。+14という振り切った日本酒度と、14度という控えめな度数。この組み合わせだからこそ、この飲みやすい飲み口のバランスが生まれたものと思われます。度数の高い大辛口だったら、下戸の自分は一口でギブアップしていたかもしれません。

 

 

食事との相性で言えば、さっぱりとキレる酒質なので、刺身や焼き魚、だし巻き卵のような和食はもちろん、唐揚げや餃子のような油ものを流すのにも向いていそうです。原価酒蔵のつまみとも素直に合いました。しっかりしたタレ系の料理より、素材の味を活かした料理の方が、この酒の旨味が引き立つと思います。

 

 

総合すると、「大辛口」という看板に身構えていた自分が、一番素直に「美味しい」と言えた一杯でした。その日に飲んだ有名銘柄たちに少しモヤモヤしていた分、このお酒の素直な美味しさが際立った、というのもあるかもしれません。でもそれを差し引いても、辛口が苦手な下戸にこそ試してほしい大辛口だと思います。評価は★★☆としましたが、辛口好きの方なら文句なしの★★★でしょう照れ飛び出すハート

 

 

今日は漫画でペアリング!

 

 

今回のペアリング作品は、もうこれしかありません。井上雄彦先生の漫画『SLAM DUNK(スラムダンク)』です。1990年から1996年まで週刊少年ジャンプで連載されたバスケットボール漫画で、神奈川県の湘北高校に入学した喧嘩っ早いバスケ未経験の1年生・桜木花道が、ひょんなことからバスケ部に入部し、仲間たちと共に全国大会を目指す物語。バスケ漫画の金字塔であり、2022年には映画『THE FIRST SLAM DUNK』も公開されて、世代を超えて愛され続けている作品です。

 

 

このお酒との共鳴ポイントは、言うまでもなく背番号14・三井寿。中学MVPの天才シューターでありながら、怪我をきっかけにバスケから離れ、荒れた生活を送っていた三井が、バスケ部に戻ってくるあの場面。「安西先生…バスケがしたいです」のセリフは、漫画を読んだことがない人でも知っているほどの名シーンです。その三井寿の名前が、この福岡の小さな蔵のお酒から取られていたと知ると、なんだか不思議な縁を感じます。

 

 

もう一つの共鳴ポイントは、「見た目と中身のギャップ」。三井寿は長髪の不良として登場しますが、その正体は誰よりもバスケを愛する、繊細で努力家のシューターでした。このお酒も同じで、「+14」の赤ラベルと「大辛口」の看板は強面なのに、実際に飲むとリンゴのような香りで、14度の軽やかな飲み口。一度身構えてから「なんだ、いいやつじゃないか」となるところが、三井寿そのものです。

 

 

そして三つ目は「スタミナ切れからの一本」。三井は約2年のブランクのせいでスタミナがなく、試合終盤には足が止まってしまいます。それでも最後に放つ3ポイントシュートが、チームを救う。この日の自分も、新政、十四代、而今と続けて飲んで、舌も体力も終盤でヘロヘロ。そこに来た最後の一杯が、一番気持ち良く決まった。この構図、まさに三井寿の試合運びです(笑)

 

 

読者の皆さんへの提案としては、ぜひ『SLAM DUNK』の山王戦、つまり単行本の終盤を読み返しながら、この+14を一杯。三井が「静かにしろい この音が…オレを蘇らせる 何度でもよ」と言うあの場面で、きゅうっとキレる辛口を飲んでみてください。14という数字が、読んでいる間ずっと頭から離れなくなるはずです。映画版から入った方も、ぜひ原作で三井寿の背景を味わってみてほしいですおねがい

 

 

下戸の酒好き評価点

 

 

※下戸の酒好き評価は味の良し悪しを計るものではありません。

下戸で酒初心者の私があくまで個人的な感覚で評価したものになります。

 

 

★★☆

 

 

★★★ … 下戸にも酒初心者にもオススメしたい

★★☆ … 下戸、酒初心者に丁度良く幅が広がる

★☆☆ … 下戸、酒初心者には少し理解が難しい

 

 

三井の寿 +14 純米吟醸 山田錦 大辛口の価格&どこで買える?

 

さて、この「三井の寿 +14 純米吟醸 山田錦 大辛口」のお値段です。参考価格は720mlで1,804円、1800mlで3,608円前後(税込・実勢)。純米吟醸の山田錦でこの価格なら、かなり良心的だと思います。この日は原価酒蔵でグラス1杯だったので、瓶で買うならこのあたりが目安です。一升瓶で3,000円台なら、晩酌酒として常備するのも現実的な価格帯ですね。

 

 

ただし、この蔵は蔵元直販を行っておらず、全国およそ110店の地酒専門店のみで販売されています。福岡県内では、とどろき酒店や住吉酒販といった有名酒販店で扱いがあるそうです。関東では取扱店が限られますので、地元の地酒専門店で「三井の寿ありますか?」と聞いてみるのが早いと思います。スラムダンクファンへのプレゼントとしても、赤い「+14」のラベルはインパクト抜群です。

 

 

店頭で見つからない場合は、楽天市場やAmazonで「三井の寿 +14」と検索すると、取扱店のネットショップが見つかります。特約店系のショップであれば、品質管理も安心です。なお、十四代や而今のようなプレミア価格はついていませんので、適正価格で買える「名前の由来を語れる酒」として、飲み会のネタにも最適です。

 

 

辛口が苦手な方、下戸の方にこそ試してほしい、不思議なくらい飲みやすい大辛口。日本酒の「辛口」について、もう少し知りたい方は日本酒入門の記事もあわせてどうぞ。それでは、三井寿のように、終盤でも気持ちよく一本決めてくださいウインク

 

 

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