こんばんは!まずは皆さん、乾杯っ!![]()
前回のつづきとなります。福岡県の宮若市にできたクラフトビール醸造所「FUKUHAKU BREWERY(フクハクブルワリー)」さんから、ありがたいことにビールをご提供いただきました。人生初の案件からの、うれしいシリーズ紹介です。前回は看板シリーズ「PROUST(プルースト)」の中から「PROUST NE IPA」をご紹介しましたが、今回はその第2弾![]()
ご紹介するのは「PROUST West Coast IPA(ウエストコーストIPA)」です。いただいたのは他にも「PROUST セゾン」と、前回紹介した「PROUST NE IPA」の全3種。眺めているだけでも個性の違いが伝わってきて、飲み比べが楽しみなラインナップです。さて、この「West Coast IPA」、シリーズの中では一番苦みが強く、ドライなビールという位置づけなのだそう![]()
正直に白状しますと、私、苦いビールは少々不得手……。下戸ゆえ、あのガツンとくる苦味には、いつもちょっぴり身構えてしまうのです。前回のNE IPAは「一番苦味が少なめ」という優しいタイプだったので楽しめたのですが、今回はいわば対極。シリーズ最強の苦味くん、はたして下戸の私に、どんな感じに楽しめるでしょうか……!?緊張と好奇心が入り混じります。
とはいえ、苦味というのは大人の嗜好。前回も書きましたが、コーヒーやお茶と同じで、その奥深さを楽しめるようになったら一人前。今回はそんな「苦味の階段」を、また一段のぼるチャンスかもしれません。ご提供いただいた手前、いつも以上にドキドキですが、そこはいつも通り、忖度なしの正直な感想でお届けしますね![]()
それにしても、同じ醸造所の同じシリーズなのに、こうして一本ずつ表情がまるで違うというのは、飲み手としてなんとも楽しいものです。前回のNE IPAは、ジューシーで香り高く、下戸でもするする飲める優等生。対して今回のWest Coast IPAは、苦味とキレで攻めてくる硬派なタイプ。まるで兄弟でも性格が正反対、みたいな面白さ。造り手さんが一本ごとに個性をしっかり描き分けているのが伝わってきて、飲む前からもう感心してしまいます。さあ、この硬派な弟くん、下戸の舌をどう楽しませてくれるのか。いざ、実飲です![]()
PROUST West Coast IPAとは?
まずは造り手のおさらいから。FUKUHAKU BREWERYを運営するのは、福岡県宮若市の「有限会社福博瓦工業」さん。その名のとおり、もともとは瓦やリフォームを手がける会社で、クラフトビール醸造はまさに新規事業としての挑戦。2025年5月にオープンした、できたてほやほやの醸造所です。屋根瓦のプロたちが、今度はビール造りに情熱を注ぐ——なんとも胸が熱くなる異業種チャレンジですよね。醸造所にはタップルームも併設されていて、地元の憩いの場になっているそうです![]()
ブランド名「PROUST」の由来は、フランスの作家マルセル・プルーストにちなんだ「プルースト効果」——ある香りをきっかけに、忘れていた記憶がふっと蘇る現象。ラベルにも英文で「香りは、ふとした瞬間に過去の記憶を呼び覚まし、感情と記憶を結びつける」という趣旨の言葉が添えられています。FUKUHAKU BREWERYが目指すのは「香りで記憶に残るビール」。飲んだ人の心に、香りとともに思い出として刻まれる一杯を——そんな素敵な想いが込められているのです![]()
さて、今回の「West Coast IPA(ウエストコーストIPA)」。これは、アメリカ西海岸で発展した伝統的なIPAのスタイルで、クリアな見た目と、ホップの効いたしっかりした苦味・ドライなキレが特徴。前回のNE IPA(ニューイングランドIPA)が「濁り・ジューシー・苦味控えめ」だったのに対し、West Coast IPAは「クリア・柑橘ホップ・苦味しっかり」と、まさに好対照。同じIPAでも、こんなに方向性が違うのかと驚かされます。飲み比べると、その違いがはっきり分かって面白いんですよ![]()
スペックを見てみると、裏ラベルの品目は発泡酒(麦芽使用率80%以上)。原材料は麦芽(イギリス製)、ホップ、カラギナン。NE IPAより麦芽の使用率が高く、麦芽もイギリス製というのがこだわりポイント。アルコール度数は7.0%、苦さの指標IBUは45と、NE IPA(IBU20)の倍以上!数字にも、この苦味への本気度が表れています。内容量は330mlで、非熱処理・要冷蔵の本格派。若宮のおいしい水とアメリカ産ホップが織りなす、香り高くもドライな一杯です![]()
ちなみに「IBU」というのは、International Bitterness Units(国際苦味単位)の略で、ビールの苦味の強さを数値で表したもの。数字が大きいほど苦い、というわかりやすい指標です。一般的なピルスナーが20〜30台といわれるので、IBU45というのは、なかなかしっかりめの苦味。とはいえ、苦味は数字だけでは語れないのが面白いところ。同じIBUでも、麦芽の甘みやホップの香り、炭酸との兼ね合いで、感じ方はまるで変わってくるのです。イギリス製の麦芽をたっぷり使い、アメリカ産の華やかなホップを効かせたこの一本が、45という数字をどう着地させているのか——飲む前から興味は尽きません![]()
PROUST West Coast IPAをチェック!
白いラベルにホップのイラストと「PROUST」の青い文字。
プルースト効果を語る英文が添えられ、「West Coast IPA/alc.7.0%/IBU45/330ml」の表記も。
グラスには澄んだアンバー色。
グラスに注ぐと、透明感のある美しいアンバー色。
きめ細かな白い泡が立ち、NE IPAの濁りとはまた違う、クリアで凛とした佇まいです。
「PROUST West Coast IPA」、品目は発泡酒(麦芽80%以上)、原材料は麦芽(イギリス製)・ホップ・カラギナン。7.0%、330ml、製造は有限会社福博瓦工業(宮若市上大隈2-1)、非熱処理・要冷蔵です。
| 銘柄名 | FUKUHAKU BREWERY PROUST West Coast IPA |
|---|---|
| 品目・スタイル | 発泡酒(麦芽使用率80%以上)/ウエストコーストIPA(クリア・ドライ) |
| 醸造所 | 有限会社福博瓦工業(FUKUHAKU BREWERY)/福岡県宮若市上大隈2-1/2025年5月開業 |
| 原材料 | 麦芽(イギリス製)、ホップ、カラギナン |
| アルコール度数・IBU・容量 | 7.0%/IBU 45/330ml(非熱処理・要冷蔵) |
| 購入先 | タップルーム(木〜日)/公式オンラインストア(proustbeer.com)ほか |
PROUST West Coast IPAを飲んでみての評価
さあ、いよいよシリーズ最強の苦味くんと対面です。IBU45という数字は、正直、苦いビールが苦手な下戸にはなかなかのプレッシャー。でも、あの香り豊かなNE IPAを造った蔵の一本ですから、きっとただ苦いだけじゃないはず。
そう信じて、まずはよく冷やした一杯を、グラスへ。澄んだアンバー色を眺めながら、香りからじっくり確かめていきましょう。緊張の一口目です![]()
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柑橘香る、心地よい大人の苦味
まずは見た目から。色はやや濁りがかったアンバー色。そして香りをかぐと——おお、これは!とてもフルーティで、気持ちいいくらい華やかな柑橘系のアロマが愉しめます。苦いビールと身構えていたのに、この香りの華やかさは嬉しい誤算。グレープフルーツやオレンジを思わせる、みずみずしいホップの香りが鼻をくすぐります。さすがは「香りで記憶に残る」がコンセプトのPROUST、苦味重視のWest Coastスタイルでも、香りの作り込みはしっかり健在です![]()
ひと口飲んでみると、口当たりは意外にもマイルド。そこへやさしい炭酸がぎゅっと集まってくる感じがあって、これがなんとも心地良いのです。そして、いよいよ来ました、苦味と渋みがぎゅぎゅっと。おお、たしかにしっかり苦い!でも、モルト感の奥にほんのりとした甘みも潜んでいて、ただ苦いだけじゃない奥行きがあります。この甘みが、苦味の角をやわらげてくれているんですね![]()
そして、のどの奥にグイグイっと流し込むと——口の中いっぱいに気持ちいい柑橘フレーバーが広がり、炭酸のキレも相まって最高に爽快。まさに、暑い夏の夜にごくごく飲みたくなる爽快感です。飲み込んだあとは、IPAらしい苦味が口の中をドライにキュッと引き締めてくれるのです。この「ドライな余韻」こそ、West Coast IPAの真骨頂。ダラダラと甘さが残らず、スパッと切れるから、次の一口、次のおつまみへとどんどん進みたくなる。苦いのが少々苦手だったはずの下戸が、気づけば「もう一口」と手を伸ばしているのだから不思議なものです。華やかな香りで惹きつけ、しっかりした苦味で満足させ、ドライなキレで次を誘う——この緩急の効いた設計こそ、なるほど大人がハマるわけだ、と納得の美味しさでした![]()
この日のお供は、セブンイレブンのゴーヤチャンプルー。
ゴーヤ・にんじん・玉ねぎ・豚肉・卵の彩り豊かな一皿。夏らしい晩酌の始まりです。
この日のお供は、セブンイレブンのゴーヤチャンプルー。じつはそんなに苦くないゴーヤーで、単体だと少し物足りなかったのですが……これがビールの苦味と丁度良く相まって、ゴーヤの苦味を補い合うような、絶妙なペアリングに。ビールのドライなキレが、卵と豚肉のコクをさっぱり流してくれるのも心地よく、箸もグラスもどんどん進みます。苦味×苦味で、夏らしい、実に気持ちのいい晩酌ができました。個人的には、NE IPAよりも香りが印象的だったかも——とはいえ、あくまで素人下戸の意見ですけどねw 苦味を愛せる方なら文句なし、下戸目線では★★☆とさせていただきます![]()
今日は映画でペアリング!
華やかな香りの奥に、ドライでビターなキレを秘めたこの一杯。合わせたいのは、濱口竜介監督の映画『ドライブ・マイ・カー』です。村上春樹さんの短編を原作に、妻を失った寡黙な舞台俳優・演出家の家福が、専属ドライバーの女性とともに、静かに喪失と向き合い、再生へと歩んでいく——カンヌ国際映画祭の脚本賞、そしてアカデミー賞国際長編映画賞に輝いた、大人のための名作です。
なぜこの映画かというと、まず両者に共通する「静かなビターさ」という一点。派手さや熱血とは無縁の、抑制のきいた、大人の苦みと余韻に満ちた物語。それはまさに、華やかな柑橘の香りの奥に、しっかりとしたドライな苦味を湛えるこのWest Coast IPAの味わいそのものです。声高に主張するのではなく、静かに、じんわりと心に沁みてくる——そんな「引き算の美学」と「ビターな余韻」が、映画とお酒で見事に重なります![]()
そしてもうひとつ。この映画は、「記憶」と「喪失」をめぐる物語です。亡き妻の声を吹き込んだカセットテープ、赤いサーブの車内に流れる対話——ふとした音や風景が、封じ込めた記憶を呼び覚ましていく。これはまさに、PROUSTのコンセプトである「プルースト効果=香りで記憶が蘇る」と、地続きのテーマなのです。香りが記憶を連れてくるビールと、音や言葉が記憶を連れてくる映画。「記憶」という糸で、二つが静かに結ばれています![]()
それに、この映画が持つ「余韻の長さ」も、West Coast IPAとよく似ています。観終わったあとも、登場人物たちの言葉や沈黙が、しばらく胸の中に静かに残り続ける。飲み込んだあとも口の中にドライな苦味の余韻が長く続く、このビールと同じ。すぐに消えてしまわない、噛みしめるほどに味わい深い余韻こそ、大人の嗜みなのだと教えてくれます![]()
3時間という長い上映時間を、赤いサーブとともにゆっくりと旅するように。焦らず、静かに、大人の時間を味わう夜。そんな夜には、ドライでビターな余韻を残すこの一杯がぴったりです。派手に酔うのではなく、しみじみと心を満たす——West Coast IPA片手に、忘れられない映画体験に浸ってみてください![]()
下戸の酒好き評価点
※下戸の酒好き評価は味の良し悪しを計るものではありません。
下戸で酒初心者の私があくまで個人的な感覚で評価したものになります。
★★☆
★★★ … 下戸にも酒初心者にもオススメしたい
★★☆ … 下戸、酒初心者に丁度良く幅が広がる
★☆☆ … 下戸、酒初心者には少し理解が難しい
PROUST West Coast IPAの価格&どこで買える?
さて、気になる購入方法です。FUKUHAKU BREWERYの「PROUST」シリーズは、まず醸造所に併設されたタップルーム(木曜〜日曜営業)で、できたての一杯を楽しめます。宮若市までドライブがてら、家族で立ち寄るのもよさそうですね。少量サイズから飲み比べセットまであるので、NE IPA・セゾン・West Coast IPAの3種の個性を、その場で飲み比べるのも贅沢な体験になりそうです。
「近くに行くのは難しい……」という方は、公式オンラインストア(proustbeer.com)をチェック。PROUST3種の瓶ビールを、クール便でお取り寄せできます。今回のWest Coast IPAは、シリーズの中でも苦味とキレを楽しみたい大人向け。ホップの効いたビールが好きな方や、食事に合わせてキリッと飲みたい方に、とくにおすすめです。おしゃれなラベルはギフトにも喜ばれそう![]()
ぜひ、前回のNE IPAと飲み比べてみてほしいのが正直なところ。「濁りジューシーで香り高いNE IPA」と「クリアでドライな苦味のWest Coast IPA」——同じ蔵の同じPROUSTでも、こんなに表情が違うのかと、きっと驚くはずです。瓦職人さんたちの挑戦から生まれた、香り高きクラフトビール。福岡・宮若の小さなブルワリーの実力を、ぜひ味わってみてくださいね。FUKUHAKU BREWERYさん、素敵なご縁を本当にありがとうございました![]()
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