こんばんは!まずは皆さん、乾杯っ!ロックグラス

 

 

前日に飲んだ「シーバスリーガル12年」がとても美味しかったので、この流れで「シーバスリーガル ミズナラ12年」を飲んで、飲み比べをしてみようと手に取りました。前回の記事で「ラインナップにはミズナラ12年もある」と自分で書いておいて、飲まないわけにはいきませんよね。2年も棚で寝かせていた通常版の反省を活かして、こちらは早めに開栓です(笑

 

シーバスリーガル ミズナラ12年ボトル

 

ボトルを並べてみると、まず色が違います。通常版の金とワインレッドに対して、ミズナラは青緑のキャップに同じ色のフォイル。ラベルの中央にはミズナラの葉をかたどった紋が入っていて、盾型ラベルの中に「MIZUNARA」「SPECIAL EDITION」の文字。同じシーバスの一族なのに、こちらはどこか和の香りのする顔つきなんですよね。

 

 

ミズナラと言ったら日本の木です。漢字で書くと「水楢」で、北海道などの寒い地域に育つ、どんぐりのなる木。そのミズナラの樽を使ったスコッチということで、これはかなり興味深いですね。山崎や響はミズナラ樽の原酒をブレンドに用いているそうで、ジャパニーズウイスキー特有のあの「お香」のような香りの正体だと言われています。そんな日本の木の樽で、スコットランドのブレンデッドウイスキーを仕上げたらどうなるのか。想像するだけでワクワクします。

 

 

以前、マツイウイスキーの「大山 ミズナラハイボール」を飲んだ時に、缶ハイボールなのに森のような香りがして驚いたことがありました。あれはジャパニーズウイスキーでしたが、今回は本場スコットランドの12年物がミズナラ樽と出会ったらどうなるのか。しかも前日に通常版を飲んだばかりなので、舌の記憶が新しいうちに違いを確かめられる絶好のタイミングです。

 

 

今回も350mlのハーフボトルで、前日と同じダブルウォールのグラスに丸氷を落としてオンザロックで。条件を揃えたほうが飲み比べの意味がありますからね。シーバスリーガルのミズナラ樽フィニッシュはどのように変化があるのか、とても楽しみです!ウインク

 

 

シーバスリーガル ミズナラ12年とは?

シーバスリーガル12年 ロゴ

造り手のシーバス・ブラザーズについては前回の記事で詳しく書いたので、今回はおさらい程度に。ルーツは1801年、スコットランド北東部アバディーンの食料品店。1843年にヴィクトリア女王から王室御用達を受け、1857年にシーバス兄弟が「シーバス・ブラザーズ」を設立しました。現在はフランスの酒類大手ペルノ・リカールの傘下で、日本の輸入元はペルノ・リカール・ジャパン株式会社です。

 

 

そしてブランドの「ホーム」は、スペイサイドの町キースにあるストラスアイラ蒸溜所。1786年創業でハイランド地方最古と言われる蔵で、今回のボトルの裏ラベルにも「PRODUCED BY CHIVAS BROTHERS LTD KEITH SCOTLAND」とキースの名が刻まれています。ここのモルトを軸にした「なめらかで甘い」ブレンドがシーバスの持ち味。その持ち味を、日本の樽でさらに一段引き上げようというのが今回のミズナラ12年ですニコニコ

 

シーバスリーガル ミズナラ12年ボトル

 

さて、「シーバスリーガル ミズナラ12年」は、2013年10月に日本市場限定で発売されたスペシャルエディションです。当時のマスターブレンダーだったコリン・スコット氏が、日本のために生み出したブレンド。世界的なブランドが、ひとつの国の市場のためだけに専用の商品を作るというのは、なかなか珍しいことなんですよね。それだけシーバスにとって日本が特別な市場だった、ということの証でもあります。

 

 

製法のポイントは「ミズナラ樽フィニッシュ」。12年以上熟成したモルトとグレーンの原酒をブレンドし、その一部を日本原産のミズナラ樽で後熟(フィニッシュ)させてから仕上げています。全量をミズナラ樽で寝かせるのではなく、一部だけを通すことで、シーバスらしいなめらかさは残しつつ、ミズナラの香りをふわっと重ねるという設計です。フィニッシュの期間は公表されていませんが、「ほんのり」ではなく「はっきり分かる」レベルで効いているとの評判で、そこが楽しみなところ。

 

 

ここでミズナラ樽について少しだけ。日本のウイスキーでミズナラ樽が使われ始めたのは1940年代、戦時中に海外から樽が輸入できなくなったことがきっかけだったそうです。ところがミズナラは材が柔らかくて原酒が漏れやすく、樽にするのがとても難しい木。しかも新樽では木の香りが強すぎて、当初の評価は決して高くなかったのだとか。それが長い年月をかけて熟成させると、伽羅や白檀のような、お香に似た独特の香りに変わることが分かり、今では世界中のウイスキーメーカーが欲しがる樽になりました。扱いにくさを我慢して使い続けた先に、唯一無二の香りが待っていたという、なんとも日本らしいストーリーです。

 

 

公式のテイスティングノートによると、香りはオレンジや洋梨のような甘い果実に、クリーミーなタフィー、ほのかなナッツ。味わいは「驚くほど甘くなめらか」で、熟した洋梨、ハチミツ、オレンジキャンディ、微かなリコリス(甘草)のニュアンス。余韻はバランスよく長い、とされています。通常の12年との違いについては、公式では「ミズナラがなめらかで豊かなシーバスらしさに、繊細で微かなスパイシーさを加える」という説明。受賞歴としては、ワールド・ウイスキー・アワード2019で銀メダルを獲得しています。

 

 

パッケージは2023年1月にリニューアルされていて、ボトルは丸い肩を残しつつ背が高くスリムに。ネックには金色の筆文字で「ミズナラ」と入り、和柄をあしらったラベルの中央にはミズナラの葉のモチーフが配されています。中身のブレンドは変わっていないそうなので、見た目が変わっても味は「あの」ミズナラのままです。姉妹品には、2020年に発売された「シーバスリーガル18年 ミズナラカスクフィニッシュ」(43度)もあり、こちらも日本限定。12年で気に入ったら次はそちら、という楽しみ方もできますね。

 

 

シーバスリーガル ミズナラ12年をチェック!

 

シーバスリーガル ミズナラ12年ボトルとグラス

青緑のキャップとフォイルが涼しげ。

盾型ラベルの中央にミズナラの葉の紋が入った350mlボトルです。

 

 

シーバスリーガル ミズナラ12年ボトルとロックグラス

丸氷の向こうに揺れる琥珀色。

通常版よりも少し濃く、オレンジがかった色合いに見えます。

 

 

シーバスリーガル ミズナラ12年 ボトルラベル

裏ラベルは深い緑を基調にした専用デザイン。

原材料はモルト・グレーン、アルコール分40%、内容量350ml、輸入元はペルノ・リカール・ジャパン。

下部に「KEITH SCOTLAND」の文字が見えます。スペックは以下の通り。

 

 

銘柄 シーバスリーガル ミズナラ12年(Chivas Regal Mizunara Aged 12 Years)
品目 ウイスキー
タイプ ブレンデッド・スコッチウイスキー(12年熟成・ミズナラ樽フィニッシュ)
原産地 スコットランド
樽・製法 12年以上熟成のモルト・グレーンをブレンド後、一部を日本原産ミズナラ樽で後熟
原材料名 モルト、グレーン
アルコール分 40%
内容量 350ml(ハーフボトル)/700ml も流通
発売 2013年10月(日本市場限定)
製造元 シーバス・ブラザーズ社(スコットランド・キース/ペルノ・リカール傘下)
輸入元 ペルノ・リカール・ジャパン株式会社(東京都文京区後楽2-6-1)

 

 

シーバスリーガル ミズナラ12年を飲んでみての評価

 

丸氷の入ったグラスに注ぐと、前日の通常版よりもほんの少し濃い、オレンジがかった琥珀色。注いでいる最中から、グラスの上にふわっと甘い香りが立ち上ってきて、思わず「おっ」と声が出ました。前日の記憶がまだ舌に残っているので、比較の準備は万端。ミズナラ樽を通した「一部の原酒」が、全体の印象をどこまで変えているのか。日本の木とスコットランドの酒が出会った結果を、この一杯で確かめます。氷がカランと鳴るのを合図に、まずは香りから。

 

 

キャラメルとメープルが香る、濃密な甘さ。

 

 

 

 

まず香り。これがもう、通常版とくらべて段違いに良いのがすぐに分かります。キャラメルのような、メープルシロップのような、甘くて濃厚な香り。そこにほんのりスパイシーなニュアンスが混ざっていて、ただ甘いだけではない奥行きがあります。前日の通常版は「柔らかなピート香とバニラ」という印象でしたが、こちらはピートの煙がほとんど感じられず、代わりに甘い樽の香りが前面に出てくる。同じシーバスでもここまで違うのかと、鼻を近づけた時点で驚きました驚き

 

 

そして口当たり。甘く濃密です。通常版の「ハチミツを舐めた瞬間」のような甘さはそのままに、そこへバニラやカラメルのような甘い香りが追加されている感じ。ハチミツにカラメルソースをかけたような、二層構造の甘さと言えばいいでしょうか。とろりとした舌触りも通常版より一段濃くて、氷が溶けても薄まりにくい。ミズナラ樽で仕上げているのは「一部」の原酒だと聞いていたのですが、飲んでみると全体の印象がしっかり変わっているのが面白いところです。

 

 

ピーティさは感じません。通常版で「余韻にややピーティ」と感じたあの煙の記憶が、ミズナラ版では甘い樽の香りに包まれて消えています。余韻は丁度よい長さで、甘さがすっと引いたあとに、ほんのりスパイシーな香りが鼻に残る。ジャパニーズウイスキーで感じる「お香」のような香りかと言われると、そこまで強くはなくて、あくまで「甘さと香りを一段深くする隠し味」としてミズナラが効いている印象でした。

 

 

飲み比べという意味では、通常版を「日常の一杯」とするなら、ミズナラは「ちょっとご褒美の一杯」。通常版のマイルドさも大好きですが、香りの華やかさと甘さの厚みは明らかにミズナラに軍配が上がります。山崎白州のハイボール缶で感じた「ジャパニーズらしい甘い樽香」が、スコッチの骨格の上に乗っているような不思議な味わい。ミズナラってすごいんだなと分かる味わいでした!

 

 

下戸の私としては、40度なのにアルコールの刺激がまったく気にならなかったのも嬉しいポイント。甘さと香りが強い分、少量でも満足感が高いので、ハーフボトルをちびちびと何日かに分けて楽しむのにぴったりです。2日連続でシーバスを飲んで、「定番はやっぱり美味い」と「日本の木はやっぱりすごい」の両方を実感できた、幸せな飲み比べになりました照れ飛び出すハート

 

 

今日は映画(洋画)でペアリング!

 

シーバスリーガル ミズナラ12年と一緒に楽しみたいのは、映画「ラストサムライ」(2003年、エドワード・ズウィック監督)です。トム・クルーズが主演し、渡辺謙がアカデミー賞助演男優賞にノミネートされたことでも話題になった一本。真田広之や小雪も出演していて、ハリウッド映画でありながら日本の俳優たちが物語の中心を担う、当時としては画期的な作品でした。音楽はハンス・ジマー。

 

 

舞台は明治初期の日本。南北戦争を戦ったアメリカの軍人オールグレンは、近代化を急ぐ新政府軍の教官として日本に招かれます。ところが最初の戦いで、政府に抵抗する侍・勝元の一団に捕らえられ、山あいの村で冬を越すことになる。西洋の合理主義の中で生きてきた男が、侍たちの暮らしや精神に触れるうちに、少しずつ変わっていく……というお話です。この先の展開と、あの有名なラストは、ぜひご自身の目で。

 

 

この映画をミズナラ12年に合わせたい理由は、もうお分かりかもしれません。「西洋のものが、日本のものと出会って変わる」という構図が、そのまま今回のウイスキーだからです。スコットランドで12年以上寝かせたブレンデッドスコッチが、日本のミズナラ樽で仕上げられることで、通常版とは別物の甘く華やかな香りをまとう。オールグレンが日本の山村で過ごした冬に、それまでの自分になかった何かを身につけていくのと、まったく同じことがボトルの中で起きているわけです。

 

 

それに、この映画の日本の描き方がとても丁寧なんですよね。海外の作品にありがちな「変な日本」ではなくて、村の暮らしや四季の景色、人と人との距離感まで、きちんと敬意をもって描かれている。ミズナラ12年も同じで、スコッチが日本の樽を「話題作りの飾り」として使っているのではなく、本気で日本の香りを取り込もうとしているのが飲めば分かります。コリン・スコット氏が日本のために作ったブレンドと、ズウィック監督が日本に惚れ込んで撮った映画。どちらも「外から見た日本への敬意」が詰まっています。

 

 

味わいの面でも相性は抜群です。この映画の山村の場面は、雪や桜、木の家、囲炉裏の火といった、木と自然の匂いが画面から立ち上ってくるような映像。そこにミズナラ樽の甘くほのかにスパイシーな香りを合わせると、スクリーンの中の木の香りまで一緒に飲んでいるような気分になります。ハンス・ジマーの重厚で美しい音楽と、キャラメルのような濃密な甘さ。2時間半の大作を、ロックの一杯でゆっくりと。氷が溶ける頃にちょうど物語も佳境を迎えますよおねがい

 

 

下戸の酒好き評価点

 

 

※下戸の酒好き評価は味の良し悪しを計るものではありません。

下戸で酒初心者の私があくまで個人的な感覚で評価したものになります。

 

 

★★★

 

 

★★★ … 下戸にも酒初心者にもオススメしたい

★★☆ … 下戸、酒初心者に丁度良く幅が広がる

★☆☆ … 下戸、酒初心者には少し理解が難しい

 

 

シーバスリーガル ミズナラ12年の価格&どこで買える?

 

シーバスリーガル ミズナラ12年の700mlボトルは、輸入元の参考小売価格が6,000円台半ば(税込)。通常の12年より1,500円ほど高い設定です。ここ数年で何度か値上げがあったので、昔の感覚で「4,000円くらい」と思っていると少し驚くかもしれません。ただし実際の店頭やネットでは、700mlが4,000円前後から5,000円台前半で見つかることが多く、定価よりだいぶお手頃に手に入ります。

 

 

今回飲んだ350mlのハーフボトルは、参考小売価格が3,000円台半ばで、実勢は2,500〜3,300円くらい。通常版とミズナラをハーフボトルで1本ずつ買って飲み比べる、という今回のような楽しみ方なら、合わせて5,000〜6,000円ほどで収まります。ウイスキーの「樽の違い」を体感するには、これほど分かりやすくてコスパの良い教材はなかなかないと思いますよ。

 

 

取り扱いは、通常版ほど「どこにでもある」わけではありません。日本限定商品ということもあって、コンビニで見かけることは少なく、酒販店やウイスキーの品揃えが良いスーパー、成城石井のような専門性の高い店が中心。確実に手に入れたいなら、楽天市場やAmazonなどのネット通販が便利です。700mlはもちろん、ハーフボトルや、通常12年とのセット、上位の18年ミズナラカスクフィニッシュまで選べて、価格の比較もしやすいのでおすすめ。

 

 

「ジャパニーズウイスキーは高くて手が出ない」という方にも、これは良い選択肢だと思います。ミズナラ樽の甘い香りを、スコッチの価格帯で味わえるわけですから。まずは通常の12年を飲んでから、次にミズナラ。この順番で飲むと、樽がウイスキーに与える魔法がはっきり分かります。ぜひ2本並べて、日本の木の底力を確かめてみてくださいウインク

 

 

楽天市場でお得に買うならコチラ

 

 

 

 

Amazonでお得に買うならコチラ

 

 

 

 

あわせて読むともっとお酒に詳しくなれる関連記事

シーバス・ブラザーズのウイスキー

ミズナラ樽・日本の樽香を楽しむ記事

ウイスキーをもっと深く知りたい方へ