こんばんは!まずは皆さん、乾杯っ!ウイスキー

 

 

プールでひと泳ぎしたあとに立ち寄る、帰りの定番コース。すっかりお馴染みになったMAIN DINING sereno(セレーノ)で、今回いただいたのは「ワイルドターキー 8年」です。

 

ワイルドターキー 8年 101プルーフ バーボン

 

泳いだあとの、あの独特の疲労感。体はくたくたなのに、頭だけが妙に冴えている。あの状態で飲む一杯が、どうしてこんなに旨いのか。もはや泳ぐことが目的なのか、その後の一杯が目的なのか、自分でもよく分からなくなってきましたウインク

 

 

このセレーノというお店、定番ウイスキーをひと通り揃えてくれているのが本当にありがたいところ。前回はタリスカー10年、その前はグレンフィディック12年、さらにアードベッグ10年と、名門どころを一本ずつ潰してきました。「やまや」や「イオンリカー」の棚に必ず並んでいるような、いわば"教科書に載っている銘柄"を、こうして一杯ずつ実地で確かめられる。下戸で酒初心者の私にとって、これ以上ないくらい丁度良いお店なんです。

 

 

そしてふと気づいたのです。……あれ、私、バーボンの定番中の定番を、まだ飲んでいないぞ、と。

 

 

そう、ワイルドターキー。あの七面鳥のラベル。バーの棚でも、酒屋の棚でも、映画や小説の中でも、必ずと言っていいほど見かけるあの一本。名前だけなら、お酒を飲まなかった頃から知っていました。むしろ「バーボン」と聞いて頭に浮かぶ絵が、ほぼこのボトルだったと言ってもいい。それくらい、この銘柄はアメリカのウイスキーの"顔"なんですよね。

 

 

これまで私が飲んできたバーボンといえば、メーカーズマークジャックダニエル(厳密にはテネシーウイスキーですが)。どちらかというと、飲みやすさや甘やかさが前に出るタイプでした。でもワイルドターキーは、どうやら少し様子が違うらしい。なにしろ「101プルーフ」=アルコール度数50.5度という、初心者にはなかなか気軽に手を出せない数字を、看板として堂々と掲げているのですから。

 

 

正直に言えば、ちょっと身構えました。50.5度ですよ。ハイボールでも焼酎でもなく、ウイスキーの原液です。下戸の私が飲んで大丈夫なのか。でも同時に、こうも思ったのです。定番と呼ばれるものには、定番であるだけの理由が必ずある。タリスカーもグレンフィディックも、飲んでみて初めて「あぁ、なるほど、これは売れるわけだ」と腹の底から納得できました。ならば、バーボンの王様にも、同じように向き合わないと失礼というものです。

 

 

ロックグラスに氷を入れて、注いでもらいます。琥珀色の液体が氷を伝って落ちていく、あの数秒間。この時間がたまらなく好きなんですよね。……さあ、荒野のバーボンを、いただきます。

 

 

ワイルドターキー 8年とは?

ワイルドターキー8年 バーボン ウイスキー

 

まずは造り手から。ワイルドターキーを生み出しているのは、アメリカ・ケンタッキー州ローレンスバーグにあるワイルドターキー蒸溜所。ケンタッキー・リバーを見下ろす丘の上に建っていて、その場所は「ワイルドターキー・ヒル」と呼ばれています。蒸溜所のルーツは1869年。アイルランドから海を渡ってきたリピー兄弟が、この地に蒸溜所を構えたのが始まりとされています。150年以上、同じ丘で酒を造り続けているわけです。

 

 

では、なぜ「野生の七面鳥」などという、およそ高級酒らしからぬ名前になったのか。これがまた、実にアメリカらしいエピソードなんです。

 

 

当時この蒸溜所の酒を扱っていた会社の重役が、仲間との七面鳥狩り(ワイルドターキー・ハント)に、樽から直接汲んできたウイスキーを持参したのだそうです。これが仲間たちに大好評。翌年から「おい、またあのワイルドターキーのやつを持ってきてくれよ」とせがまれるようになり、そのまま銘柄名になってしまった——というわけです。マーケティング会議で練り上げられたブランド名ではなく、狩り仲間のあだ名がそのまま看板になった。この由来を知ってから、あのラベルの七面鳥がやたらと誇らしげに見えて仕方ありませんニコニコ

 

 

そしてこの蒸溜所を語るうえで絶対に外せないのが、ラッセル父子の存在です。父・ジミー・ラッセル1954年入社1967年にマスターディスティラー就任。つまり70年以上、この蒸溜所ひと筋。その敬意たるや、「バーボンの仏陀(The Buddha of Bourbon)」という異名で呼ばれるほど。業界の生ける伝説です。そして息子のエディ・ラッセル2015年にマスターディスティラーに就任し、現在は父子ふたりでマスターディスティラーを務めるという、世界的にも珍しい体制になっています。親子合わせて、この蒸溜所での経験は100年超え。……もう、酒の味を語る前に、この時点で頭が下がります。

 

 

さて、肝心のバーボンについて。そもそもバーボンとは何かというと、アメリカの法律できっちり定義があります。原料の穀物のうちコーンが51%以上内側を焦がした新品のオーク樽で熟成させること、蒸溜時と樽詰め時のアルコール度数に上限があること、そして着色や香味づけの添加は一切不可。さらに「ストレートバーボン」を名乗るには、最低2年の熟成が必要です。つまり「バーボン」という3文字自体が、けっこう厳しい合格証なんですね。

 

 

そのうえでワイルドターキー8年。名の通り8年熟成のケンタッキー・ストレートバーボンで、アルコール度数は50.5度=101プルーフ。この「プルーフ」というのはアメリカ式の度数表記で、数字を半分にすると日本でいう度数になります(101÷2=50.5)。ブランド誕生以来この101という数字を守り続けているというのが、ワイルドターキーの矜持なわけです。

 

 

樽にも特徴があります。ワイルドターキーが使うのは「アリゲーター・チャー」と呼ばれる、内側を極限まで強く焦がした樽。焦げた木肌がワニの背中のようにボコボコと割れることから、この名がついています。ここから、あの濃厚なバニラやキャラメル、香ばしいスパイスの香りが生まれてくるんですね。

 

 

そしてもうひとつ、通の間でよく語られるのが「樽詰め時の度数(バレルエントリープルーフ)が低い」という点。法律の上限ギリギリまで度数を上げて樽に詰めれば、あとから水で割って薄める分だけたくさんのボトルが作れる=儲かるのですが、ワイルドターキーはあえてそれをせず、低めの度数で樽に詰めていると言われています。加水を極力減らし、樽から出てきたそのままの濃さに近い味を届けるため。効率より味。この頑固さ、たまらなく好きです。

 

 

ワイルドターキー 8年をチェック!

 

ワイルドターキー8年 101プルーフ ボトルとグラス

誇らしげに羽を広げる七面鳥。

「KENTUCKY BOURBON 101 STRAIGHT WHISKEY」「AGED 8 YEARS」の文字が眩しい!

 

ワイルドターキー8年 ロックグラスで楽しむ

大きめの氷にとろりと絡む、深い琥珀色。

グラスの曇りが、キンと冷えた温度を教えてくれます。

 

ワイルドターキー8年 50.5度 ウイスキー

裏ラベルは潔いほどシンプル。

原材料名は「グレーン、モルト」の一行だけ。そしてアルコール分「50.5度」の文字が、静かに凄みを放っています。

瓶の底に浮かぶ「BOLD」のエンボスまで、いちいち男くさい。

 

 

銘柄名 ワイルドターキー 8年(WILD TURKEY 101 / AGED 8 YEARS)
分類 ケンタッキー・ストレートバーボンウイスキー
品目/原材料名 ウイスキー/グレーン、モルト
アルコール分 50.5度(101プルーフ)
熟成年数 8年
アリゲーター・チャー(内側を強く焦がした新樽)
内容量 700ml
原産国/蒸溜所 アメリカ合衆国/ワイルドターキー蒸溜所(ケンタッキー州ローレンスバーグ)
輸入者 シーティースピリッツジャパン株式会社(東京都渋谷区神宮前)

 

 

ワイルドターキー 8年を飲んでみての評価

 

グラスが目の前に置かれます。琥珀色は、これまで飲んできたスコッチたちよりも明らかに濃く、赤みを帯びている。強く焦がした新樽から出てきた色です。そして鼻を近づける前から、もう香りが立ち上ってくる。……これはもう、逃げられません。50.5度。ここまで散々「頑固だ」「無骨だ」と持ち上げてきた以上、こちらも正面から受け止めるしかない。これまでスコッチばかり飲んできた舌に、アメリカの荒野はどう響くのか。

 

 

潮とスモークのタリスカー、華やかな洋梨のグレンフィディック、正露丸のようなアードベッグ——あの島国の個性派たちとは、まったく別の言語で語りかけてくるはずです。ひとつ息を吸って、グラスを傾けました。

 

 

パンチがきいてて、マーベラス!

 

 

 

 

まず香り。真っ先に来たのは、スパイシーな、ブドウのような香りでした。これは意外でした。バーボンといえばバニラやキャラメルの甘い香りだと思い込んでいたのですが、このターキーはもっと果実的で、しかもその果実に胡椒を振ったような刺激がある。そして、しばらく嗅いでいると——不思議なことに、どこか「コーラ」を感じさせるニュアンスが立ち上がってくるんです。スパイスと柑橘とバニラが渾然一体になった、あの黒い炭酸飲料の香り。バーボンとコーラを合わせるカクテルが世界中で愛されているのは、もしかすると最初から香りの中にコーラが棲んでいたからなんじゃないか。そんな妄想すら浮かんできましたびっくり

 

 

そして味わい。口に含んだ瞬間は、ほんのり甘い。おっ、優しいじゃないか——と油断した、次の瞬間です。渋みとドライさが、ぐいっと前に出てくる。甘さが引いた場所に、木の渋み、そしてアルコールの強烈な熱がなだれ込んでくる。とにかくパンチがきいている。舌の上でも、喉でも、飲み込んだあとの胸の奥でも、ちゃんと殴られる。50.5度は伊達じゃありませんでした。

 

 

でも、これが不快かというと、まったく逆なんです。マーベラス。思わずそんな言葉が出てきました。荒っぽいのに、下品じゃない。強いのに、雑じゃない。8年という熟成が、この暴れん坊にちゃんと背骨を通している感じがするのです。ハイプルーフなのに水っぽさがまるでない——加水を極力せず、樽の濃さのまま届けるという、あのこだわりの意味がここで腑に落ちました。

 

 

余韻がまた見事です。飲み込んだあとに残るのは、スパイシーなドライフルーツを食べたあとのような感覚。レーズンやプルーンを口の中で噛みしめて、その甘酸っぱさと種の渋みだけが舌に残っている、あの状態。そしてここで、私の頭に唐突に浮かんだのが——ブルーチーズでした。この塩気と青カビの刺激が、絶対にこの余韻とぶつかり合って化ける。飲みながら、勝手にペアリングの妄想が始まってしまうお酒って、そう多くありません。

 

 

……ところがこの日、まさかの事件が起きます。今日からメニューが変わってしまったというのです。楽しみにしていた鰯のパスタが、消えている。えっ、今日から? 今日から!? このタイミングで!? ……という顔をしていたと思います。

 

 

気を取り直して、新メニューからクラシックチーズバーガーを注文しました。……これが、結果的に大正解だったのです。

 

 

ワイルドターキー8年とチーズバーガー

ゴマの輝くバンズ、ピクルス、ケチャップ、そしてザクザクのポテト。奥にはターキーのボトル。完璧なアメリカン。

 

 

スパイシーなバーボンに、ジャンクなチーズバーガー。これがもう、笑ってしまうくらい合うんです。しかもこのバーガー、マックなどのそれとは完全に別物でした。バンズの柔らかさパテのジューシーさチーズの濃厚さ。備え付けのピクルスを齧りながら、ちゃんとポテトまで付いてくる。完璧なアメリカンスタイルです。肉の脂とチーズのコクを、101プルーフの渋みとドライさがスパンと断ち切ってくれる。切っては食べ、食べては飲み。この無限ループから抜け出せなくなりました爆  笑

 

 

正直に言えば、飲む前は「50.5度なんて、下戸の自分には手強すぎるのでは」と思っていました。でも飲み終えて残ったのは、爽快感でした。誤魔化しがない。飾りがない。強いものが強いまま、堂々とそこにいる。バーボンの定番中の定番が、なぜ何十年も定番であり続けているのか。その答えは、理屈ではなく、グラス一杯でちゃんと伝わってきました照れ飛び出すハート

 

 

今日は海外ドラマでペアリング!

 

今回ワイルドターキー8年に合わせたい作品は、海外ドラマ『ジャスティファイド 俺の正義』です。

 

 

まず、この作品を選んだ理由の第一が、あまりにも単純明快。舞台が、ケンタッキー州なんです。ワイルドターキー蒸溜所があるのと同じ、あのケンタッキー。炭鉱と山と、貧しさと暴力と、それでも消えない人情が渦巻く土地。バーボンが生まれた土そのものを描いたドラマを、そのバーボンを飲みながら観る。これ以上に理にかなったペアリングが、あるでしょうか。

 

 

主人公は、連邦保安官のレイラン・ギヴンズ。カウボーイハットを被り、時代錯誤なまでに自分の流儀を貫く男です。周りからは「いつの時代の人間だ」と呆れられ、上司からは持て余され、それでも彼は決してスタイルを変えない。……この頑固さ、まさに101プルーフです。世の中がどれだけ「飲みやすさ」「軽やかさ」に流れても、ワイルドターキーは50.5度を下げなかった。時代に合わせて薄めることを、しなかった。変わらないことそれ自体が、この酒の主張なのです。レイランの被る帽子と、あの101の数字は、同じ意味を持っていると思うのです。

 

 

そして、このドラマの核心にあるのが「父と息子」というテーマです。レイランは、犯罪者である父アーロとの確執を、シリーズを通してずっと引きずり続けます。憎み、拒み、それでも切り離せない血の繋がり。……ここで思い出してほしいのが、ジミー&エディ・ラッセルの親子二代です。片や、憎しみで結ばれた親子。片や、同じ蒸溜所で肩を並べ、同じ味を守り抜く親子。正反対のようでいて、どちらも「父から逃れられない息子」の物語であることに変わりはない。ドラマの苦い親子関係を眺めながら、グラスの中の"継承された味"を舐める。この対比が、たまらなく沁みるのです。

 

 

味わいの面でも、共鳴は見事です。このドラマの会話は、原作者エルモア・レナード譲りのドライで乾いた軽口が持ち味。緊張感の中に、皮肉とユーモアがひょいと差し込まれる。あの「ほんのり甘いのに、すぐ渋みとドライさが追いかけてくる」ターキーの味の構造と、ぴったり重なるんですよ。そして訪れる、突然の銃声。あのパンチの効き方も、50.5度の喉越しそのものです。

 

 

ロックグラスを片手に、ケンタッキーの荒れた丘を眺める。ついでにチーズバーガーがあれば、もう完璧なアメリカです。無骨な男の物語には、無骨な酒を。飾らないドラマには、飾らないバーボンをおねがい

 

 

下戸の酒好き評価点

 

 

※下戸の酒好き評価は味の良し悪しを計るものではありません。

下戸で酒初心者の私があくまで個人的な感覚で評価したものになります。

 

 

★★★

 

 

★★★ … 下戸にも酒初心者にもオススメしたい

★★☆ … 下戸、酒初心者に丁度良く幅が広がる

★☆☆ … 下戸、酒初心者には少し理解が難しい

 

 

ワイルドターキー 8年の価格&どこで買える?

 

さて、気になるお値段です。ワイルドターキー8年の希望小売価格は、700mlで税込4,158円1000mlで税込4,994円。ただし実売はもう少しこなれていて、700mlで3,000円前後から見かけることも多い一本です。

 

 

この価格、冷静に考えるとかなりのコストパフォーマンスだと思うんです。8年熟成で、50.5度。同じ値段帯のスコッチと比べても、熟成年数と度数のバランスで見れば相当に強気な仕様です。しかも度数が高いということは、ロックでも、ハイボールでも、水で割っても、味が痩せないということ。1本で何通りもの飲み方に耐えてくれるので、実質的なコスパはさらに上がります。

 

 

入手はとても簡単です。「やまや」や「イオンリカー」といった酒販店、大型スーパー、そして楽天市場・Amazonなどのネット通販でも普通に手に入ります。バーボンの定番中の定番だけあって、扱っていない店を探すほうが難しいくらい。ちなみに同じワイルドターキーでも、8年(101プルーフ)のほかに、度数を抑えた「スタンダード(81プルーフ/40.5度)」や、上位の「レアブリード」などのラインナップがあります。赤いラベルに「101」「AGED 8 YEARS」の表記があるかどうか、棚の前でしっかり確認してくださいね。

 

 

おすすめの飲み方は、まずはロック。氷が溶けて度数が落ちていく過程で、味の表情がどんどん変わっていくのが面白いんです。そして王道のバーボン・コーラ。あの香りの中に潜むコーラのニュアンスを知ってしまうと、この組み合わせが「発明」ではなく「必然」だったと分かります。そしてもちろん、チーズバーガーと一緒に。これは声を大にしておすすめしたいニコニコ

 

 

下に楽天市場とAmazonのリンクを貼っておきますので、気になった方はぜひチェックしてみてください。「バーボンってどれから飲めばいいの?」と聞かれたら、私はもう迷いません。まずはこの七面鳥から、と答えます。

 

 

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